私は、もともと本が嫌いでした。
小学校の時、図書室や図書館通いが流行り、
冒険ものなど友達に負けじと読んだことはあります。
でも、読んでいるうちに話の内容が分からなくなり、
本は嫌なものだなぁという印象しか残りませんでした。
もちろん、小中高大学すべてにおいて
国語の点数は見れたものではございません。
そんな私が、本に目覚めたのは
ある1冊の本を読んでからです。
なんてことのない、恋のドキドキ
短編小説です。
ふだん読まないので、
本にこんなドキドキするお話があるんだと
初めて知ったのです。
会社に勤め始めてからの事です。
それからというもの、会社帰りに本屋に行き
恋愛から冒険ファンタジー、推理小説などなど
好きな作家ごとに全部買って読んだりするようになりました。
きっかけは、ドキドキ恋愛だったのですが
次第に文学へと移行しました。
そのうち、難しいとされる
三島由紀夫も揃えました。
でも、やっぱり私には難しい内容でした。
三島由紀夫といえばどんな内容なのか
分かりませんでした。
何年もの時がたち、本棚はいっぱいになり
少しいらない本でもリサイクルに出そうと考えました。
(かれこれ3年前の事です。)
もう読まないかなぁと思える作家さんのシリーズを
袋に詰めてみました。
でも、いざリサイクルショップに持っていこうとなると
なかなか行き難いものです。
もしかして、あの時より年もとったし
今だったら読めるかしら?
少しは内容がわかるかしら?
と、ついつい思ってしまうのです。
そして、袋は再び本棚の前へ。。。。。
本というものは、
買った時のその本に対する気持ちが
いつまでも記憶に残っていたりして
なかなか捨てられないものなのですね。
今頃になって、
転勤族だった父親が
古い本棚に古い本を沢山持っていた訳が分かってきました。
子供の頃は、
なんでこんなに古い本が
1段2列に入っているのだろう・・・。
読まないのに、いつまで置いておくのだろう・・・。
としか思っておりませんでした。
今では、私も2列置きです。
奥の本を出して読むなんて、めったにありません。
でも、買った時の気持ちと
これを読んだんだという満足感、
またいつか全作読み返してみたいという思いは
いつも心の片隅にあります。
いつの間にか、父親と同じことをしております。
親子って、変なところで似るものですね。
それでは、お休みなさいませ。