昨日お昼休みに「娘に会いたい」と言った彼に、
わたしはその場では答えを出しかねていた。
ただ、彼が聞きたかったのは、
「女の子って父親に対してはどういう気持ちを持っているものなのか。」
ということだったんだけど……。
そんなことにも、いいかげんな返答はしたくない。
いつもそうだけど、即答ができない。
だからまた、頭の中でぐるぐる考えてから、
メールした。
長くなるとケイタイメールはつらいので、
できればPCからと思い、
PCメールの受信の可否を問うメールをまず送ったのが、
23:30過ぎ。
彼が返事をくれたのは、24:30過ぎ。
そのときわたしは迂闊にも、子どものとなりで寝てしまっていた。
目が覚めたら彼からのメールを受信していた。
気がついた時間は、1:30ごろ。
結局ケイタイからじゃないとダメで、
それからケイタイで作文をはじめた。
なるべく短くしたつもりだったけど、
それでも時間がかかってしまって、
読んでもらえる形になったのは、もう3:00前だった。
こんな遅く、というか超早い時間に送っていいものか、
迷ったけど、結局送信した。
そして6時間後にはもう、職場で顔をあわせている。
みんなの前ではテンションをあげて、強気のふりをしている彼。
わたしも彼も、お互いにメールのことには一言も触れず、
何事もなかったかのようだ。
だけど、午後、自販機で飲み物を買っていたら、
他の管理職に少し遅れて会議室へ向かう彼に遭遇した。
廊下にいたのは、わたしと彼の、ふたりだけ。
わたしが会釈すると、真顔の彼が小声で、
「いつも遅くてスミマセン。」と、ペコリ。
返信がいつも24:00をまわるのを気にしてのこと。
「いいえ、こちらこそ、変な時間にスミマセンでした。」
とわたし。
彼は、にこやかに、会議室へ消えた。
ふたりきりのときだけ、できるメールの話。
だれにも言えない秘密を持った気分。 |