わたしの机の上のファイルを彼が取りに来たので、
その前においてあったお茶缶のペン立てを無言でよけてあげた。
「……あっ、そういえば忘れてた。」
なにをですか?
「はっぴぃばぁすでいとぅゆ〜、で、
買ってきてやるんだったのに。(ペン立て)」
……いいですよぅ。。。
「だぁいじょうぶだよ。金取るから♪」
……ぐぅ……。
この前は休憩時間で、事務所内は人が少なかったので、
彼とわたしの、ペン立てと誕生日をめぐるやり取りは、
今日はじめてきく人もいたのだ。
なんで彼がわたしの誕生日を知っているのか?
誕生日にプレゼントを贈るような関係なのか?
そんなふうに思われやしなかっただろうかと、
そして、
本当にくれるつもりがあったんだと、
一瞬でも本気で思った自分が、
とても恥ずかしかった……。
完全にいじられたな。
それで彼が楽しいなら、それもまたよしとしよう。 |