ドゥバイヨルの《フォンダンロワイヤル》 [2008年12月28日(日)]

ドゥバイヨルのクリスマスケーキ・《フォンダンロワイヤル》です



マルク・ドゥバイヨル(Marc DEBAILLEUL)は、数々の著名なお菓子のコンクールの受賞歴を誇り、またMOF(フランス最優秀職人)の資格をもつ、世界でも屈指のパティシエです。ベルギー・ブリュッセルにアトリエを構え、日本では一部のデパートなどでチョコレートや焼き菓子が販売されています。ただ、年に一回だけ、クリスマスに日本でもケーキを販売します。

わたしのうちでは、一昨年、昨年と白いクリスマスケーキが続いたので、ことしは黒いクリスマスケーキ、そのクリスマス限定のドゥバイヨルのケーキを選択しました

ドゥバイヨルの2008年のクリスマスケーキ《フォンダンロワイヤル》は、“マリアージュの巨匠”とも称されるドゥバイヨルが、バニラムース、チョコレートムース、チョコレートスポンジの3層をこれ以外には考えられないという絶妙なバランスでまとめあげたチョコレートケーキです



コーティングチョコレートで覆われたつややかな表面には金粉がちりばめられており、ケーキの上にのせられた星や動きのあるチョコレートとあいまって、さながら漆黒の夜空にきらめく銀河からの流れ星がケーキのうえにこぼれ落ちてきたかのような気分にしてくれます。ケーキの側面には聖夜の幸せの流れ星を祝福するかのように金粉の星たちをまとったチョコレートが取り囲んでいます。



ケーキからは甘い甘い聖なる夜の香りが漂ってきます

ナイフをいれてみることにします。

ねっとりとした闇(コーティングチョコレート)をまといながらナイフはすすんでいきます。チョコレートムース、純白のバニラムース、チョコレートスポンジの内部があらわになりました

濃密なコーティングチョコレートとは異なり、チョコレートムース、バニラムースともにまさに天上のたべもののごとくかろやかな感触です。土台のアーモンドが練りこまれているチョコレートスポンジとまわりのコーティングチョコレートがそのはかなさを守っているようです。

さっそく口に運んでみましょう

まずコーティングチョコレートの濃厚な味わいが感じられます。つづいて、とろけだしてくるのは、バニラの甘い風味と、豊かだけど決してくどくないチョコレートの風味です。それらは渾然一体となりながら口のなかから消えていきます。あとにのこるチョコレートスポンジは、ややしっかりとしたテクスチャーをもち、口のなかで展開した甘い聖夜の風景に奥行きと深みを与えてくれました。

ドゥバイヨルの《フォンダンロワイヤル》、わたしの記憶のひきだしに甘美な味の旋律を鮮明に刻み込んでくれました

とても美味なるチョコレートケーキです

Posted at 00:30 | 雑記 | この記事のURL

KAMONジェネレーター2をしてみました。 [2008年11月09日(日)]

ほんとうならまずオフ会レポを書かなければいけないでしょうが、おともだちのみむママさんのところで紹介されていた《綾鷹・KAMONジェネレーター2》がおもしろそうだったので、わたしもやってみました


わたしの結果です





《さかずき紋》でした。


礼儀正しく、几帳面なさかずき紋のあなた。友人、知人を大切にし、誰からも好かれるのが特徴。そんなさかずき紋の今後は・・・・大きな決断のときが迫っているようです。しかし、自分だけの考えで決断してしまうのはお勧めできません。誰かとよく相談して答えを出せば、きっと素晴らしい未来が待っているはずです。

お酒に弱いのに、《さかずき紋》とは・・・

「誰かによく相談」、誰かって、誰
やーくんさるびーくんでないのだけは、確かそうですが・・・

みなさんもいかかですか
ここにリンクを貼っておきます





《11月13日付追記》
来週にかけて、早朝に起床しなければならない状態が続くので、しばらくブログ活動をお休みさせていただきます。来週半ば頃に『オフ会報告』の記事で復活したいと思っています。わざわざ当ブログに足を運んでいただき、どうもありがとうございました
Posted at 13:57 | 雑記 | この記事のURL

ラデュレのお菓子 [2008年10月20日(月)]

三越本店にオープンしたラデュレに行ってきました

まずキャレショコラです。

金箔がちょんとのったかわいいキューブ型をしたチョコレートケーキです。



チョコレートケーキといっても、そこはラデュレ、ふつうのチョコレートケーキとはちがう工夫がされています。

ひとつのデザートでチョコレートのさまざまな変化(へんげ)を楽しめるよう、プラリネ、チョコレートクリーム、チョコレートムース、チョコレートのスポンジ、ベリーの入ったマカロン、そして薄い板状のチョコレートが、きれいな層を成してこのケーキを形づくっています。



それはこのケーキにフォークをいれたとき、指先に感じる微妙な力の変化からも感じることができます。

口にいれたときが楽しみです。

さっそくひとくち

パリッ、まったり、じわーっ、パリパリッ、サクッとさまざまな食感が口のなかに踊ります。と同時に、いろいろな表情をもったチョコレートが溶けだしてきます。

とてもおいしいです

見かけからはとても濃厚なチョコレートケーキのように思えるかもしれませんが、チョコレートにさまざまな顔をもたせている分、意外とあっさりいただけます

つづいて、マカロンです。



このマカロンもケーキ同様、小ぶりであっさりしていました。ローズマカロンには生クリームがはさまれていて、感動的においしかったです

おまけ



今年のバレンタインシーズンに買った、オレンジピールのチョコレートです。
オレンジピールのほのかな苦みと甘みとビターチョコレートがよくあっていました


Posted at 23:20 | 雑記 | この記事のURL

はふうのビーフカツサンドイッチ [2008年10月09日(木)]

はふうのビーフカツサンドイッチです
はふうは京都市中京区にあるステーキハウスです。



現在日本橋高島屋で開催中の《美食の京都展》で買い求めました。



分厚くカットされた牛肉は、なるほど衣をつけて揚げられているものの、見かけからもビーフカツサンドと呼ぶより、むしろビフテキサンドとの名がふさわしい重厚なサンドイッチです。





手に取ると、まずサンドイッチには似つかわしくない重みを感じます。続いて、ふんわりと柔らかなパンを通して、分厚い肉の触感が手に伝わってきます。
あまり強く持つとそのまま指のかたちがついてしまうような柔らかなお肉のようです。

口に運び、ひとくち。

ガブリと力まずとも、口を閉じただけで、いともあっさりサンドイッチは分たれます。

マヨネーズソースのまろやかな酸味を纏う玉ねぎやトマト、レタスの心地よい歯ざわり、滋味というのはこういう味をいうのだろうと思わせる肉のうま味。ろくろく噛まないうちにそれらが渾然一体となって胃の腑にむかって、とろけていきます。

値段がそこそこするし、はじめてで味がわからなかったので、一箱買って、家族でひときれずつ分けあいましたが、この味なら、こんどは一箱ずつ買ってもいいかなぁ、と思えるおいしさでした

とてもおいしい『ビフテキサンド』でした


Posted at 22:58 | 雑記 | この記事のURL

白日の下にさらされた「責任感の欠如」 [2008年09月13日(土)]


すでに多くのかたがなさっている《あなたの長所を診断します》。

みなさん、サルであったり、ひつじであったり、アリであったりとそれぞれいろいろな生き物に例えられているようです
ほかのかたの結果を読んで楽しんでいるだけというのも、気が引けたので、わたしも試してみました

それでは結果発表


あなたの長所は天性の明るさです

あなたは自分の周囲に楽しみを見いだす能力があり、いつも明るく陽気です。
天性のアイデアマンで、ものごとの肯定的な面に目を向けることができます。
楽天的な自信家のあなたには、人間的な魅力があり、周囲の人々にやる気や可能性を感じさせることができます。
また苦悩のなかにあっても、明るい面を見つけることができるので、楽しい人生を送ることが可能です。
あなたの明るい性格でグループの人気者になることは間違いなしです。

アハハハ、とってもお気楽な感じですね


あなたを象徴する動物は・・・

春を楽しむチョウです。

極楽とんぼとほぼおなじということでしょうか


さらに長所を伸ばすには

あなたには「責任感の欠如」という欠点が隠れているかもしれません。
あなたはすばらしいアイデアを出すことができるのですが、その仕事を責任を持ってやれるかどうかが、あなたの評価につながります。
多くの可能性の中からひとつの可能性に賭け、それに打ち込むことが必要です。
平凡さに飽きずに、最後まで責任をもって仕事をやり遂げたとき、あなたは大いに成長できます。
さらに人を思いやり、感謝の気持ちを持つことができたなら、あなたは多くの人を魅了することでしょう。

ものごとをきわめずに、ほどほどのところで満足してしまう《癖》イコール「責任感の欠如」、バレてしまいましたね


この結果、みなさんはどう思われますか

Posted at 23:11 | 雑記 | この記事のURL

東金・ぶどう郷に行きました。 [2008年09月09日(火)]

一昨日の日曜、わたしは家族と一緒に千葉県東金市の《ぶどう郷》に行ってきました

首都圏でぶどう園というと山梨県勝沼が有名です。
わたしも以前、勝沼のぶどう園には行ったことがあります。甲府盆地にひろがる一面のぶどう畑は、江戸時代より甲州ぶどうの生産地として名を馳せ、明治に入り、国産ワインの一大生産地としてその名を全国に轟かせています。

しかしながら、東金に《ぶどう郷》があることはあまり知られていないようです。かくいう、わたしもたまたま品川駅構内で千葉県観光協会のひとたちが千葉の観光パンフレットを配っている場面に遭遇しなければ、そしてそのパンフレットを受け取らなければ、《ぶどう郷》のことはいまでも知らなかったかもしれません

千葉・東金は車で東京都心部から首都高と有料道路を乗り継ぎ、およそ一時間半、西に行ったところにあり、延々と続く砂浜で知られる九十九里浜のほど近くでもあります。

日曜日の朝、寝過ごしてサッカー中継を見逃してしまったわたしは、急に思い立って、母と妹を誘い、《ぶどう郷》に行くことにしました。

千葉東金道路・東金インターでおりると、《東金ぶどう郷》と書かれた道案内が各所に掲示されているので、比較的簡単に辿りつくことができます

《東金ぶどう郷》は比較的狭い範囲に隣接しあうおよそ10のぶどう園から構成されていました。それぞれのぶどう園によって規模の大小はあるものの、ぶどうの価格は組合の協定によって定められており、栽培しているぶどうもほぼ同じ品種なので、どのぶどう園にはいるかは外観の好みと駐車場の空き具合によって決めることになります。









わたしたちは、2カ所のぶどう園に行きました。
いずれのぶどう園内でも、長いテーブルが何列か並べられ、そこでバーベキューができるようになっています

ぶどう園に入ると、ただちにスタッフの方が試食用のぶどうを運んできてくれました。もぎたてのぶどうはとてもみずみずしく、甘かったです。ただ、甲州のぶどうと比較すると多少粒が小さいように感じました

ぶどう狩りをする場合は、キロあたりの単価が100円高くなると表示されていました。しかしながら、おとなばかりのわたしたちは、はなから狩りをする気など全くなく、受付で販売されているぶどうを買うことにしました



一軒目のぶどう園では、巨峰とスチューベンを、二軒目ではバッファローという品種のぶどうを買いました。

香りのいい巨峰と甘みの強いスチューベンはよく食べるぶどうですが、今回初めてバッファローというぶどうを知りました。スチューベンのように甘みの強いぶどうで、試食しておいしかったので、即決で購入しました。

調べてみると、バッファローは別名アーリースチューベンと呼ばれ、スチューベン同様アメリカ原産のぶどうでした。




Posted at 00:57 | 雑記 | この記事のURL

七月大歌舞伎・夜の部 [2008年07月29日(火)]

一昨日の日曜日、ひさしぶりに歌舞伎を観に行きました。



歌舞伎座にての七月大歌舞伎夜の部で、演目は『夜叉ヶ池』と『高野聖』です。どちらの作品も、わたしの好きな作家である泉鏡花原作です。とくに『高野聖』は、歌舞伎座では54年ぶりの上演、また坂東玉三郎と市川海老蔵の共演で話題となりました。

それぞれの物語の筋については、みなさんがたに実際にお読みいただくとして、劇中、印象に残った点を2、3

『夜叉ヶ池』は、もともと戯曲として書かれた作品なので、劇中俳優たちが語る科白もほぼ原作と同じものでした。原作のなかに登場する夜叉ヶ池の主、白雪姫の眷族たちのすがた(物の怪すがた)もよく表現されていました

愛しい白山剣ヶ峰の千蛇ヶ池の主から届けられた文を読む際、十五夜の月の明かりではもどかしいので、白雪姫の白い肌に透かして読めばいい、との科白には、いくら妖のものとはいえ、どれだけ美白なんだ、といらぬツッコミをしたくなってしてしまいました

ちなみに、この部分、原作では、つぎのように書かれています。

十五夜の月出づ。
白雪。ふみを読むのに、月の明は、もどかしいな。
姥。御前様、お身体の光にて御覧ずるのが可うござります。


これまではひとり2役で演じられてきた夜叉ヶ池の主・白雪姫と、やさしい心と夫を深く愛する心をもつ美しい女性・百合が、今回はそれぞれ市川笑三郎と市川春猿によって演じられました。ふたりともとてもあでやかで、愛するひとを思う強い気持ちを上手に演じていたと思います。

他方、『高野聖』は小説として書かれた原作を石川耕士と坂東玉三郎自身が補綴・演出し、劇にした作品です。

玉三郎と海老蔵の共演ということもあり、幕が開く前から場内の女性たちがざわめいているようでした。

海老蔵の宗朝は落ち着きがあり、禁欲的な僧侶を絶妙な力の抜き加減で演じていました。たいして、玉三郎の女(嬢様)は原作どおりの妖艶で、聖と魔をもつ女をもののみごとに演じていました。

ふたりが川の渕でいっしょに水浴びをするシーンでは、場内の気が乱れ、妖しげな雰囲気が支配しました。

『高野聖』には、さまざまな生きものたちも登場します。キジ、ヘビ、猿、コウモリ、ヒキガエル、むささび、馬。どれもリアルなつくりではないけれど、動きはとてもリアルだったと思います。

劇中、次郎役の尾上右近の歌う「木曽節」。これはほんとに上手だったと思います。歌い終わったあと、場内からは自然と拍手がわいてきました。

歌舞伎観劇のもうひとつのおたのしみ。
幕間の食事です。

今回は食堂で《花籠膳》をいただきました。
写真(歌舞伎HPから転載)と献立を載せておきます。



口代わり
江戸厚焼き玉子、鰆西京焼、酢取茗荷、海老潮茹で、烏賊黄身焼、笹の雪、ほおずきトマト、丸十羊羹。

煮物
蒟蒻、筍、蕗、人参、さや、楓麩。

焼き物
水茄子田楽。

酢の物
もずく酢、大和芋、いくら。

揚げ物
揚げ出し豆富 野菜餡かけ。

小鉢
滝川豆富、おくら、山葵。

飯物
白飯、ちりめんじゃこ有馬煮、木の芽。

椀物
清まし汁仕立て 楓蒲鉾 焼海苔。

香の物
日の菜漬け。

果物
西瓜角切り。

とってもおいしくいただきました

興味のある演目の時には、またぜひ行ってみたいと思います

Posted at 21:45 | 雑記 | この記事のURL

天然氷のかき氷 [2008年07月16日(水)]

日光・天然氷のかき氷(4代目氷屋徳次郎)です

一昨日まで日本橋三越において、期間限定出店されていました。店頭に掲示されていた表示によると、天然氷を製造・販売しているところは、全国に五ヶ所しかないそうです。





イチゴやメロンといった定番のシロップ以外に、マンゴーりんご黒蜜なども用意されています。

わたしは、そのなかから、沖縄粟国生なり糖シロップを選択しました。

注文を受けて、氷を削りはじめます。

シャッシャッシャッシャッ

リズミカルな音とともに、容器に削られた氷が降り積もります。
途中、一回削り機を止め、容器の縁にそって、にシロップをさっと注ぎます。
ふたたび、削り機の下にセットされます。

シャッシャッシャッシャッ、という心地よい軽快なリズムが容器のうえに雪を降らせます。

容器の高さの倍ほどにうずたかく積み上げられた白銀の塔に生なり糖の飴色の彩りが加えられます。

でも、このかき氷の主役はあくまでも氷それ自体です。生なり糖は遠慮しがちにかけられます。

テーブルの上のかき氷を見て、どこからスプーンをいれるか、迷います。

とりあえずシロップのかかった、首の部分にスプーンを差し込みます。きめ細やかに削られた氷に音もなく、すうっとスプーンははいります。

いまにも崩れ落ちそうになるてっぺんの氷を軽く押さえ、スプーンを引き抜き、ゆっくりと口に運びます。

口にいれた刹那、伝わってきたのはキーンとした冷たい刺激ではなく、ふわっとひろがるやさしい涼やかさです。

氷とともに溶けだす生なり糖の甘みは、からだに自然に染み込むじんわりとした甘みです。

とても美味です

あまりのおいしさに容器と口のあいだをスプーンにせわしく往復してもらいます。

天然氷のかき氷は、頭がキンキンすることもありません。ただ口中にやさしい甘さと清涼感が残るのみです。

食べ終わった後、幸福感に満たされました
それは、まるでお伽話の世界のかき氷を食べているようでした


Posted at 22:02 | 雑記 | この記事のURL

浅草観音ほおずき市 [2008年07月10日(木)]

毎年7月9日・10日の二日間に、浅草寺でほおずき市が開かれます。

また、この日にお参りすると、四万六千日分お参りした功徳があるとされ、境内は、参拝の善男善女で賑わいます。








↑ 紅くなっているのは、まだ下のほうの実のみです。
ちなみに江戸風鈴付きで一鉢、2,500円です。
少々お高めですが、縁起物なので、・・・


↑ 四万六千日のお守りです。






Posted at 21:45 | 雑記 | この記事のURL

七夕 [2008年07月07日(月)]

暑くてぼおっとしていたら、7月はじめての更新が七夕になってしまいました

今日はブログにも七夕のことを書かれているかたが多いようですね

七夕は、端午の節供同様、中国から伝来した年中行事で、もともと旧暦の7月7日におこなわれていました。牽牛・織り姫伝説は、みなさんもご存知の通り、牽牛・織り姫夫婦は、天帝の怒りを買い、1年に1度、七夕の夜にしか会うことができなくなった、というお話です。

本来、中国の伝説では、七夕の晩に鳳駕(ほうが・織り姫の乗り物)に乗り、鵲(かささぎ)の掛け橋を渡ってくるのは、織り姫でした。しかし、日本では、女性が男性に会いにくるという考えが、わが国の習俗に合致しないため、天の河を渡るのを牽牛(彦星)、逢瀬を待つのを織り姫(織女星)と話を逆転させました。

日本最古の漢詩集である『懐風藻』では、七夕詩は中国の詩に範を取っているため、織女星が天の河を渡ると歌っていますが、『古今和歌集』以後の和歌集においては、彦星が渡河するよう統一されていったようです。

ちなみに『古事記』においても、女神である伊弉冉尊が、男神である伊弉諾尊に先に愛のことばを投げかけたことを不吉とし、それによって生まれた《ヒルコ》を葦舟にいれて流し棄て、改めて、伊弉諾尊から伊弉冉尊に求愛し直し、国や神を生んだ、とされています。



参考文献 『世界宗教大事典』(平凡社、1991年)、『懐風藻』(講談社学術文庫)、『新古今和歌集』(岩波文庫ほか)、『古事記』(岩波文庫ほか)
Posted at 22:30 | 雑記 | この記事のURL
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