学会の今日のセッションでは、統合医療の理念の確立や研究推進に関するプレゼンがあり、スカンジナビア諸国のグループが実践的なモデルを提示していました。
まず、ノルウェイの国立代替医療研究センターのグループは、統合医療の理念について興味深い紹介がありました。
このグループは、統合医療の理論研究や代替医療の評価研究では非常に優れた発表を行っています。
次に、スウェーデンのカロリンスカ研究所のグループからは、補完医療の検証法について、RCTの提示がありました。
カロリンスカ研究所は、近代西洋医学を代表する研究機関ですが、そこでも代替医療・統合医療の研究が進められているということは日本ではあまり知られていません。
本日午後、ドイツのエッセンのグループからのプレゼンで、統合医療は未来医療という講演がありました。
少し意外だったのは、統合医療の定義として、EBMに基づく通常医療とCAM、それにMind/Body Medicineの3つの統合のモデルが提示されたことです。
統合医療の定義については研究者によっていくつか異なりますが、一般的には、EBMに基づく通常医療(近代西洋医学)と相補代替医療とを統合すると考えられています。
(米国ではcombinationと捉えられがちですが、実際にはintegrationであることが重要です。)
しかし、このプレゼンでは、通常医療・CAM・Mind Body Medicineの3つの統合というモデルでした。
私見ですが、身体と精神を切り離してそれぞれに対応した疾患分類を行ってきたドイツ医学では、(あるいは少なくともエッセンの研究グループでは、)これらの3つを統合するという考えになるのが自然な成り行きなのかもしれません。
今日のコーヒーブレイク中、統合医療学会理事長の渥美先生から、Melchart教授(今回の学会の主催者)と一緒の写真を撮るように頼まれました。
海外で渥美先生とご一緒させていただく際、訪問先の関係者との写真をよく頼まれます。
(ちなみに渥美先生ご自身のデジカメです。以前から使っていたデジカメが故障したとかで、急遽、現地で調達されたということでした。)
私が撮った写真のいくつかは、渥美先生が日本国内の学会で講演されるときに利用されています。
国内の学会で渥美先生のご講演をきいている人たちは、渥美先生が海外の医師や研究者と一緒に写っているスライドをみるとき、誰がいったいその写真を撮ったのか、などということは、もちろん気にしていないでしょう。
一応、それらの写真のごく一部は、私が撮ったものです。
(よく出てくるスライドの中に、渥美先生のネクタイが曲がった写真があります。
以前、その写真を私が撮ったのでは? という質問を学会関係者から受けました。しかし、その写真は私が撮ったのではありません。一応、私も、そのくらいの注意は払いつつ、撮っていますので。)