サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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早食いは肥満と糖尿病の元 [2012年05月12日(土)]
今月の代謝学の専門ジャーナル(電子版)に、早食いが2型糖尿病や肥満のリスクになることを示した臨床研究が、日本のグループ(Kanazawa Medical University)から報告されていました。
(Metabolism. 2012 May 4.)



早食いは、肥満の原因の一つであり、
肥満治療における食事療法では、

ゆっくりたべましょう、

という指導が行われます。


理由は、早食いだと満腹感を感じる前に、過剰摂取になりがちだからです。

(満腹感は、例えば、血糖値の上昇を感知することや、胃の機械的な拡張を迷走神経が中枢に伝えることで感じるため、早食いだとこれらのシグナルの前に、過剰摂取ということになります。)




さて、今回の研究では、中年の日本人男性を対象に、2型糖尿病リスクと食事の速さとの関連が調べられました。
(コホート研究)



具体的には、工場勤務者の男性2,050名を対象に、

自己記入形式で食事の速さが調べられ、

年1回の健康診断にて糖尿病罹患の有無が確認されました。


7年間のフォローアップが行われました。


また、糖尿病家族歴、喫煙、飲酒、運動習慣、高血圧や脂質異常症といった交絡因子で補正されています。


解析の結果

BMIが25以上の肥満者の割合は、

食べる速さが、遅い:普通:速いの3群において、

それぞれ14.6%、23.3%、34.8%であり、

早食いであるほど、肥満者の割合が多いことが見出されました。




また、試験期間中、177名が糖尿病を発症しました。


発症率(/1,000患者年)は、

食べる速さ別の3群において、

それぞれ、9.9, 15.6, 17.3でした。





交絡因子で補正後、

早食いは、糖尿病発症リスクと有意な相関が認められたということです。

(各群:1.00 (reference), 1.68 (0.93-3.02), 1.97 (1.10-3.55), p for trend=0.030)



なお、BMIで補正後、相関の有意性はなくなりました。



以上のデータから、

早食いは、2型糖尿病リスクと相関すること、

ただし、BMIで補正後には有意差がなくなることから、

早食いは、肥満の増加を介して、2型糖尿病のリスクを高めることが示唆されます。






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日本人の高齢2型糖尿病患者では野菜の摂取が血糖コントロールを改善する [2012年05月06日(日)]
老年医学の専門ジャーナルに、日本人高齢者の2型糖尿病患者では、野菜の摂取が多いと、血糖コントロールが良好であるという調査研究が報告されていました。
(Geriatr Gerontol Int. 2012 Apr;12 Suppl 1:50-8)




今回の研究では、高齢の2型糖尿病患者において、野菜の摂取量と、血糖コントロールとの関連が調べられています。


具体的には、

65歳以上の2型糖尿病患者の男性417名を対象に、

食事調査が行われ、

野菜の摂取量別に5群に分けて、

HbA1cなどの代謝指標も測定されました。



野菜の摂取量は、
A1: ~100 g, A2: 100~150 g, A3: 150~200 g, A4: 200~300 g, A5: 300 g~
の5群です。



解析の結果、

野菜の摂取量が多いほど、

HbA1c値、中性脂肪、ウエスト周囲径
が有意に低下(減少)した、

という相関が見出されました。




HbA1c値の有意な低下(改善)は、
1日あたり150グラム以上の野菜摂取群で認められています。



また、血中TG値の有意な低下は、
野菜の総摂取量が200グラム以上で示されました。




HbA1c値の低下は、
緑葉野菜の摂取増加との関連が認められました。


HbA1c値は、
5分位の最低群(=40g未満)は、
他の4群に比べて、有意に高値でした(anovaP = 0.025)。



また、緑葉野菜の摂取は、BMI、TG、ウエスト周囲径との低下(減少)とも相関しています。

TG値は、五分位の第3群(70グラム以上)から第5群(130グラム以上)において有意な低下を示しています。




野菜の総摂取量および緑葉野菜の摂取量が少ない群では、
タンパク質エネルギー比が有意に低く、
その結果、
脂肪エネルギー費の増加、摂取総エネルギー量の増加が認められています。





種実類や豆類、果物、海藻類、魚類の摂取量は、野菜の総摂取量と正の相関を示しました。




以上のデータから、

65歳以上の2型糖尿病患者では、

1日あたりの野菜の総摂取量が200グラム以上、

緑葉野菜の摂取量が70グラム以上

の場合に、血糖コントロールが良好となる食習慣を持っている、

ことが示唆されます。







野菜は、食事からの摂取が基本ですが、
野菜ジュースや健康食品を補完的に利用することもできます。

DHCでは、


パーフェクト野菜


DHC緑の野菜と飲むケフィア


DHC野菜ミックスジュース


DHC青汁+豆乳

などを製品化しています。





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コーヒーの摂取と2型糖尿病の関連 [2012年04月26日(木)]
今月の糖尿病の専門ジャーナル(電子版)に、コーヒーの摂取と2型糖尿病との関連についてのレビューが掲載されていました。
(Curr Diabetes Rev. 2012 Apr 12.)




これまでの疫学研究によって、コーヒーの摂取による生活習慣病リスクの低下が知られています。



例えば、コーヒーの摂取による2型糖尿病リスク低下、脳卒中リスク低下、うつ病リスク低下、肝がんリスク低下、認知機能の低下抑制などがあります。




さて、今回の研究では、コーヒーの摂取と2型糖尿病との関連が調べられました。


具体的には、medlineを用いて、2001年1月から2011年8月の間のコホート研究が検索され、

13報のコホート研究、

12, 47,387名の対象者、

9473名の2型糖尿病例

が解析されています。




コーヒー摂取量と2型糖尿病リスクとの関連を検証した結果、

習慣的なコーヒーの摂取と、2型糖尿病のリスク低下との間に相関が認められたということです。



コーヒーの摂取量が、

1日あたり2杯未満の群に比べて、

1日あたり4〜6杯および6〜7杯の群では、2型糖尿病リスクの低下が見出されています。




60歳未満の群では、

ポットボイルよりもフィルターによるコーヒーのほうが、

また、

カフェイン入りよりもカフェイン抜きのコーヒーのほうが、

より強い負の相関を示しています。




ただし、論文著者らは、2型糖尿病予防の目的にコーヒーの摂取を推奨する、という結論は導き出していません。



コーヒーの摂取と、
食後血糖値やインスリン感受性との関連など、さらに検証が必要としています。







コーヒーにはファイトケミカルの1種であるクロロゲン酸が含まれており、抗酸化作用を介した生活習慣病予防効果が示唆されています。


(カフェイン以外のコーヒーの主要な成分として、フェルラ酸(ferulic acid)、カフェ酸(caffeic acid,)、クロロゲン酸( chlorogenic acid)が知られており、いずれも抗酸化作用を示します。これらの中ではクロロゲン酸が比較的多く存在します。)


また、コーヒーに含まれるカフェインは、覚醒作用・中枢神経刺激作用を介して認知機能や行動に影響を与えます。


一般に、栄養疫学研究では、相関関係が示されても、因果関係については、さらに検証が必要です。

つまり、基礎研究で作用メカニズムが検証できるかどうか、臨床試験で整合性のあるデータが示されているかどうかなど、です。

また、臨床的には、因果の逆転が生じていないかのチェックも求められます。




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亜鉛と糖代謝 [2012年04月22日(日)]
今月の糖尿病学専門ジャーナルに、亜鉛と糖代謝との関連を調べたメタ解析が報告されていました。
(Diabetol Metab Syndr. 2012 Apr 19;4(1):13.)



亜鉛は、必須ミネラルのひとつであり、さまざまな酵素の働きに必要です。



亜鉛不足では、味覚障害といった症状が知られています。





さて、今回の研究では、糖代謝に対する亜鉛サプリメントの影響が調べられました。



具体的には、糖尿病患者に亜鉛サプリメントを投与した研究25報(1型糖尿病3報、2型糖尿病22報)が対象となっています。



12報において、2型糖尿病患者を対象に、亜鉛サプリメントによる空腹時血糖値への作用が示されており、
偽薬群に比べて、亜鉛サプリメント投与群では、血糖値が18.13 mg/dl (95%CI:-33.85,-2.41; p < 0.05)低下しています。



2時間値でも、亜鉛投与群における低下(34.87 mg/dl [95%CI:-75.44; 5.69])、

HbA1c 値は、0.54 % (95%CI:-0.86;-0.21) の低下でした。





8報では、2型糖尿病患者において、亜鉛サプリメントによる脂質代謝への影響が調べられています。


偽薬群に比べて、亜鉛サプリメント投与群では、

総コレステロール値が 32.37 mg/dl (95%CI:-57.39,-7.35; p < 0.05)低く、

LDLコレステロールが11.19 mg/dl (95%CI:-21.14,- 1.25; p < 0.05)低いというデータが示されました。




収縮期血圧および拡張期血圧についても、亜鉛サプリメント群における有意な低下(改善)が見出されています。




以上のデータから、亜鉛サプリメントによる糖尿病患者での糖代謝改善作用、脂質代謝改善作用が示唆されます。




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約半数がサプリメントを利用@英国 [2012年04月15日(日)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、高齢者の間でのサプリメント利用状況を調べた研究が、英国のグループから報告されていました。
(J Nutr Health Aging. 2012;16(4):307-11.)



今回の研究では、英国の地域居住の高齢者におけるサプリメントの利用に関して、利用者の特徴との相関が解析されました。


具体的には、59歳から73歳までの 3217名が対象となり、先行する3ヶ月間の食事調査などが行われています。

(Hertfordshireコホート研究の一環です。)


解析の結果、

男性の45.4% 、女性の 57.5%が、過去3ヶ月間に少なくとも1種類のサプリメントを利用していた、

ということです。



利用しているサプリメントの種類は、男女とも、次の5種類のカテゴリーに分けられました。

・脂質、

・グルコサミン、

・単一成分のビタミン、

・ビタミン類とミネラル類、

・ハーブ




論文書者らは、今回の調査対象者の間ではサプリメントが広く利用されており、SESや食事との関連が示唆されたと考察しています。




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アントシアニンの豊富な果物の摂取が2型糖尿病のリスクを低下させる [2012年03月21日(水)]
臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、アントシアニンの豊富な果物の摂取によって、2型糖尿病のリスクが低下するという研究が、米国のグループ(Harvard School of Public Health)から報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2012 Feb 22.)



これまでの研究によって、植物性食品に含まれるファイトケミカル類では、インスリン抵抗性を改善する作用が示唆されます。


ファイトケミカル/ポリフェノールは、数千種類以上があり、主にカロテノイド系ファイトケミカルと、フラボノイド系ファイトケミカルに分類されます。



さて、今回の研究では、食事由来の主なフラボノイド(フラボノール、フラボン、フラバノン、フラバン-3-オール、アントシアニン)と、2型糖尿病リスクとの関連が調べられています。


具体的には、女性70,359名(NHS)+89,201名(NHS II)、男性41,334名が対象となり、

3,645,585患者-年のデータが解析されました。

(女性はNHS; 1984-2008とNHS II;1991-2007、男性はHealth Professionals Follow-Up Study (1986-2006)の対象者で、かつ、開始時に、糖尿病や心血管疾患、がんに罹患していない人たちです。)



2型糖尿病が、12,611例見出されました。



解析の結果、アントシアニン類の摂取が多いと、2型糖尿病のリスクが有意に低いという相関が見出されたということです。


3つのコホート試験で、交絡因子で補正後、

5分位の最高群は、最低群に比べて、

2型糖尿病のリスクが15%低下しています。

(0.85; 95% CI: 0.80, 0.91; P-trend < 0.001)


アントシアニンの豊富な食品群では、

特にブルーベリーの摂取が、有意なリスク低下を示しました。

(1ヶ月に一皿未満の摂取に比べて、1週間に2皿以上の摂取で23%のリスク低下。)

(95% CI: 0.68, 0.87; P-trend < 0.001)



また、リンゴ/ナシの摂取でも、有意なリスク低下が見出されています。

(1ヶ月に1皿未満の摂取群に比べて、1週間に5皿以上の摂取で23%のリスク低下。)

(95% CI: 0.65, 0.83; P-trend < 0.001)



なお、フラボノイド総摂取量およびその他のフラボノイド類については、糖尿病リスクとの有意な相関は見出されていません。




以上のデータから、
アントシアニンの豊富な果物の摂取による2型糖尿病リスク低下作用が示唆されます。




DHCでは、ブルーベリーポリフェノールを製品化しています。





一般に、果物には、ファイトケミカル・ポリフェノールが豊富に含まれており、それらの抗酸化作用や抗炎症作用を介した健康保持・疾病予防効果が期待されています。


一方、果物には糖質の1種である果糖(フルクトース)が含まれており、糖分の摂取が多くなることで、肥満やメタボリック症候群、糖尿病といった生活習慣病のリスクになるという議論もあります。


最近の研究では、

果糖は太りやすいわけではない

というデータも示されています。



といってもやはり、果糖の摂りすぎには注意が必要でしょう。




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白米の摂取は2型糖尿病のリスクを高める [2012年03月17日(土)]
今週の英国医学ジャーナルに、白米の摂取と2型糖尿病リスクとの関連を調べたレビューが、米国のグループ(Harvard School of Public Health)から報告されていました。
(BMJ. 2012 Mar 15;344:e1454.)



白米は、玄米に比べて、食後の血糖値を上昇させやすく、糖尿病のリスクを高めると考えられています。


同じ炭水化物でも、消化吸収されやすい単純炭水化物よりも、食後過血糖を生じにくい、低GI・低GLの複合炭水化物の摂取が推奨されます。


さて、今回の研究では、白米の摂取と、2型糖尿病リスクとの関連について、前向きコホート研究のメタ解析により用量依存性が検証されました。



具体的には、2012年1月までに発表された論文が検索され、
4報、7つの前向きコホート研究が解析の対象となっています。


アジア人(日本人と中国人)と白人の合計 352,384名が、4〜22年間フォローアップされ、
13,284 名の2型糖尿病患者が見出されました。


アジア人は、白人に比べて、白米の摂取量が有意に多く(平均摂取量はアジア人では3-4サービング/日、白人は1-2サービング/日)なっています。



アジア人では、白米の摂取量が最多の群では、最小の群に比べて、2型糖尿病リスクが55%高くなっていました。

(RR;1.55, 95%CI:1.20 to 2.01)



一方、白人では、白米の摂取量が最多の群では、最小の群に比べて、2型糖尿病リスクが12%高くなっていました。

(RR; 1.12, 95%CI:0.94 to 1.33)




被験者全体を対象に、用量反応性を調べたところ、白米の摂取が1日あたり1サービング増えるごとに、2型糖尿病リスクが11%高くなる、という関連が見いだされました。

(RR;1.11 (1.08 to 1.14) (P for linear trend<0.001))





以上のデータから、

日本人や中国人といったアジア人種では、

白米の摂取量が多くなるほど、2型糖尿病のリスクが高くなるという相関が示唆されます。










いまだに日本では、糖尿病の食事療法は、カロリー計算を中心に行われています。



摂取カロリー(エネルギー)を減らすには、脂質を減らして、炭水化物やタンパク質を相対的に増やすことで、調整できます。


(一グラムあたりのカロリー数は、脂肪が9 kcalに対して、炭水化物とタンパク質はどちらも4 kcalです。)



しかし、炭水化物の量だけではなく、質に注意しないと、摂取カロリーは抑えられているのに、食後過血糖を生じて、糖尿病のコントロールがよくない、ということになりかねません。


例えば、あぶらものの摂取を控えているのに、白いご飯やうどん、パスタといった単純炭水化物を摂取して、食後過血糖を生じている糖尿病予備軍や2型糖尿病の人がたくさんいます。


(病院にとっては、こまめな食事指導をしても収益にならないため、医薬品を処方するほうがいい、というシステムになっています。)



最近になってやっと糖質制限食が選択肢の一つとして認められつつありますが、なかなか一般には浸透していないようです。


(DHC製品の低GI/GL食では、発芽玄米やDHC米こんにゃくがあります。)





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αリポ酸による2型糖尿病患者の酸化障害抑制作用 [2012年03月03日(土)]
臨床栄養学の専門ジャーナルに、2型糖尿病患者において、αリポ酸投与による酸化ストレスへの影響を調べた臨床研究が、タイのグループから報告されていました。
(Asia Pac J Clin Nutr. 2012;21(1):12-21.)



αリポ酸は、抗酸化作用を有する機能性成分の一つで、体内ではミトコンドリアで産生されます。


サプリメントとしてのαリポ酸は、抗酸化作用を介した機能性が示されており、
ダイエット目的からアンチエイジングまで、広く利用されています。



さて、今回の研究では、2型糖尿病患者において、αリポ酸サプリメント投与による酸化ストレス状態への影響が調べられました。


具体的には、糖尿病患者38名を対象に、

・偽薬

・αリポ酸サプリメント 300r、600r、900r、1,200r/日

のいずれかが6カ月間投与されています。



アウトカムとして、糖代謝および酸化ストレス関連指標が測定されました。



解析の結果、
空腹時血糖値およびHbA1cは、αリポ酸の用量依存的な低下傾向が認められました。



次に、尿中F2α-IsoP(PGF2α-Isoprostanes)は、偽薬群では増加したのに対し、αリポ酸投与群では増加は示されていません。

(酸化ストレスの指標であり、増加は酸化ストレス増加を意味します。したがって、αリポ酸による脂質酸化障害の抑制が示唆されます。)



一方、別の酸化ストレス指標の8-OHdGでは、両群間で有意差は示されていません。


また、尿中微量アルブミンや血中クレアチニンも、両群間に差はありませんでした。


安全性に関連した指標では、高い忍容性が示されています。



以上のデータから、αリポ酸サプリメント投与によって、2型糖尿病患者における酸化ストレス障害の抑制作用が示唆されます。






糖尿病では、酸化ストレスの増大により、様々な合併症を生じることが知られており、αリポ酸は、その抗酸化作用を介して、効果が示されてきました。



αリポ酸は、

活性酸素種の消去、

金属イオンのキレート、

ビタミンC・Eやグルタチオンといった他の抗酸化物質の酸化型を還元

といった作用を有しています。




また、Nrf-2を介した抗酸化関連遺伝子発現促進やPPAR関連遺伝子の調節などによる抗酸化防御システムの亢進も知られています。


さらに、αリポ酸は、NF-κBを抑制し、AMPKを活性化する作用も有しています。



以上のような多面的な機序により、αリポ酸は、糖尿病の合併症、特に、糖尿病性神経障害の関連症状を改善すると考えられます。




αリポ酸は、ダイエット関連サプリメントというイメージがありますが、抗酸化作用や抗炎症作用を介した多彩な効果が期待できる成分です。




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スパムの摂取が糖尿病のリスクを高める [2012年02月04日(土)]
臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、スパムなどの加工肉の摂取によって、糖尿病のリスクが高まるという研究が、米国のグループ(University of Washington)から報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2012 Jan 25)




今回の研究は、アメリカ先住民を対象に、糖尿病のリスクと食事摂取との関連が調査されています。



アメリカ先住民は、55歳までに50%が糖尿病を発症するとされています。


食生活と遺伝素因が合わさった結果、他のグループよりも糖尿病罹患率が高くなっています。



そこで、今回の研究では、アメリカ先住民における糖尿病罹患率と、スパムなどの加工肉および赤身の肉類の摂取との関連が調べられました。


具体的には、前向きコホート研究として、糖尿病や心血管疾患を有していない被験者2001名を5年間フォローアップし、食事調査と疾患の罹患率が解析されています。

(Strong Heart Family Studyという研究の一環です。)



観察期間中、243名が糖尿病と診断されました。



4分位の最上位と最下位を比較した結果、

加工肉類の摂取が多いと、糖尿病リスクが63%高くなったということです。

(OR: 1.63; 95% CI: 1.21, 2.63)




加工肉の摂取と糖尿病リスクとの関連では、スパムが強い相関を示しており、

4分位の最上位は、最下位に比べて、2倍以上のリスクとなっています。

(OR:2.06; 95% CI: 1.30, 3.27)




なお、(加工肉ではない)赤身の肉類の摂取については、糖尿病との関連は示されていません。



以上のデータから、
アメリカ先住民では、スパムなど加工肉類の摂取は、糖尿病のリスクを高めることが示唆されます。





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ビタミンCと糖代謝 [2012年01月19日(木)]
薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、ビタミンCによる糖尿病治療中の患者での糖代謝への影響を調べた予備的な臨床研究が、インドのグループ(Indira Gandhi Government Medical College)から報告されていました。
(Adv Pharmacol Sci. 2011;2011:195271)




ビタミンCは、血糖値や関連指標に直接的な影響を与えることはありませんが、抗酸化作用を有することから、酸化障害に関連した合併症に対しては、一定の効果が期待できます。


さて、今回の研究では、2型糖尿病治療中の患者を対象に、ビタミンCの投与による糖代謝関連指標への影響が調べられました。


具体的には、メトホルミン(糖尿病治療薬)服用中の2型糖尿病患者70名を対象に、

・ビタミンC投与群(n=35)、

・偽薬投与群(n=35)

の2群に分けて、12週間の介入が行われています。

(ランダム化二重盲検偽薬対照試験)



これらの2型糖尿病患者では、血中アスコルビン酸値が低値でした。


ビタミンC投与群では、偽薬群に比べて、血中アスコルビン酸値が有意に増加しています。


また、ビタミンC投与群では、空腹時血糖値、食後血糖値、HbA1c値のいずれも12週間の投与後に有意に改善したということです。



以上のデータから、論文著者らは、メトホルミン服用中の2型糖尿病患者では、ビタミンC併用投与による糖代謝改善作用が期待できると考察しています。




興味深いデータですが、ビタミンCが糖尿病患者での糖代謝を改善する、という仮説については、エビデンスが不十分であり、コンセンサスは得られていないと思います。


今回の研究は、インドで行われていますので、医療水準、患者の背景&#8212;食生活などのライフスタイル&#8212;が先進国とは大きく異なります。

(例えば、今回の被験者では、血中ビタミンC値が低いということでしたが、日本人では、ビタミンCは充足しています。)

したがって、今後、臨床的意義の検証が必要でしょう。





一般に、健康保持や慢性疾患予防を目的として、ベーシックサプリメントであるマルチビタミンに加えて、1,000rのビタミンCサプリメントの利用は推奨できます。




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ビタミンDによる糖代謝改善作用 [2012年01月07日(土)]
老年医学の専門ジャーナル(電子版)に、耐糖能障害を有する高齢者において、ビタミンDサプリメント投与による糖代謝改善作用を示した臨床研究が、トルコのグループ(Gulhane Medical Faculty Training Hospital)から報告されていました。
(Geriatr Gerontol Int. 2011 Dec 28. doi: 10.1111)



ビタミンDは、骨の健康維持や骨粗鬆症予防の必須栄養素として知られています。


近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。


また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。


例えば、ビタミンDは、インスリン感受性を改善することが示唆されています。


そこで、今回の研究では、耐糖能障害を有する高齢者において、ビタミンDの投与がインスリン感受性に影響するかどうか、検証されました。


具体的には、

・ビタミンD投与群(n=28),

・対照群(n=23)

の2群について介入が行われました。

(なお、被験者の血中25(OH)D濃度に応じて、D3が投与されています。)



ビタミンD3サプリメント投与の結果、
96.0%の被験者において、血中25(OH)Dの平均値が123.2 ± 59.9 nmol/Lに達しました。


4.7 ± 2.5ヵ月のD3投与後、

・インスリン抵抗性が有意に改善(減少)(P=0.007)、

・インスリン値が有意に低下(改善)(P=0.007)、

・血糖値が有意に低下(P=0.037)

したということです。




また、ビタミンD投与によって、HDLコレステロールが有意に増加しました(P=0.037)。

その他の脂質関連マーカーには有意な変化は示されていません。



以上のデータから、耐糖能障害を有する高齢者では、ビタミンDの投与による糖代謝改善作用が示唆されます。






ビタミンDは、紫外線により皮膚で合成されたビタミンDでも、サプリメントとして経口摂取され腸で吸収されたビタミンDでも、どちらのビタミンDも、体内で活性型ビタミンD(1,25(OH)D)に変換されます。


なお、日光は、紫外線を含むため、活性酸素を発生させ、酸化障害を生じることで、皮膚の光老化や目の白内障などの加齢に関連した病気を発生させます。


そのため、抗加齢医学や予防医学の分野では、日光暴露・紫外線暴露は有害であり、可能な限り避けるべきと考えられます。


一方、日光暴露の唯一の効能は、ビタミンDを活性化することです。


特に乳がんリスクが高く、かつ、高緯度地方に在住する白人女性では、ビタミンD不足にもなりやすいというリスクがあります。


しかし、このビタミンD産生という効能についても、日光暴露のデメリットのほうが大きいため、ビタミンDサプリメントの利用が好ましいと考えます。


(あるいは、シイタケを摂取前に日光に当てることで、ビタミンDの含有量を増やす、という方法などもあります。)

(前駆体がビタミンD3に変換され、摂取後、血中で25OH-Dとなり、さらに体内で1-25OH-Dになります。)


サプリメントでは、ビタミンDを1日あたり1000-2000IU摂取する方法が推奨されています。



体内のビタミンDが十分かどうかの指標として、血中25(OH)D値が用いられます。


サプリメント利用の目安として、ビタミンD3サプリメントを1,000 IU/日摂取すると、25(OH)D値が10ng/mL上がる、というのが一般的なコンセンサスです。


(ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、臨床的には、ビタミンD3サプリメントを1,000 IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、という目安です。)


マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。



今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。



DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。



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2型糖尿病患者の脂肪肝と脂質 [2012年01月05日(木)]
臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、2型糖尿病患者における脂肪肝の罹患率と脂質構成について調べた研究が、フランスのグループから報告されていました。
(Clin Nutr. 2011 Dec 29)



非アルコール性脂肪肝(NAFLD)/脂肪肝炎(NASH)は、肥満やメタボリック症候群、2型糖尿病に合併して生じる病態です。


肝細胞への中性脂肪の蓄積を特徴とし、肝硬変などへ進展することから、食事や運動による改善が必要です。



さて、今回の研究では、2型糖尿病患者における食事由来の脂質構成比と脂肪肝との関連を検証する目的で、赤血球の脂肪酸構成が調べられました。


具体的には、2型糖尿病患者162名を対象に、脂肪肝の罹患率と赤血球の脂質構成が測定されています。


解析の結果、
109名(67.2%)の被験者が脂肪肝と診断されました。


脂肪肝罹患者は、非罹患者に比べて

・BMIが高い(p=0.0005)、

・血中中性脂肪が高値(p=0.009)

ことが見出されました。



また、パルミチン酸(16:0)値、パルミトオレイン酸(16:1n-7)値、単価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸比と、肝臓の脂肪蓄積高値との関連も認められています。


一方、総多価不飽和脂肪酸値、ジホモガンマリノレン酸、DHA、アラキドン酸は、肝臓の脂肪蓄積低値と関連していました。



以上のデータから、2型糖尿病患者では、脂肪肝のリスクとして、飽和脂肪酸の摂取が多いこと、オメガ3系脂肪酸やオメガ6系脂肪酸の摂取が少ないことが示唆されます。




一般に、生活習慣病の予防、慢性炎症/動脈硬化性疾患の予防を目的とした食事からの脂質摂取についての推奨は、

・動物性脂肪に多い飽和脂肪酸の摂り過ぎに注意する、

・オメガ6系脂肪酸は炎症惹起するので過剰摂取に注意する、

・オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸、EPA、DHA)は十分に摂取する、

です。



その他、オリーブオイルに多い単価不飽和脂肪酸も好影響を与えます。

エクストラバージンオリーブオイルには、オリーブポリフェノールが豊富に含まれるので、精製されたオリーブオイルよりも優れた機能性を有しています。




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糖尿病神経障害に対するαリポ酸の効果 [2011年12月01日(木)]
薬理学の専門ジャーナルに、糖尿病に対するαリポ酸の作用のレビューが、カナダのグループ(University of British Columbia)から報告されていました。
(Front Pharmacol. 2011;2:69. Epub 2011 Nov 17.)



αリポ酸は、抗酸化作用を有する機能性成分の一つで、体内ではミトコンドリアで産生されます。


サプリメントとしてのαリポ酸は、抗酸化作用を介した機能性が示されており、
ダイエット目的からアンチエイジングまで、広く利用されています。



さて、今回の研究では、αリポ酸の糖尿病への作用に関するレビューが行われています。


糖尿病では、酸化ストレスの増大により、様々な合併症を生じることが知られており、αリポ酸は、その抗酸化作用を介して、効果が示されてきました。



αリポ酸は、

活性酸素種の消去、

金属イオンのキレート、

ビタミンC・Eやグルタチオンといった他の抗酸化物質の酸化型を還元

といった作用を有しています。



また、Nrf-2を介した抗酸化関連遺伝子発現促進やPPAR関連遺伝子の調節などによる抗酸化防御システムの亢進も知られています。


さらに、αリポ酸は、NF-κBを抑制し、AMPKを活性化する作用も有しています。



以上のような多面的な機序により、αリポ酸は、糖尿病の合併症、特に、糖尿病性神経障害の関連症状を改善すると考えられます。


レビューでは、この10年間に報告された、糖尿病患者にαリポ酸を投与した臨床試験を検証した結果、αリポ酸サプリメントによる糖尿病神経障害改善の明確なエビデンスがあると考察されています。



例えば、最近では、Diabetes Care. 2011 Sep;34(9):2054-60に、ドイツのグループから報告された研究があります。



糖尿病性神経障害患者を対象に、

600r/日のαリポ酸投与群(n=233)と、

偽薬投与群(n=227)

の2群に分けて、4年間フォローアップした研究です。
(NATHAN 1 trial)



4年間のαリポ酸投与の結果、糖尿病神経障害の症状改善(臨床的に意義のある改善)、神経障害の進展抑制が認められたということです。





αリポ酸は、ダイエット関連サプリメントというイメージがありますが、抗酸化作用や抗炎症作用を介した多彩な効果が期待できる成分です。



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マテ茶による糖尿病の改善効果 [2011年11月19日(土)]
臨床栄養学の専門ジャーナルに、マテ茶による2型糖尿病患者での糖代謝・脂質代謝改善効果を示した予備的な臨床研究が、ブラジルのグループ(Federal University of Santa Catarina)から報告されていました。
(J Am Coll Nutr. 2011 Oct;30(5):320-32.)



マテ(イエルバ・マテ、学名Ilex paraguariensis)は、南米原産のモチノキ科の常緑樹で、現地では伝統的にマテ茶として飲用の嗜好品として利用されています。


有効成分として、カフェインやテオブロミン、テオフィリンといったアルカロイド類が見出されています。


これまでに、基礎研究では抗肥満作用や糖代謝・脂質代謝改善作用が示されており、臨床研究でも働きが示唆されています。



今回の研究では、耐糖能異常を有する患者に対して、マテ茶による糖代謝および脂質代謝への作用が調べられました。



具体的には、2型糖尿病患者29名と糖尿病境界型(予備軍)29名を対象に、

・マテ茶投与群;ローストしたマテ茶を300ml×3回/日

・食事療法指導群;栄養カウンセリング実施

・マテ茶投与+食事療法指導群;上記2つの組み合わせ群

の3群に分けて、60日間の介入試験が行われています。



投与前、20日、40日、60日の各時点で採血が行われ、関連指標が測定されました。



解析の結果、
2型糖尿病患者のマテ茶投与群では、

空腹時血糖値の有意な低下(25.0 mg/dL)、

HbA(1c))の有意な低下 (0.85%)、

LDLコレステロールの有意な低下 (13.5 mg/dL)

が認められました。 (いずれもp < 0.05)



このとき、摂取総エネルギー量、タンパク質・炭水化物・コレステロール・食物繊維は変わっていません。


糖尿病予備軍では、
マテ茶投与+食事指導併用群において、

LDLの有意な低下(11 mg/dL)、

非HDLの有意な低下(21.5 mg/dL)、

中性脂肪値の有意な低下(53.0 mg/dL)

が見出されています。(いずれもp < 0.05)



食事指導を受けたこの群では、総脂質摂取量の有意な低下(14%)、コレステロールの摂取量の低下(28%)、飽和脂肪酸の摂取量の低下(23.8%)、単価不飽和脂肪酸の低下(28.0%)、食物繊維の摂取量の有意な増加(35%)も示されました。 (それぞれp < 0.05).



以上のデータから、マテ茶摂取は、2型糖尿病患者における糖代謝と脂質代謝を改善すると考えられます。


また、糖尿病予備軍では、マテ茶摂取と食事指導との併用による効果が示唆されます。





マテ茶は、あまり日本では認知されていないかもしれません。

DHCでは、マテ茶を利用した製品も扱っています。



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レスベラトロールによる糖代謝改善作用 [2011年10月15日(土)]
内分泌代謝学の専門ジャーナル(電子版)に、レスベラトロールによる糖代謝改善作用を示した基礎研究が報告されていました。
(Metabolism. 2011 Sep 23.)



レスベラトロールは、赤ワインなどにも含まれるポリフェノールの1種です。


レスベラトロールは、長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化することが知られています。

近年のアンチエイジング研究では、レスベラトロールが長寿遺伝子を活性化することが話題になっています。


この数年、レスベラトロールに関する研究が盛んになり、様々な作用が示されています。



今回の研究では、レスベラトロールによるインスリン作用への働きがin vitroとin vivoで検証されました。


まず、3T3-L1脂肪細胞系を用いて、インスリンシグナルに対するレスベラトロールの作用が測定されています。


レスベラトロール処理群では、非処理群に比べて、インスリン刺激時のIRS-1チロシンリン酸化(Y612)が抑制され、Aktのリン酸化(Ser473)も同様に抑制されています。


一方、インスリン抵抗性のモデル培養系では、レスベラトロールは、NOS発現の抑制やインスリン刺激Aktリン酸化(Ser473)の亢進作用を示しました。


次に、高脂肪食誘導肥満マウスを用いて、インスリン感受性に対するレスベラトロールの作用が調べられています。


レスベラトロールを(30 mg/kg/日)2週間、投与したところ、空腹時血糖値と血中インスリン値の低下、肝グリコーゲン貯蔵の増加、脂肪肝の改善が認められたということです。
(このとき、体重に変化はありません。)


肥満マウスの肝臓組織と白色脂肪細胞では、インスリン誘導性Aktリン酸化が低下したのに対して、レスベラトロール投与によって正常化しました。


一方、肥満マウスの骨格筋組織においてみられたインスリンシグナル伝達における変化は、レスベラトロール投与でも改善しませんでした。



以上のデータから、レスベラトロールは、インスリンシグナル伝達機構に作用し、インスリン感受性/抵抗性の状態によって異なる作用を示すと考えられます。



今後、2型糖尿病に対する予防や治療について、レスベラトロールの臨床的意義の検証が期待されます。



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ベリー類による糖代謝への働き [2011年09月20日(火)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、ベリー(いちご)類による糖代謝への影響を調べた臨床研究が、フィンランドのグループ(University of Eastern Finland)から報告されていました。
(Br J Nutr. 2011 Sep 20:1-7.)




ベリー(いちご)類には、スクロース(ショ糖)が含まれる一方、ポリフェノール類が豊富であり、糖代謝に好影響を与えることも考えられます。


そこで、今回の研究では、ベリー類摂取による食後血糖値、インスリン、GLP-1などに対する反応が測定されました。



具体的には健康な被験者12名を対象に、次の2種類の異なる食事負荷が行われています。
(ランダム化偽薬対照クロスオーバー法)


・ベリー含有食:ビルベリー、ブラックカラント、クランベリー、ストロベリーのピューレ(150グラム)(ショ糖35グラム含有)

・対照食:ショ糖および炭水化物は介入食と同等であり、ベリー類を含まない食事



食事負荷後2時間まで糖代謝関連指標の測定が行われました。


解析の結果、対照食に比べて、ベリー含有食摂取群では、
血糖値および血中インスリン値が、15分値で有意に低く、90分値では有意に高くなったということです。


また、GLP-1の反応もみとめられています(P = 0&middot;05)。


さらに、血糖値およびインスリン値の最大値は有意に低下し、グリセミックプロフィールも改善しました。



以上のデータから、ベリー類を含む食事は、糖代謝に対して好影響を与えると示唆されます。






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肉類の摂取による糖尿病リスクの増加 [2011年08月17日(水)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、肉類(赤肉)の摂取と2型糖尿病リスクとの関連を調べた研究が、ドイツのグループ(German Institute of Human Nutrition)から報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2011 Aug 10)



肉類(赤肉、赤身の肉類)・加工肉の摂取は、がんのリスクを高めることが知られており、世界がん研究基金などのがん予防指針では、肉類の摂取を減らすことが推奨されています。



今回の研究では、赤肉の摂取と、2型糖尿病リスクとの関連が検証されました。



具体的には、米国の成人男性37,083名と、女性87,504名が対象となり、食事調査と2型糖尿病の罹患が調べられています。

(男性はHealth Professionals Follow-Up Study(1986-2006)という研究、
女性はNurses' Health Study II (1991-2005)の参加者です。)



4,033,322患者-年のフォローアップデータが解析され、13,759例の2型糖尿病が認められました。


年齢やBMI、その他のライフスタイル、食事リスク因子で補正された結果、

赤肉の摂取が多いと、2型糖尿病リスクが高くなるという有意な相関関係が見出されたということです(all P-trend <0.001)。


加工肉も含めた赤肉の総摂取量が1日あたり1サービング増えるごとに、
糖尿病のリスクは、12%、32%、14%増加という結果になっています。



442,101名の被験者および28,228例の糖尿病患者を対象にしたメタ解析では、

非加工肉の赤肉100グラムの摂取によって、糖尿病のリスクが19%(1.04, 1.37)増加、

非加工肉の赤肉50グラムの摂取によって、51%(1.25, 1.83)のリスク増加、

という結果でした。



一方、1日あたり1サービング(皿)の赤肉の摂取を、
1サービング(皿)のナッツ類、低脂肪乳製品、全粒穀類に置き換えることで、
2型糖尿病のリスクが16-35%低減するという推計が示されました。




以上のデータから、赤肉の摂取によって2型糖尿病のリスクが高くなることが示唆されます。






肉類の摂取は、動物性脂肪の過剰摂取、腸内細菌叢における悪玉菌の増加、動物性タンパク質の過剰摂取などをもたらすため、デメリットがメリットを上回ります。


糖尿病に関しては、獣肉類の摂取によるインスリン抵抗性の増大が原因です。



また、獣肉類の生産は、地球環境に大きな負荷を生じることから、健康上の理由のみならず、エコロジーの視点からも、肉類の摂取軽減が好ましいと考えられます。



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ビタミンDによる2型糖尿病リスク低下効果 [2011年07月10日(日)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ビタミンDと2型糖尿病リスクとの関連を検証したメタ解析が、米国のグループ(Tufts Medical Center)から報告されていました。
(Eur J Clin Nutr. 2011 Jul 6. doi: 10.1038)



近年の研究によって、ビタミンDによる免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用などが見出されてきました。




今回の研究では、ビタミンD値と2型糖尿病リスクとの関係が調べられています。


具体的には、2011年2月までの論文が検索され、観察研究(コホート研究)8報と、ランダム化比較試験11報が抽出されました。



観察研究のメタ解析の結果、
ビタミンDを500 IU/日以上摂っている群では、200 IU/日未満の群に比べて、2型糖尿病のリスクが13%低いことが示されました。



また、血中ビタミンDが高い群(>25ng/ml)では、低い群(<14&#8201;ng/ml)に比べて、2型糖尿病発症リスクが43%低いというデータが見出されています。




一方、試験開始時に正常血糖値の被験者を対象にした8報などの解析では、ビタミンDサプリメント投与による血糖値への直接的な影響は見出されていません。


しかし、試験開始時に耐糖能障害を示した患者を対象にした2試験では、ビタミンDサプリメントの投与によって、インスリン抵抗性の改善が示されたということです。




以上のデータから、ビタミンDは2型糖尿病の発症予防に重要な栄養成分であることが示唆されます。



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糖尿病には正しい食養を [2011年06月29日(水)]
2型糖尿病に関する大規模臨床試験(ACCORD試験)では、血糖コントロールを厳密に行った群のほうが、対照群よりも死亡率が高くなり、試験自体が中止になりました。



ただし、このことは、糖尿病では血糖コントロールがあまり厳密でなくても大丈夫、というメッセージではなく、従来の糖尿病治療方法で厳密な血糖コントロールを行うと、重症低血糖発作が生じることがリスクになり、予後を悪化させる、ということを示唆しています。



つまり、現時点では、糖尿病の専門医は、医薬品を用いて、血糖をコントロールし合併症を防ぐだけの技量を有しておらず、治療技術が未熟であることを示しています。


(もちろん、血糖値については、医師側の原因だけではなく、患者側の食生活に関連する部分も少なくありません。

一方で、糖尿病治療薬のセールスマンのような糖尿病認定医・専門医もいるので要注意です。)



したがって、2型糖尿病と診断されて、食事療法をおろそかにし、必要以上に糖尿病治療薬に頼るのは非常に危険です。


現時点では、きちんと食事療法と運動療法を行うことで、できるだけ血糖をコントロールし、医薬品は極力使わないこと、がベストです。


とはいっても、味気ない食事やおいしくない食事で我慢するのは苦痛ですので、継続できません。



おいしい食事で、かつ、2型糖尿病の予防や改善にも有用という点では、卵乳菜食やマクロビオティックの玄米正食が選択肢になると思います。


(DHC製品の低GI/GL食では、発芽玄米米こんにゃくがあります。)




生活習慣病の中でも、高血圧や脂質異常症の治療では、優れた医薬品もあり、食事療法がそれほど厳密でなくても、検査データは何とかなってしまうこともあります。


同じ生活習慣病に分類される、これらの疾患と比較しても、2型糖尿病は、食事や運動の影響が大きく、かつ、現時点の糖尿病治療薬に過度の期待はできないため、食生活を含めたライフスタイルの見直しが重要です。



ADAのStop Diabetesのロゴです。





個人的には、ADAなど糖尿病関連学会のビジネスが隆盛していることは間違っていると思います。

0次予防や1次予防での介入によって糖尿病の予防を進め、糖尿病関連学会ビジネスの衰退こそが、人類の健康増進のゴールでしょう。



(糖尿病と診断された際に、医薬品を拒否し、食事と運動で血糖値を良好にコントロールし、20年間で、2千万円から3千万円の医療費を節減したという医師もいます。
個人のレベルおよび国レベルで、費用対効果を考えるとき、食生活と運動、予防のためのサプリメント・機能性食品の利用のほうが効率的です。)





近年、日本でも新薬のインクレチン関連薬が多くの患者に処方されつつあります。

(この薬については、NH○の娯楽番組--情報番組を装った娯楽番組--でも紹介され、患者側からの問い合わせも増えているようです。)


新薬は効果がありますし、何よりも高価なので関連ビジネスは潤います。

(したがって、新薬は、自分に使うよりも他人に処方する側に経済的なメリットがあります。)
(特に中国やインドなどの新興国では、顕著です。)

ただし、市販後の安全性評価はこれからです。

先日(2011年6月13日)、米国FDAからインクレチン関連薬についての警告が発表されています。


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糖尿病の予防と改善のゴールは [2011年06月28日(火)]
糖尿病の患者や予備軍が増えるにつれて、糖尿病治療薬を持つ製薬会社など関連ビジネスが隆盛しています。


しかし、糖尿病の予防と改善には、食生活と運動習慣が基本でありすべてです。



糖尿病の診断基準が変更になるたびに、糖尿病患者が増えています。


診断基準は改定のたびに、厳しくなってきました(つまり、糖尿病と診断される血糖値が、改訂のたびに低くなっています)。

これは、早期に診断し治療を開始すれば、合併症を防ぐなど予後がよくなるから、という考えに基づいています。



10年以上の糖尿病歴を有し、HbA1cが8%以上の患者1万人以上を対象にした大規模な臨床試験(ACCORD)によると、厳密な血糖コントロールを行った患者群のほうが、むしろ死亡率が高くなった、という結果も得られています。
(この臨床試験は、途中で中止になりました。)


したがって、長期間、高血糖の状態から、無理に血糖を下げることにはリスクがあると考えられます。
(低血糖の頻度も関係します。)




日本糖尿病学会は、医師向けに「糖尿病診療ガイドライン」を発刊しています。

残念ながら、多くのページが薬物治療の説明になっており、診療ガイドラインというよりは、「薬の使い方」という印象です。


そのため、個別化医療としての栄養指導が十分ではなく、薬が安易に処方されがちです。



糖尿病の予防や改善には、食事と運動が基本です。

患者の多くは、食生活の改善で血糖値が改善します(ただし、糖尿病になりやすい体質は変わりませんので、その体質とうまく付き合っていくという考えが大切です。
また、ごく少数の患者では、専門医による厳密な管理が必要な場合もあります)。


大多数の2型糖尿病患者は、単純炭水化物の摂取を控えて、低GI・GLの玄米食の利用で改善できるでしょう。

(発芽玄米や米こんにゃくなども利用できます。)




早期に診断し治療を開始するほうが、予後がよい、という意見に基づき、糖尿病の診断基準が変更されるたびに患者数が急増しています。


しかし、早期診断として基準を厳しくするのは、単なる「リードタイム・バイアス」(早期に発見・診断された病気の患者群の余命が、発症時点方向へ向かって余命計算の開始点がシフトされることにより延長し、過剰推定されるエラー)であるとの指摘もあります。




ADAのStop Diabetesのロゴです。




個人的には、生活習慣への介入によって糖尿病の予防を進め、その結果として、ADAなど糖尿病関連学会ビジネスが衰退することが、人類の健康増進のゴールになると思っています。



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