今月の生薬学の専門ジャーナルに、チコリ(Cichorium intybus、キクニガナ)の抗糖尿病作用を示唆する基礎研究が報告されていました。
国立シンガポール大学のグループによる研究です。
チコリは、インドの民間療法にて糖尿病に利用されてきた生薬とされています。
実験では、生薬のエタノール抽出物を糖尿病モデルラットに投与し、糖代謝および脂質代謝への影響が検討されました。
その結果、125mg/kgの用量で投与したときに、経口ブドウ糖負荷試験における血糖低下作用が認められたということです。
さらに、同じ用量にて14日間投与したところ、血糖値が20%低下、中性脂肪が91%低下、コレステロールが16%低下したというデータが報告されています。
なお、インスリン値に有意な変化は認められていません。
(実験では、肝臓における糖新生の抑制作用が示唆されています。)
ただし、これは基礎研究ですので、臨床的意義は明確ではありません。
今後、臨床研究による検証が期待されます。
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