サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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「納豆ダイエット」 [2007年01月20日(土)]
某テレビ番組で紹介された、「納豆ダイエット」が、事実と異なる内容(ねつ造?)が含まれていたとして、制作したTV会社が謝罪会見を行ったというニュースがありました。


私は番組を見ていないので、放送内容についてはよく把握していないのですが、
「納豆ダイエット」の番組放映後、納豆が店頭で品薄になった、という報道はネットでみた覚えがあります。



私の知る限り、納豆や大豆によって減量できたという臨床試験のデータはありません。


そのため、納豆が品薄になったというニュースをみたときには、単に「単品ダイエット」の1種として、納豆ダイエットが提唱されたのかな、という程度にしか認識していませんでした。

(単品ダイエットは、たとえば、卵ダイエット、ヨーグルトダイエット、リンゴダイエットといった感じで、単一の食材を中心に食べるダイエット法です。もちろん医学的には不適切な方法ですが、結果として摂取総エネルギー量が少なくなれば、一時的にせよ、やせる、ということになります。)



今回の納豆ダイエットは、ホルモン系に作用して云々といった、まことしやかな説明とともに紹介されたために、信じてしまった視聴者が多数いたようです。




さて、あくまで私見ですが、いわゆる「生活情報番組」は、要注意と考えています。


健康関連番組のうちで、医療関係者の間で批判的に話題にされるのは、有名司会者によるお昼の番組です。



ただ、私の意見は、

「お昼の番組は、もともとワイドショー的な作り方であり、医学的な情報提供番組ではないことは明らか。雑学の話題を増やす程度の内容なので、それを信じて、自分の健康増進に反映させようという発想にはいたらないはず。あくまで、視聴者側の責任」

というものです。


(蛇足ですが、健康食品のアガリクスに関連して、バイブル本商法で摘発・書類送検された、某大学の先生は、このお昼の番組では常連のコメンテーターだったようです。)





誰がみてもワイドショーとして放映されている内容について、その判断は視聴者側の自己責任であると考えます。




それに対して、今回問題となった番組も含めて、いわゆる「生活情報番組」には、視聴者側の注意が必要と感じています。



夜間のプライムタイムに放映されることの多いこれらの番組は、医学や健康に関して、あたかも情報提供を目的としたような作り方になっています。


たとえば、少人数を対象にして、ちょっとした実験の真似事で、それらしいデータをとっています。


(今回の納豆ダイエットもおそらくそうでしょうけれど、)数人程度を対象に、それらしい実験結果が放映されることが多いようです。


それにもっともらしい説明が加えられ、おまけに専門家と称する人たちのコメントが放映されてしまえば、視聴者の中には信用してしまう人もいると思います。




でも、冷静になって考えれば、特定の会社がスポンサーになっている民放番組であり、視聴率が最優先されているはずです。

下請けの各番組制作会社は、限られた予算の中で、決められた締切りがあって、企画・取材・実験(データの作成)・編集などをこなしていると考えられます(TVのことはよく知らないので、あくまで想像ですが)。




結局、生活情報番組の内容から、各自にとって適切な健康情報を得ることは困難であり、放送内容については話半分程度にとらえて聞き流すほうが賢明かもしれません。





ちなみに、今回問題になった番組に関して、私はこれまでに何度か、番組制作会社から問い合わせや取材の申し込みなどを受けたことがあります。

大学に電話があったり電子メールが送られてきたり、というケースですが、もちろん、すべて断っています。
(メールについては無視しています。)


企画に無理があったり、最初に結果ありきだったりしたため、研究者として、とても協力する気にはなれない印象でした。

(番組によっても違うでしょうし、同じ番組でも制作会社で異なると思います。きちんとまじめに作られたものも少なくないと信じたいと思います。あとは、情報を受ける視聴者側の自己責任でしょうか、たとえば、少なくとも実践する前には、他の情報源で再度チェックするとか。)




一般論ですが、テレビについては、取材を受けても編集の段階でどのようになるのか、わかりません。

前後関係によっては、こちらの意図しないような使われ方もあり得ることでしょう。



テレビは影響力が大きいので、売名のためには好都合です。


実際、現実的な対応として、テレビ媒体をうまく利用するほうが、賢いやり方なのかもしれません。



しかし、研究者としてのキャリアをかけるにはリスクが大きすぎるため、私は、原則としてTVの取材は一切断っているのが現状です。

(なお、編集段階でこちらが大きく関与できる場合は、取材を受けることもありますが、そのようなケースはごくまれです。)



ところで、納豆は、健康上のメリットがいろいろと期待できる伝統食品です。

直接的な減量効果はないと思いますが、納豆については正当な評価がなされるべきと思います。

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コメント
私もこの番組見てました。正月あけで、大きく宣伝していたこともあり、番組を見た視聴者はほんとに信じるように見事にセッティングされていたと思います。
 私も大学に入るまでは、十分これらの番組に踊らされていた人間の一人でしたが、大学(栄養学)にはいって、やっとこれらの「情報番組」の持ってくるストーリーの矛盾を見つけられるようになりました(笑)あと、この番組では、納豆を朝晩1パックずつ食べると、副腎でのDHEA分泌量が増えて、代謝がよくなるとうたっていましたが、ホルモンというのは、こんなに簡単に自分で動かせるものなのでしょうか?
 すみません、勉強不足かも。。。
 でも、もしそうなら、ほんとに今からの時代、口にするもの、体内に取り込む空気などに気をつけないと、農薬や環境ホルモンで、体内の状態がばんばん変わってしまうということになるのかも。。。と考えてしまいます。
Posted by:gurisuke  at 2007年01月22日(月) 01:08

納豆ダイエットのやらせ問題をはじめこうした健康番組のガセネタの横行は、視聴者が肥満の仕組み、リバウンドの仕組み、痩せる仕組みを知らないからだと思う。
蒲原先生にはレプチン抵抗性とかセットポイント説とかをもっと、消費者に知らせてもらいたい。そうすれば、1週間で3キロ痩せることの恐怖とかがみんなに知られるようになると思う。
私はアメリカの大学が特許を取り、ちゃんとした臨床データを持つレプチン・ダイエットのサプリをはじめています。
Posted by:noriko6257  at 2007年01月21日(日) 13:44


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