体質で痩せている人と、摂食障害の結果として痩せた人について、食欲調節に関係するホルモンの違いを調べた臨床研究が栄養学の専門ジャーナルに報告されていました。
検討されたのは、ペプチドYY、GLP-1、グレリン、レプチンといった食欲調節ホルモンです。
被験者は、普通体重7名、体質で痩せ(低体重)の10名、摂食障害のために低体重の12名で、いずれも若年女性です。
その結果、PYY値は、体質で痩せている女性のほうが、摂食障害や正常体重の被験者よりも有意に高いというデータです。
一方、GLP-1値は、体質で痩せている女性よりも、摂食障害の女性で有意に高いというデータでした。
また、グレリンは、摂食障害の女性のほうが、他の2群よりも有意に高値となっています。
レプチンは、摂食障害の女性で有意に低い値でした。
さらに、PYYおよびレプチンの日内変動は、摂食障害の女性では抑制されていたということです。
今回のデータは、それぞれの食欲調節ホルモンに関するフィードバックシステムを考えると、ある程度、予想通りの結果かもしれません。
ただ、摂食障害の診断と治療に関して、これらのホルモン値の増減がバイオマーカーになるということでは興味深い結果といえるでしょう。
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