サージというグミ科の植物があります。
ロシアや中国に自生し、種子や果実、葉が薬用および食用に利用されてきました。
(サージの中国名は沙棘、ロシア名は オビルピーハです。)
サージ種子には、α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸といった不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
今月の生薬学の専門ジャーナルに、サージ種子に関する基礎研究が報告されていました。
(J Ethnopharm 111:248-54:2007)
実験では、老齢ラットを対象に、cAMPやcGMP、PKAといった細胞内情報伝達に関与する分子の活性が測定されています。
その結果、加齢により生じるcAMP/cGMPの不均衡が、サージ種子によるcAMP値の増加およびPKA活性化によって調整されることが示されました。
サージに関するこれまでの研究では、抗アレルギー作用や抗酸化作用が報告されてきました。
例えば、サージ種子油をアトピー性皮膚炎患者に投与した臨床試験では、脂質代謝改善作用が示されています。
今後、アンチエイジング分野におけるサージ種子の機能解析も注目されます。
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