今日は主にハーブや薬用植物の研究に関係するセッションに出てきました。
まず、午前中の基調講演の一つが、ミュンヘン大学のWagner教授によるものでした。
テーマは、薬用植物学における研究方法の最新課題ということで、シナジーの解析方法や多剤による複数のターゲットを対象にした治療法開発についてです。
今後、シナジーの解析には、Omicsの応用が不可欠という方向での話でした。
ゲノミクスからプロテオミクス、メタボロミクス解析による個別化医療の確立という考えは、研究者の間ではコンセンサスになりつつあると思います。
現在、私も、ある生薬のRCTから得られたヒト血漿検体についてプロテオーム解析を進めています。
この研究については、もう少しデータがまとまれば、統合医療関連の学会でプレゼンを考えています。
今日の夕方の講演では、米国のJonas医師によるプラセボ効果の研究方法についての提示がありました。
Jonasは、スピリチュアリティ研究での第一人者です。
日本や米国では、スピリチュアリティというと、疑似科学になってしまっているようなケースも少なくありません。
しかし、Jonasは、研究者として科学的な方法論による解析や評価を試みています。
今回のプラセボ研究についても、興味深い方法論を示していました。
最後に、Jonasと同じグループの研究者から、ヒポクラテスのFirst do no harmという英訳は誤訳であり、First at least do no harmがより正確な訳であるという紹介がありました。
このプレゼンを聞きながら、補完医療や統合医療、全人的医療の理念を説明する際には、英語よりもドイツ語のほうが的確な表現が多いように感じた次第です。
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