サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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高タンパク食の継続には注意が必要 [2007年05月03日(木)]
ダイエット(減量)のための食事療法の一つに、高タンパク質・低炭水化物食(ローカーボダイエット)があります。

最近の臨床研究によると、数週間から1年ほどの期間、肥満の人が減量目的でローカーボダイエットを行うと、従来の食事療法(低脂肪など)よりも効率よく減量効果が得られることが示されています。

一方、ローカーボダイエットに対する批判として、動物性脂肪や動物性タンパク質の摂りすぎは長期的に好ましくないという考えがあります。

今月の栄養学の専門ジャーナルに、生活習慣として、低炭水化物高タンパク質食による影響を検討した観察研究が報告されていました。
(Eur J Clin Nutr 61: 575-581)


対象となったのはギリシアの健康な成人22,944名です。

93年から03年まで質問票による調査が行われ、炭水化物とタンパク質の摂取量の違いによる解析が行われました。

合計113,230患者年がフォローされ、455名の死亡が確認されています。
そして、炭水化物の摂取が多いと死亡率が有意に低くなるという結果が得られています。
一方、タンパク質の摂取が多くなると、死亡率が高くなる傾向が認められましたが、有意差はありませんでした。


この研究では、生活習慣として、低炭水化物と高タンパク質になると、心臓病やがんといったリスクが増加することが示されています。


では、ローカーボ(低炭水化物)がいいのでしょうか、それとも従来からの高炭水化物食が好ましいのでしょうか。

現時点での科学的根拠をみると、肥満者が減量するためには、ローカーボダイエットのほうが、高炭水化物よりも明らかに優れています。

一方、食習慣として、動物性タンパク質や脂質を過剰に長期間摂取することは、好ましくないと考えられます。


一般に、ローカーボダイエットでは、タンパク質や脂質の種類に注意が必要です。

ローカーボにすると、結果的にタンパク質や脂質の摂取が多くなりがちですが、この場合、体によい種類を選ぶことが重要です。


具体的には、植物性タンパク質や魚介類が推奨されます。

また、脂質としては、オメガ3系必須脂肪酸が不足しがちですので、バランスよく摂取することが大切です。


ただし、「高炭水化物 vs. ローカーボ」という単純化した図式は適切ではないでしょう。

これらの栄養素に関しては、そのときの個人の体質や状態に適した組み合わせがあると思います。
posted at 23:46 | この記事のURL
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医学博士 蒲原聖可
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