今月のスポーツ医学の専門ジャーナルに、アシュワガンダによる筋肉増大・筋力増強作用を示した臨床研究が、インドのグループ(SrimatiKashibaiNavale Medical College)から報告されていました。
(
J Int Soc Sports Nutr. 2015 Nov 25;12:43.)
インド人参(アシュワガンダAshwagandha、学名Withania somnifera)とは、インドの伝統医療であるアーユルヴェーダにおいて滋養強壮に利用されてきたハーブです。
いわゆるアダプトゲンadaptogenの1種になります。
有効成分として、ウィタフェリンwithaferinやウィタノリドwithanolide等のステロイド・ラクトン類、isopelletierineやanaferine等のアルカロイド類が知られています。
最近では、
アシュワガンダ(インド人参)による女性の性機能改善効果
といった報告があります。
さて、
今回の研究では、
レジスタントトレーニング負荷において、
アシュワガンダによる筋肉組織への影響が検証されました。
具体的には、
8週間のランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
18歳から50歳までの男性57名を対象に、
・介入群(アシュワガンダ根抽出物600mg/日)29名、
・偽薬群28名
の2群について、
8週間のレジスタンストレーニングが行われ、
主アウトカムとして、筋力、
(筋力は、ベンチプレスと下肢の伸展で評価)
副アウトカムとして、筋肉サイズ、体組成、血中テストステロン値、筋肉組織の回復(血中クレアチンキナーゼ値で評価)が測定されています。
解析の結果、
偽薬群に比べて、
アシュワガンダ投与群では、
ベンチプレス運動負荷における筋力の有意な増強効果
(偽薬: 26.4 kg, 95 % CI, 19.5, 33.3 vs. アシュワガンダ群: 46.0 kg, 95 % CI 36.6, 55.5; p = 0.001)
下肢伸展運動負荷における筋力の有意な増強効果、
(偽薬: 9.8 kg, 95 % CI, 7.2,12.3 vs. アシュワガンダ: 14.5 kg, 95 % CI, 10.8,18.2; p = 0.04)
が見出されたということです。
また、
筋肉サイズについても、
偽薬群に比べて、
アシュワガンダ投与群において、有意な筋肉サイズ増加が認められました。
上肢:
偽薬: 5.3 cm2, 95 % CI, 3.3,7.2 vs. アシュワガンダ: 8.6 cm2, 95 % CI, 6.9,10.8; p = 0.01
胸部:
偽薬: 1.4 cm, 95 % CI, 0.8, 2.0 vs. アシュワガンダ: 3.3 cm, 95 % CI, 2.6, 4.1; p < 0.001.
さらに、
偽薬群に比べて、
アシュワガンダ投与群では、
運動負荷による筋肉損傷の軽減が認められています。
(血中クレアチンキナーゼ:
偽薬: 1307.5 U/L, 95 % CI, 1202.8, 1412.1, vs. アシュワガンダ: 1462.6 U/L, 95 % CI, 1366.2, 1559.1; p = 0.03)
その他、
偽薬群に比べて、
アシュワガンダ投与群では、
テストステロン値の有意な増加
(偽薬: 18.0 ng/dL, 95 % CI, -15.8, 51.8 vs. アシュワガンダ: 96.2 ng/dL, 95 % CI, 54.7, 137.5; p = 0.004)
体脂肪率の有意な減少
(偽薬: 1.5 %, 95 % CI, 0.4 %, 2.6 % vs. アシュワガンダ: 3.5 %, 95 % CI, 2.0 %, 4.9 %; p = 0.03).
が認められました。
以上のデータから、
レジスタンス運動トレーニング中に、
アシュワガンダ(インド人参)の摂取により、
筋力の向上、筋肉サイズの増大作用が示唆されます。
:
運動能向上や筋力向上に関して、次の報告があります。
分岐鎖アミノ酸(BCAA)による自転車選手の運動能向上作用
現在、サプリメント・健康食品は、健康保持や疾病予防を目的に広く利用されています。
また、
運動負荷に対して、アスリート・運動選手がサプリメントを利用する場合もあります。
運動時には、筋肉中などで活性酸素が発生し、酸化ストレス障害が生じます。
そこで、抗酸化作用を有するサプリメント成分の摂取によって、運動に伴う酸化障害の抑制が期待されます。
DHCでは、大学との共同研究にて、
DHCのコエンザイムQ10投与によって、
運動負荷時の活性酸素による酸化障害の抑制作用を報告しています。
具体的には、
トレッドミルを用いた60分間の持久走の負荷に際して、運動前の1週間、DHCのコエンザイムQ10 およびビタミンC、ビタミンEを摂取した群では、摂取しなかった群に比べて、尿中8-OHdG値の上昇が抑制(=運動による酸化障害の発生が抑制)されたというデータです。
運動習慣を有する場合、
マルチビタミンや
マルチミネラルに加えて、
コエンザイムQ10、
αリポ酸、
ビタミンC(ハードカプセル)、
ビタミンBミックス
アミノ酸
を利用することが好ましいと考えられます。
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