本日付の読売新聞朝刊(東京本社版)の1面トップに、
「喫煙、寿命3.5年縮める」 リスク値明らかに
という見出しがありました。
(同様の記事は、各紙で取り上げられています。)
これは、厚生労働省研究班の調査によって、喫煙男性は、非喫煙男性に比べて40歳以降の余命が約3.5年短くなることが明らかとなったという内容の記事です。
これまでに、喫煙による健康上のリスクは多くの研究で示されていますので、今回の記事について、あまり目新しいデータとは感じられなかった方も少なくないと思います
これまでの研究データから、(受動喫煙も含めて)喫煙は、多くの疾患リスクを増加しますので、結果的に寿命が短くなることは容易に推測されます。
ただし、今回のデータは、日本人を対象にして、喫煙と寿命との関係が具体的な数値として示されたことに意義があります。
喫煙は、喫煙者本人はもちろん、受動喫煙により家族や周囲の人々も重大な害を被ります。
周りに喫煙者がいない人たちも被害を被っています。
例えば、喫煙に関連して生じる疾病の医療費負担は、たばこ税による歳入の何倍にもなると推定されます。
(つまり、喫煙者が余分に税金を払っているという理屈は成り立たず、逆に、非喫煙者が、医療費その他で喫煙者に補助金を出しているというのが現状です。)
一般に、喫煙対策・禁煙推進のための施策は、欧米や(日本以外の)アジア諸国のほうが進んでいます。
(先日、喫煙率を半減させるという数値目標設定に、厚労大臣が難色を示したというニュースがありました。)
ただし、例えば、米国では分煙ではなく、建物内を全面禁煙にするため、路上でタバコを吸う人が目立ちます。
一方、都心部では路上禁煙の地域が増えています(それでも喫煙している輩がいますが)。
その結果、街中を歩いていると、ニューヨークのほうが、東京よりもたばこ臭いと感じられます。
現在は、さまざまな禁煙補助剤が製品化されています。
また、病院の禁煙外来では、保険適応による治療が可能です。
タバコをやめるための環境が整っていますので、喫煙者は専門家に相談されることをお勧めいたします。
|