今月の統合腫瘍学の専門ジャーナル(電子版)に、前立腺がんの家族歴を有する男性におけるサプリメントの利用状況を調べた研究が、米国のグループから報告されていました。
(
Integr Cancer Ther. 2011 Aug 5.)
近年、様々な慢性疾患、がん、生活習慣病、難治性疾患の有病者を対象にして、サプリメントやCAM(補完代替医療)の実態調査が示されてきました。
これらの研究では、がんや慢性疾患、難治性疾患の患者では、病気の治療や症状緩和の目的で、近代西洋医学の標準治療と合わせて、サプリメントやCAMを用いていることが示されています。
さて、今回の研究では、前立腺がんの家族歴を有する男性が、病気の予防や健康保持のためにサプリメントをどのくらい利用しているか、調べられています。
前立腺がんの患者を兄弟にもつという家族歴を有する場合、その人は、前立腺がんと診断されるリスクが2倍になります。
また、家族歴による高リスクのグループでは、前立腺がんの予防を目的として、ビタミンなどのサプリメントの利用率が高いという予備的なデータも知られています。
さて、今回の研究では、少なくとも一人の兄弟が前立腺がんと診断された家族歴を有する男性542名を対象に、ビタミンなどのサプリメントの利用状況や動機などについて調査が行われました。
解析の結果、1種類以上のビタミンあるいはサプリメント(マルチビタミンを含む)を、
過去に利用したことがある人は59.2%、
現在も利用している人は36.5%
というデータとなっています。
ビタミンやサプリメントを摂取している男性のうちの3分の1は、前立腺の健康維持やがん予防を目的としていました。
具体的な成分として、
緑茶、マグネシウム、男性ホルモン、ノコギリヤシ、セレン、大豆、ビタミンA,C,E、亜鉛があげられています。
年齢が高くなるほど、ビタミンやサプリメントの利用率が高いという相関が見出されました。
(OR= 1.03; 95% CI = 1.01-1.05)
調査時点での年齢で補正した結果、
前立腺がんと診断された兄弟よりも本人が若年であることと、ビタミンやサプリメントの利用との間に有意な相関が示されています(OR = 1.51; 95% CI = 1.01-2.25)。
以上のデータから、前立腺がんの家族歴を有する(健康な)男性では、がんの予防目的で、サプリメントを利用していることが示唆されます。
これまでの観察研究や基礎研究によって、前立腺がんの予防が示唆されているサプリメント成分としては、
リコピンや大豆
イソフラボン、
セレンなどが知られています。
ノコギリヤシは、良性疾患である前立腺肥大症に対して用いられます。
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