サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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2,000mgのカルシウム摂取は心血管リスクを上げない:メタ解析 [2017年11月30日(木)]
平均的な日本人は、カルシウムの摂取が不足しています。

特に女性では、カルシウム・マグネシウム不足による骨粗鬆症リスクは大きな問題であり、

65歳以上の女性が要介護・要支援となる主な理由に、

骨折・転倒

があります。


一方、

カルシウムサプリメントについて、過剰摂取への懸念や誤解をよく聞きます。


日本人成人は、男性も女性も、全年齢層にわたって、カルシウムもマグネシウムも不足しており、DHCのサプリメントを目安量通りに利用すれば、カルシウムサプリメントの過剰摂取が問題になることはありません!


カルシウムサプリメントが心臓病リスクを上げるというような情報がネット上に氾濫していますので、


改めて、

内科学の専門ジャーナルで、

カルシウムの摂取と、心血管リスクとの関連を検証したメタ解析を読んでみました。
(Ann Intern Med. 2016 Dec 20;165(12):856-866.)



今回のレビューでは、

健常な成人において、

カルシウム摂取と、心血管リスクとの関連が検証されました。



具体的には、

主要医学データベースを用いて、

(MEDLINE; Cochrane Central Register of Controlled Trials; Scopus, EMBASE)


1966年から2016年7月までの関連論文(ランダム化比較試験、前向きコホート研究、症例対照研究)が検索され、

カルシウム摂取、

あるいは、

カルシウムとビタミンDの併用と、

心血管疾患リスクとの関連が検証されました。


RCT 4報(10論文)、

観察研究27報が解析の対象となりました。


解析の結果、


カルシウムサプリメントの摂取群

あるいは、

カルシウムとビタミンDサプリメントの併用投与群、

偽薬投与群のいずれの群間でも、

心血管イベントあるいは心血管死亡に関して有意差は認められませんでした。



コホート研究では、

カルシウムの総摂取量、食事からのカルシウムの摂取、カルシウムサプリメントの摂取の用量と、

心血管死亡率に関する用量依存との関連は認められませんでした。

また、
脳卒中リスクや脳卒中死亡率との関連も認められませんでした。


以上、今回のメタ解析データから、

論文著者らは、

健康な成人において、

1日あたり2,000mg〜2,500mgまでのカルシウム摂取は、

心血管疾患リスクを上げることはない、

と考察しています。



骨の健康維持には、カルシウム、マグネシウム、ビタミンD、ビタミンKが大切です。

平均的な日本人の食生活では、カルシウムもマグネシウムも不足しています。


DHCでは、カルシウムマグサプリメントをお勧めしています。


カルシウム/マグ
1日3粒あたり
カルシウム360mg、
マグネシウム206mg、
ビタミンD(ビタミンD3)〈88IU〉2.2μg、
CPP(カゼインホスホペプチド)9.7mg




最近の研究では、下記の報告があります。


肥満女性のサルコペニアに対する低カロリーのタンパク食の有用性



サルコペニア予防に対するミネラルの有用性:レビュー


DHCでは、ビタミンD3サプリメントを製品化しています。




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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



はじめまして、DHC健康食品です



「DHCの遺伝子検査 元気生活応援キット」で体質や疾患感受性を判定


サプリメントと医薬品の相互作用ハンドブック―機能性食品の適正使用情報
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posted at 23:55 | この記事のURL
紅麹はシンバスタチン(リポバス)よりも筋肉障害が少ない [2017年05月21日(日)]
今月の循環器疾患の専門ジャーナルに、紅麹がシンバスタチン(リポバス)よりも筋肉障害が少ないことを示した臨床研究が、中国のグループから報告されていました。
(BMC Cardiovasc Disord. 2017 May 18;17(1):127)


脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。



紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確立されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析


紅麹の有用成分であるモナコリンKは、スタチンと同等であることから、有害事象についてもスタチンと類似した症状として筋肉障害や肝障害が推定されます。

一方で、紅麹には、モナコリン類そのほかの成分が含まれており、それらのシナジーからスタチン単独投与と比べて、紅麹投与のほうが、有害事象は少ないとされています。

実際、
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。


脂質異常症に対して、医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。

最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)




さて、
今回の研究では、


脂質代謝への作用及び筋肉に対する安全性に関して、

紅麹とスタチン剤との比較が行われました。

(LDLコレステロール降下薬であるスタチンでは、
10−15%の患者で、筋肉障害を生じます。)


具体的には、

軽度から中程度の心血管リスクを有する脂質異常症患者60名を対象に、

・シンバスタチン(リポバス)投与群33名

・紅麹投与群27名

の2群について、4週間の介入が行われ、

筋肉障害(筋肉疲労スコア)、身体活動、血中脂質および安全性指標が調べられています。


解析の結果、

まず、
筋疲労スコアは、シンバスタチン投与群において、有意な増加を示しました。

一方、
紅麹群では、有意な変化は認められていません。


また、

身体活動は、

紅麹群に比べて、

シンバスタチン投与群において有意に低下しました。


なお、

両群とも、脂質低下作用は同程度でした。


以上のデータから、

心血管リスクファクターを有する脂質異常症患者において、

紅麹は、

シンバスタチンと比べて、

脂質代謝改善作用は同程度であり、

かつ、
副作用である筋肉障害が少ないことが示唆されます。




DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。

(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)




紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析



医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。

最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。

(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)





コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。




DHCのサプリメントでとるなら、下記の製品となります。







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posted at 23:54 | この記事のURL
紅麹含有サプリメントの有害事象報告:イタリア [2017年04月08日(土)]
今朝、羽田空港から帰宅途中、品川駅で乗り換えの電車を待っている間に、2組4名の外国人旅行者の道案内をしました。
インバウンドで外国からの観光客が増えていますが、乗り換えはわかりにくいようです。

私が待っているすぐそばで、ホームの電光掲示板をずっと見上げており、明らかに、迷っていました、Can I help?と声をかけてみました。

(こちらもスーツケースを持っていましたので、道案内の振りをして近づく怪しい人、には見えなかったと思います。また、早朝6時台なので、ホームにも人が少ない状態でした。)

2組にはそれぞれ別に声をかけたのですが、2組とも、品川駅で京急から山手線に乗り換えて、渋谷駅へいきたい、ということでした。まずは、JRのホームに乗り換えて、と説明しました。

以前、海外であったドイツ人から、日本では道で明らかに迷っていても、(他のアジアの国と違って)声をかけてもらうことがなかった、といったことを聞いたので、私は、道すがら機会があれば声をかけて案内するようにしています。



さて、本日の私的なお勉強日記です。

今月の臨床薬理学の専門ジャーナルに、紅麹含有サプリメントの摂取と有害事象報告に関する調査が、イタリアのグループから報告されていました。
(Br J Clin Pharmacol. 2017 Apr;83(4):894-908)


脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。



紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確立されています。

紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析



紅麹の有用成分であるモナコリンKは、スタチンと同等であることから、有害事象についてもスタチンと類似した症状として筋肉障害や肝障害が推定されます。

一方で、紅麹には、モナコリン類そのほかの成分が含まれており、それらのシナジーからスタチン単独投与と比べて、紅麹投与のほうが、有害事象は少ないとされています。

実際、
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。


脂質異常症に対して、医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。

最近では、下記の研究が報告されています。



コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果




(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、コエンザイムQ10との併用が有用です。)



さて、今回の研究では、
イタリアでの紅麹含有サプリメントの摂取と、有害事象との関連が検証されました。



具体的には、

イタリアでの健康食品(Natural Health Products)の調査データから、

有害事象報告と、因果関係の推定が行われています。
(WHO-UMC systemあるいはCIOMS/RUCAMスコア)

2002年4月から2015年9月までの間の1261件のレポートのうち、

52報で、紅麹含有サプリメントの摂取に対する55の(因果関係を問わない)有害事象報告が見いだされました。

解析の結果、

有害事象は、

筋肉痛あるいはCPKの上昇:19例

横紋筋融解症:1例、

肝障害:10例

消化器症状:12例

皮膚症状:9例、

その他:4例

でした。

また、
70%が女性でした。


13例では、入院を有しており、

28例では、ほかの医薬品を服用していました。


摂取中止は、73%(40例)でポジティブであり、

再投与は、7例でポジティブでした。


因果関係に関する解析は、
certain (1), probable (31, 56%), possible (18, 34%), unlikely (3) or unassessable (2)
でした。


以上のデータから、

論文著者らは、

紅麹の安全性に関して、筋肉痛と肝障害に関しては、スタチン剤と類似していると考察しいています。


紅麹の摂取時も、スタチンの服用時も、コエンザイムQ10を1日あたり100mg前後の併用が必須と考えられます。





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イチョウ葉エキスは肝障害を生じない:米国観察研究 [2017年01月08日(日)]
薬理学の専門ジャーナルに、イチョウ葉エキスの安全性に関して、肝障害の指標を基準に、アルコール摂取と比較した観察研究の二次解析が、米国のグループ(U.S. Army Research Institute, Harvard Medical School)から報告されていました。
(Regul Toxicol Pharmacol. 2016 Dec 24;84:45-53)




イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や血小板凝集抑制作用、循環改善作用を有し、認知症の予防や閉塞性硬化症の改善に用いられるハーブサプリメントです。


イチョウ葉エキスには、特有のフラボノイド系ファイトケミカルが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用、血小板凝集作用などを介して、効果を発揮します。


これまでに多くの臨床研究が行われており、認知症などに対して有効性と安全性が示されています。


(イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)


(イチョウ葉エキスの有効性と安全性)


(イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用)


(イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー)




機能性食品成分・サプリメント成分は、医薬品成分よりもはるかに安全性が高いことは確立しています。

ただし、副作用があることを前提に、疾病の治療に医薬品を服用する場合に比べて、
サプリメントは、健康増進や疾病予防、補完療法といった目的で用いられることから、医薬品よりも高い安全性が求められます。

(一般に、有効性はあるが一定のリスクもあるという成分の場合には、食薬区分において、食品ではなく、医薬品として管理されます。)


一方、体質による個人差や個別製品の違いのために、それぞれのサプリメントについて、安全性の証明は容易ではありません。
(そもそも、食品といえども、ゼロリスク、ということにはならないわけですが。)


さて、今回の研究では、

イチョウ葉エキスの安全性について、肝機能を指標として評価が行われました。



(基礎研究では、イチョウ葉エキスが肝障害を生じうる、といった机上の推測が展開されているためのようです。)


具体的には、
米国の国民健康栄養調査NHANES 2001-2012のデータから29,684名分を対象に、

成人において、

アルコールの摂取およびイチョウ葉エキスサプリメントの摂取と、肝機能マーカー(AST、ALT、ALP、γGTP、LDH、ビリルビン)との関連が調べられています。


解析の結果、

まず、

アルコールの中程度の摂取(1日あたり0.80 ± 0.02杯)は、

非摂取群に比べて、

ASTとγGTPの高値と有意な相関が認められました。
(P < 0.001).


一方、

イチョウ葉エキスの摂取者616名(65.1 ± 4.4 mg/day)では、

非摂取群と比べて、

肝機能関連指標に有意差は認められませんでした。
(P > 0.01)


したがって、
今回の観察研究(米国の国民健康栄養調査)に基づいた解析では、

アルコールの摂取による肝機能障害は認められましたが、

イチョウ葉エキス含有サプリメントの摂取による肝機能異常は示されていません。


この研究に対して、もちろん、サプリメントに否定的な立場からは、「安全性を示したことにはならない」という堂々巡りの意見はあると思います。

しかし、
イチョウ葉エキスは、ドイツを中心に多くの臨床試験が行われており、安全性の高い機能性食品成分です。




機能性食品・サプリメントの中で、ヒト臨床研究によって、認知症改善作用が示されているのは、次の成分です。



イチョウ葉エキスによる認知症への効果:メタ解析


イチョウ葉エキス


イチョウ葉エキス製剤による認知症の症状改善作用


イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ


イチョウ葉エキスの有効性と安全性


イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用


イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー


PS(ホスファチジルセリン)サプリメント


PS(ホスファチジルセリン)による認知機能改善作用


エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイル


エクストラバージンオリーブオイルによる認知症予防効果


大豆イソフラボンによる認知機能改善効果@メタ解析



・ビタミンB群

ビタミンB群投与による脳萎縮(灰白質萎縮)抑制効果と認知機能低下抑制効果


脳萎縮進行抑制効果を示した臨床研究


オメガ3系必須脂肪酸とαリポ酸によるアルツハイマー病の進行抑制効果



一般に、認知機能への効果を期待する場合には、ビタミンB群、オメガ3系脂肪酸(EPADHA)、イチョウ葉エキスといったサプリメントを比較的長期間(数ヵ月以上)に利用することが必要と考えられます。

また、ウコン・クルクミンによる認知症改善作用も報告されています。

DHCでは、複合サプリメントも製品化しています。






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posted at 23:54 | この記事のURL
関節リウマチ治療薬の副作用軽減のための葉酸サプリメントの利用状況 [2016年12月26日(月)]
DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。

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本日の私的なお勉強日記です。

今月の科学誌に、関節リウマチ治療薬の副作用軽減のための葉酸サプリメントの利用状況を調べた研究が、米国のグループ(UCSF)から報告されていました。
( PLoS One. 2016 Dec 15;11(12))

メトトレキサート(MTX)は、関節リウマチの第一選択薬として用いられる、免疫抑制作用を有する医薬品です。


メトトレキサート(MTX)は、葉酸の作用を阻害することで効果を示しますが、
逆に、葉酸の欠乏によって、口内炎、悪心や腹痛などの消化器症状、肝障害、血球産生障害などの副作用を引き起こすことがあります。

これらの副作用は、MTX服用を中止する(治療の中止)程度まで増悪する場合もあります。

そこで、一般的に、メトトレキサートを週 8 mg を超えて服用するとき、
副作用の予防目的で、葉酸製剤(フォリアミン)が処方されます。
(通常、MTXを最後に服用した翌日あるいは翌々日に葉酸製剤を服用。)

コクランレビューによると、
メトトレキサート(MTX)服用中の関節リウマチの患者では、

葉酸の摂取によって、
・MTXの副作用である悪心や腹痛、口内炎などが改善、
・肝機能検査や血液検査で異常値を呈する確率が低減
・MTXによる治療の継続に有効
とされています。

また、
葉酸の摂取は、関節リウマチに対するMTXの治療効果に影響を及ぼさないと考えられます。



ただし、葉酸製剤をメトトレキサートと同時に服用したり、主治医が指示した量より多く摂取したりすると、メトトレキサートのリウマチに対する効果が弱まる場合もあることから、注意が必要です。

サプリメントの葉酸も、メトトレキサートとの服用中には、自己判断ではなく、必ず主治医に相談が必要です。

(メトトレキサートは、毎日の服用ではなく、1週間のうち、1日か2日、服用したらあとは休薬です。)


さて、今回の研究では、

メトトレキサートと同時に処方された葉酸について、服用に関するコンプライアンスの調査が行われました。

具体的には、

米国の軍人病院の服薬管理データを用いて、

65歳以上でMTXの新規服用者2467名を対象に、

葉酸の摂取と背景因子が調べられました。



2467名中27%は、MTX開始30日以内に、薬局から葉酸の処方を受けていませんでした。

リウマチ専門医を受診していない患者では、

リウマチ専門医を受診している患者に比べて、

葉酸処方の割合が23%低値でした。

(RR (95% CI) 0.77 (0.72, 0.82)


これは、地域や臨床指標などの交絡因子で補正後も同様でした。
(adjusted RR (95% CI) 0.78 (0.74, 0.85))


なお、20ヶ月経過後では、

葉酸を継続している患者は、50%にとどまっていました。

以上のデータから、

今回の患者群の調査において、

関節リウマチの治療薬としてメトトレキサートを新規に処方されている患者では、

時間経過とともに、葉酸の処方が行われなくなったり、服用を中止したりすること、

葉酸処方は専門医のほうがより多く行っていることが示唆されます。

論文著者らは、

メトトレキサートを服用している患者の安全性のために、葉酸サプリメント/葉酸製剤の処方の標準化が必要であると考察しています。



葉酸はビタミンB群の一つです。

成人の場合、生活習慣病、特に動脈硬化性疾患に対する葉酸サプリメントの効果が知られています。


葉酸サプリメントの投与によって、血中ホモシステイン値が低下し、

ホモシステインによる血管内皮障害が抑制されることで、

動脈硬化性疾患のリスクが低下すると考えられます。


実際、これまでの観察研究や疫学研究において、
血中ホモシステイン値が低いと、心血管疾患の発症率が低いことが示されています。



葉酸サプリメントで脳卒中が10%低下、心臓病が4%低下:メタ解析

関節リウマチとメトトレキサートに関する治療ガイドラインでは、次のように記載されています。

-----
・消化器症状(口内炎,下痢,食思不振),肝酵素上昇,血球減少,脱毛などの用量依存性副作用を予防する目的で葉酸を使用する
1-3)

.海外ではMTX用量が本邦の2〜3倍多く,葉酸1〜2mg /日の併用はRAに対する治療効果に影響しないという立場であり,MTX投与の全例に葉酸併用を勧めている4,5).

・投与量の少ない本邦では,葉酸併用によりMTXの効果が減弱する症例がみられるうえ,低用量では用量依存性副作用頻度が少ないことから,MTX 0.15 mg/kg体重未満の低用量では葉酸併用は必ずしも必要ではない6).

・北欧の葉酸使用指針も同じ立場である7).

・しかし,高用量(0.2mg/kg体重以上)使用する場合や副作用リスクが高い以下の症例では全例において葉酸併用が勧められる;腎機能低下例,高齢者,複数のNSAIDs使用例.

・一方,MTX用量によっては,葉酸含有のサプリメントや総合ビタミン剤の服用により,効力が減弱する可能性もあることから,患者への指導も必要である.
-------

DHC葉酸サプリメントは、ベーシックサプリメントとして、メトトレキサートと併用して問題ない用量(薬効に影響しない用量)です。
ただし、個人差がありますので、メトトレキサート服用中は、主治医に確認をお願いします。





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抗レトロウイルス薬とサプリメントの相互作用:系統的レビュー [2016年09月27日(火)]
今日の午前中、かかりつけの歯科で処置をしてもらいました。

局所麻酔での割りと大きな処置でしたので、術後の疼痛や腫脹は覚悟していたのですが、

どちらもまったくなかったので、通常通りの勤務が出来ました。

歯科では、

標準治療(鎮痛剤や抗生剤)はもちろん、

事前にオーリングテストを行い、

術前にマッサージとリフレクソロジーも受けて、

処置中には、経穴の合谷(ゴウコク)に対して、経皮的低周波ツボ通電法(TEAS)を受けながらの治療でした。

治療後には、ホメオパシーのレメディ(何のレメディか、聞くのを忘れました)も摂りました。

これらの統合医療的なアプローチのためか、特に、処置後の痛みや腫れ・炎症といったことは感じなかったので、念のために渡された鎮痛薬は服用しませんでした。

統合医療的アプローチによるベストプラクティスのすごさを改めて実感しました。






さて、本日の私的なお勉強日記です。

今月のHIV研究の専門ジャーナル(電子版)に、抗レトロウイルス薬とサプリメントの相互作用に関する系統的レビューが、米国のグループ(Creighton University)から報告されていました。
(Int J STD AIDS. 2016 Sep 21.)



HIV患者では、標準治療である抗レトロウイルス薬に、サプリメントも含めた補完代替医療を併用していることが知られています。


しかし、サプリメントの一部は、肝臓の薬剤代謝酵素活性への影響を介して医薬品との相互作用を生じることがあります。


今回の研究では、

サプリメントと抗レトロウイルス薬との併用による相互作用が検証されました。



具体的には、

主要医学データベースを用いて、

(PubMed, Natural Medicine Comprehensive Database, The Review of Natural Products, and Google Scholar)


ヒト試験あるいは症例報告が検索され、

28報の薬物動態学的研究と症例シリーズ/症例報告が抽出されました。



解析の結果、

炭酸カルシウム、フマル酸鉄、ある種のイチョウ葉・ニンニク・マリアアザミ、セントジョーンズワート、ビタミンC、亜鉛、マルチビタミンと

抗レトロウイルス薬服用中の患者における血中濃度の有意な低下が報告されていました。


また、

キャッツクローと月見草オイル(イブニングプリムローズ)では、

抗レトロウイルス薬の血中濃度の有意な上昇が示されていました。



以上のデータから、

抗レトロウイルス薬服用中にサプリメントを利用する際には、一部のサプリメントとの相互作用による影響(血中濃度の変化)を生じうることから、薬剤濃度など臨床指標の適切なモニタリングが必要と考えられます。




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セントジョーンズワートと経口避妊薬の相互作用:系統的レビュー [2016年07月27日(水)]
今月の生殖医療の専門ジャーナル(電子版)に、セントジョーンズワートと経口避妊薬との相互作用を検証した系統的レビューが報告されていました。
(Contraception. 2016 Jul 18.)



軽症から中等度のうつ病に対しては、

セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ、学名Hypericum perforatum)の有効性と安全性が確立しています。

セントジョーンズワートは、SSRIやSNRIといった抗うつ薬と同等の効果があり、
かつ、副作用が少ないことが示されています。

そのため、
欧米では、セントジョーンズワートがうつ状態に対して広く利用されています。

一方、
セントジョーンズワートは、チトクロームP450の3A4酵素を誘導することが知られており、他の医薬品との併用時には薬効の低下といった相互作用による有害事象が想定されています。

ホルモン避妊法である経口避妊薬(エチニルエストラジオールとプロゲスチン)は、3A4の基質であることから、セントジョーンズワートと経口避妊薬の相互作用が認められます。


今回の系統的レビューでは、

セントジョーンズワートと経口避妊薬の併用投与時の安全性と有効性が検証されました。


具体的には、
主要医学データベース(PubMedとCochrane Library)を用いて、

生殖可能年齢の女性において、

セントジョーンズワートと経口避妊薬との間の潜在的な相互作用に関する論文が検索されています。


48報が抽出され、

4報が解析の対象となりました。


経口避妊薬の単独投与と、経口避妊薬とセントジョーンズワートとの併用投与の比較が行われています。


まず、

排卵マーカーに関して、

セントジョーンズワートと経口避妊薬の併用は、

2報では有意な変化はなく、1報では卵胞発育および排卵可能性の促進が認められたということです。


また、
3報では、

併用投与により、出血リスクの亢進が示唆されています。

3報は、
少なくとも1つの薬物動態マーカーの変化が示されており、

セントジョーンズワートと経口避妊薬の併用時には、ホルモン避妊法の効果が有意に低減することが示唆されています。


1報では、
薬物動態の有意な変化は認められていませんが、SJW製品でのマーカーのhypericin量が低いというケースでした。


以上のデータから、

限定的なエビデンスではあるものの、

セントジョーンズワートと経口避妊薬の併用により、

排卵促進や出血亢進のリスク、つまり、避妊効果の軽減が示唆されます。

作用機序として、

セントジョーンズワートによるチトクロームP450の3A4の誘導による経口避妊薬の代謝が軽度から中程度、促進されることが想定されます。



DHCでは、うつ病対策に関連したサプリメントを製品化しています。


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うつ病に対する機能性食品・サプリメントの研究として、次のような報告があります。



DHAによる重症うつ病改善作用



うつ病に対するEPAの効果



抗うつ作用のあるサプリメントレビュー



セントジョーンズワートはSSRIと同等の抗うつ作用を示す



うつ病治療におけるセントジョーンズワートの費用対効果



うつ病へのビタミンDサプリメント投与



緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用




野菜と果物の摂取が多い高齢者はうつ病リスクが低い




若年女性における葉酸の抗うつ作用



うつ病ではビタミンDが低値



コーヒーの摂取が女性のうつ病リスクを抑制



ビタミンB群が脳卒中後のうつ病を予防



重症うつ病に対するプロバイオティクスの有用性



ビタミンB群の摂取が多いとうつ病のリスクが低下する



重症うつ病に対するクルクミン(ウコン)の効果:メタ解析



コーヒーの摂取とうつ病リスク低下:メタ解析






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posted at 23:56 | この記事のURL
レスベラトロール投与によりジクロフェナクの副作用を減らす [2015年12月07日(月)]
今月の植物療法の専門ジャーナル(電子版)に、レスベラトロールとジクロフェナクの相互作用を調べた臨床研究が報告されていました。
(Phytother Res. 2015 Dec 3.)


レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。




今回の研究では、
レスベラトロールによるジクロフェナク(Diclofenac;非ステロイド性抗炎症薬 NSAIDs)の薬物動態への影響が検証されました。



具体的には、
オープンラベル試験として、

健常者12名を対象に、

レスベラトロール500mgの1日1回投与を10日間実施し、

次に、

(レスベラトロールあるいは偽薬投与後に)

ジクロフェナク100mgを単回、投与されています。


ジクロフェナク投与後の血漿の解析の結果、


対照群と比べて、

レスベラトロール投与群では、

ジクロフェナクのCmaxの有意な上昇、
(1.73 to 2.91&#8201;&#181;g/mL),

AUCの有意な増加
(5.05 to 9.95&#8201;&#181;g&#8201;h/mL),

半減期の延長
(T1/2 ) (1.12 to 1.76&#8201;h)

排出率の低下
(Kel ) (0.71 to 0.41&#8201;h-1 ),

経口クリアランスの低下
(CL/F) (14.58 to 6.48&#8201;L/h)

が見出されました。


各指標の平均値は、

ジクロフェナクのCmax , AUC, T1/2 , Kel, CL/Fでは、

1.75, 2.12, 1.65, 0.61, 0.47でした。


このことから、
ジクロフェナクとレスベラトロールの間には有意な相関があるとされ、

これは、
レスベラトロールによるCYP2C9阻害作用を介していると考えられます。


以上のデータから、

レスベラトロールとの併用により、
ジクロフェナクの投与量を減少させ、消化器症状など薬物の副作用リスクを低減できる可能性が示唆されます。




レスベラトロールは、ポリフェノールの1種で、赤ワインやブドウ、ピーナッツなどに見出される色素成分です。

レスベラトロールは、長寿関連遺伝子の1つであるサーチュイン遺伝子の活性化を介して、アンチエイジング効果があるのでは、と期待されています。

長寿になるかどうかを確認するためのヒト臨床試験は容易ではありませんが、
最近の臨床研究では、内分泌代謝疾患や生活習慣病の改善効果が示唆されています。




現在、レスベラトロールは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、代謝に好影響を及ぼすことから、健康維持や生活習慣病予防からアンチエイジングの分野で注目されています。




例えば、基礎研究では、

レスベラトロールによるインスリン抵抗性改善作用


レスベラトロールによる糖尿病予防


レスベラトロールによる糖代謝改善作用


レスベラトロールの心不全リスク低減作用


レスベラトロールによる肥満予防のメカニズム



レスベラトロールによる抗がん作用


レスベラトロールによる大腸がん抑制作用


レスベラトロールの抗炎症作用


動脈硬化抑制作用


という報告があり、


ヒト臨床研究では、

レスベラトロールによる肥満者での代謝改善


レスベラトロールによる糖尿病改善作用



レスベラトロールによる脳循環改善


子宮内膜症関連痛に対するレスベラトロールの効果


レスベラトロールによる運動効果@2型糖尿病患者


レスベラトロールによる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)改善作用


という報告が知られています。






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レッドクローバーはタモキシフェンの代謝に影響を与えない [2015年11月08日(日)]
今月の薬理学の専門ジャーナルに、レッドクローバーによるタモキシフェンの薬物動態への影響を調べた基礎研究が、インドのグループから報告されていました。
(Sci Rep. 2015 Nov 4;5:16126.)



タモキシフェンは乳がんに対して用いられる抗がん剤の1種です。

レッドクローバー(学名Trifolium pratense)は、植物エストロゲンであるイソフラボン類を含むことから、婦人科系の症状に対して用いられているハーブです。



今回の研究では、ハーブと医薬品との相互作用の可能性に関する研究の一環として、

レッドクローバーとタモキシフェンとの相互作用が検証されました。


具体的には、ラットを用いて、


レッドクローバーを15日間、前投与した実験では、

タモキシフェンの代謝マーカーである4-hydroxytamoxifenの動態に有意な変化は認められませんでした。
(p&#8201;>&#8201;0.05)

したがって、

レッドクローバーとタモキシフェンの併用により、タモキシフェンの臨床的効果に対する有意な変化は想定されないと考察されています。


次に、チトクロームP450への影響が調べられました。

タモキシフェンは、主に、CYP2D6とCYP3A4 で代謝され、

CYP2C9、CYP2E1、CYP1A2にも影響を受けています。


レッドクローバーの前投与によって、

CYP3a2の遺伝子発現及び活性は有意に低下、
(p&#8201;<&#8201;0.05)

CYP2d4に対しては影響なし、

CYP2c11 の遺伝子発現および活性は有意に亢進しました。


これらのチトクロームへの作用から、

ラットにおいて、
レッドクローバーによるタモキシフェン代謝への影響が示されないことの説明が可能です。



また、
レッドクローバー投与により、
CYP1a1 およびCYP2b2 のmRNA 発現と活性が有意に低下しました。


したがって、

レッドクローバー抽出物によるヒト肝ミクロソームおよびHepG2細胞系への影響が示唆されます。



臨床的には、タモキシフェン投与中にハーブサプリメントを併用する際には、タモキシフェンの臨床効果に影響を与えないかどうか、臨床指標のモニタリングが必要と考えられます。




大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。

また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。




DHCでは、大豆イソフラボンプエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの複合サプリメントなどを製品化しています。




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妊娠中のセントジョーンズワート利用の許容性 [2015年11月06日(金)]
今月の生殖医学の専門ジャーナル(電子版)に、妊娠中のセントジョーンズワート利用と、妊娠アウトカムへの影響に関する研究が、デンマークのグループ(Aarhus University)から報告されていました。
(Reprod Toxicol. 2015 Nov 1.)


軽症から中等度のうつ病に対しては、
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ、学名Hypericum perforatum)の有効性と安全性が知られています。

セントジョーンズワートは、SSRIやSNRIといった抗うつ薬と同等の効果があり、
かつ、副作用が少ないことが示されています。

そのため、
欧米では、セントジョーンズワートがうつ状態に対して広く利用されています。


さて、今回の研究では、

妊娠中のセントジョーンズワート摂取による妊娠アウトカムへの影響について、

潜在的な有害事象リスクの有無が検証されました。


具体的には、

デンマーク全国出生コホート(DNBC)のデータから、

90,128名の女性と、

妊娠中にセントジョーンズワートを摂取した女性38名を対象に、


セントジョーンズワート利用と、

妊娠期間、

早産、

出生体重、形成異常、

Apgarスコアとの関連が調べられています。


まず、
早産は、両群間で差は認められませんでした。


形成異常についても、両群間で有意差は認められませんでした。
(SJW;8.1% vs 対照群3.3%; p=0.13)

(なお、SJW群が高く見えますが、実数は3例であり、有意差はなく、因果関係は認められないと考察されています。)

以上のデータから、

妊娠中におけるセントジョーンズワート利用において、一定の許容性が示唆されます。


一般に、

医薬品でもハーブ・薬用植物でも、妊婦を対象にした臨床試験はまず行われませんので、

妊娠中・授乳中は利用を避ける、

妊娠中・授乳中の安全性は確立していない

といった注意書きが記載されています。


今回の研究では、一定の許容性・安全性が示唆されますが、

コホート研究での検討ですので、引き続いてエビデンスの構築が必要とは考えられます。

(妊娠中や授乳中に利用する場合には、主治医と相談しながら、念のために臨床指標をモニタリングすることが原則です。)



DHCでは、関連したサプリメントを製品化しています。

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うつ病に対する機能性食品・サプリメントの研究として、次のような報告があります。



DHAによる重症うつ病改善作用



うつ病に対するEPAの効果



抗うつ作用のあるサプリメントレビュー



セントジョーンズワートはSSRIと同等の抗うつ作用を示す



うつ病治療におけるセントジョーンズワートの費用対効果



うつ病へのビタミンDサプリメント投与



緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用




野菜と果物の摂取が多い高齢者はうつ病リスクが低い




若年女性における葉酸の抗うつ作用



うつ病ではビタミンDが低値



コーヒーの摂取が女性のうつ病リスクを抑制



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トンカットアリによる肝臓薬剤代謝酵素への影響 [2015年08月31日(月)]
今月の補完代替医療の専門ジャーナルに、トンカットアリによる肝臓の薬剤代謝酵素への影響を調べた基礎研究が報告されていました。
(Evid Based Complement Alternat Med. 2015;2015:631329)


トンカット・アリ(学名Eurycoma longifolia)は、東南アジア原産のハーブで、マレーシアの民間療法では強壮・催淫薬として用いられてきました。


近年、マレーシアを中心に、トンカット・アリに関する研究が進められています。

例えば、トンカット・アリによる男性更年期障害改善作用を示した臨床研究も知られています。



トンカット・アリ標準抽出物には、主な成分のクワシノイド(quassinoid,変形テルペノイド)として、eurycomanone(ユーリコマノン)やeurycomanolなどが含まれています。



さて、今回の研究では、

トンカットアリによる肝臓の薬剤代謝酵素の活性への影響が検証されました。


具体的には、

ヒト肝臓ミクロソームあるいは組換えCYPを用いて、

トンカットアリ根抽出物(1, 3, 10, 30, 100, 300, 1000&#8201;&#181;g/mL)投与による活性への影響が測定されています。



解析の結果、

トンカットアリ根抽出物投与によって、

ヒト肝臓ミクロソームのCYP1A2, CYP2A6, CYP2C19において、濃度依存的な弱い活性阻害作用が見出されたということです。



CYPアイソザイムを用いた測定では、

IC50は、ぞれぞれ
324.9, 797.1, 562.9&#8201;μg/mL,

でした。



以上のデータから、

トンカットアリ投与によって、チトクロームの分子種のうち、

CYP1A2, CYP2A6, CYP2C19への活性阻害作用が示唆されます。



現時点では、臨床的に、医薬品との併用による相互作用/有害事象は知られていません。

in vitro
でのデータであり、臨床的意義は、不明ですが、

医薬品との併用時には、念のため、臨床指標をモニタリングするなどの対応は必要でしょう。





DHCでは、マカトンカット・アリを製品化しています。


また、
ED(勃起障害)対策サプリメントも製品化しています。








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2型糖尿病患者での補完代替医療(CAM)利用状況@イスラエル [2015年06月21日(日)]
今月の補完代替医療の専門ジャーナル(電子版)に、2型糖尿病患者における補完代替医療(CAM)の利用状況に関する調査研究が、イスラエルのグループから報告されていました。
J Altern Complement Med. 2015 Jun 8)



今回の研究では、

イスラエルにおいて、

2型糖尿病患者での補完代替医療(CAM)の利用状況、CAMと処方薬との相互作用の可能性などについての実態が調べられました。



具体的には、

2013年12月から2014年12月まで、
横断研究として、

内科病棟に入院中の糖尿病患者111名を対象に、

CAMの利用が調べられた結果、

26名(23.4%)の患者が何らかのCAMを利用していました。



年齢や教育、収入、飲酒、喫煙などについて、利用者と非利用者との間に有意差は見出されていません。


CAM利用を主治医に申告していたのは、
26名中11名でした。


また、

CAM利用者26名中、19名で、

医薬品とハーブとの潜在的な相互作用の可能性が示唆されたということです。


具体的には、

主な相互作用として、

CAM利用者のうちの7名におけるオメガ3系必須脂肪酸と抗凝固薬があげられています。


その他に、マイナーな可能性として、

ビタミンE、イチョウ葉エキス、コエンザイムQ10、緑茶、コロハ、ビタミンB6などがありました。



以上のデータから、

論文著者らは、

入院加療中の2型糖尿病患者において、CAM利用が一定程度見られること、

また、
医薬品との相互作用が想定される場合の有害事象についての懸念を考察しています。




ちなみに、本論文中で述べられている医薬品との相互作用は、
理論的な凝固系のメカニズムですので、実際に有害事象が生じているわけではありません。

臨床現場での現実的な対応としては、

ベネフィットがリスクを上回ると考えられた場合、
関連指標をモニタリングしながら、併用が可能です。




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利用しているサプリメントの33%しか報告されていない [2015年04月17日(金)]
医療機関を受診した患者のサプリメント利用状況について、患者からの申告/情報開示に関する調査研究が、米国のグループから報告されていました。
(Patient Educ Couns. 2015 Mar 30.)



サプリメントの適正使用では、医薬品との併用時に患者からの申告や医療機関による問診も重要です。


一般に、

サプリメントと医薬品の併用は、

併用が推奨される場合もあれば、

(例えば、コエンザイムQ10とスタチン剤、マリアアザミと肝毒性の薬剤、乳酸菌と抗菌剤など)


併用注意もしくは併用を避けることが求められる場合もあります。

(例えば、セントジョーンズワート/セイヨウオトギリソウと、チトクロームP450関連薬)



さて、今回の研究では、

医療機関を受診した患者によるサプリメント利用の申告状況に関する調査が行われました。



具体的には、

横断研究として、

プライマリケア、統合医療、あるいは補完医療のプロバイダーの外来診療61箇所において、

それらを受診した患者603名を対象に、

主アウトカムであるサプリメント利用の開示状況が調べられました。



サプリメント利用の開示状況は、

受診時の音声記録、受診後の患者調査、受診日の診療記録に基づいて判断されています。




解析の結果、

受診後の調査によると、

603名のうち、79%が、合計2,107種類のサプリメントを摂取していました。



サプリメント利用者のうち、

232名(48.6%)は、

少なくとも1種類のサプリメントについて、

受診時に、医療従事者や補完医療のプロバイダーに話していました。



しかし、

患者が申告したのは、2107種類のサプリメントのうち、714種類(33.9%)のみでした。



患者は、
医療従事者やプロバイダーが、サプリメント利用の情報が重要であると考えている、
と感じた場合に、

より高頻度に、サプリメント利用について申告する、という相関が見出されたということです。



なお、

病気の状態や、医薬品の服用状況などは、サプリメント利用の申告の頻度との相関は見出されていません。



以上のデータから、

患者のサプリメント利用状況の把握には、

医療従事者側の役割が重要であると考えられます。





関連した研究では、次の報告があります。




高用量のビタミンEと一部の医薬品との相互作用 




がん患者におけるハーブ/サプリメントと医薬品の相互作用:レビュー



バレリアンは臨床的に相互作用を生じない




マリアアザミはチトクロームP450へ影響を与えない



植物・ハーブサプリメントによる有害事象は稀である



ワルファリンと果物の相互作用



重症うつ病にSJWと三環系抗うつ薬の併用



アンセリンによる抗がん剤の作用増強作用



エキナセアはドセタキセルと相互作用を生じない@がん患者



セントジョーンズワートとドセタキセル(抗がん剤)との相互作用



クルクミン+ ヒペリンは薬剤代謝酵素に有意な影響を与えない 





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植物・ハーブサプリメントによる有害事象は稀である [2014年09月28日(日)]
今月の臨床薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、植物・ハーブのサプリメントの有害事象に関するレビューが、イタリアのグループから報告されていました。
(Br J Clin Pharmacol. 2014 Sep 24)




今回のレビューでは、

1.植物食品やハーブに由来するサプリメント摂取に関連したヒトでの有害事象、

2.誤って毒性のある植物を利用したケース、

3.植物/ハーブサプリメントと、医薬品/(食品)栄養素との相互作用、

が検証されました。



具体的には、

主要医学データベース(PubMed/MEDLINE とEmbase)を用いて、

関連キーワードによる検索が行われ、


WHOガイドラインにしたがって、

因果関係の検証も行われています。



検索の結果、

66種類の植物/ハーブが対象となり、

488報が抽出され、

398報が有害事象について、

89報が医薬品との相互作用について、

1報が誤った基原植物の同定についての論文でした。




解析の結果、

66種類の植物由来成分のうち、

39種類において有害事象が示されていました。



文献の86.5%が、14種類の植物由来成分についてであり、


具体的には、

大豆(19.3%), カンゾウ (12.5%), イチョウ葉エキスと緑茶(いずれも8.6%).

となっています。



以上、

植物/ハーブ由来のサプリメントに関する有害事象報告について、因果関係を検証したレビューから、論文著者らは、

1.植物由来成分による(因果関係のある)有害事象の発生は比較的稀であること、

2.重症な臨床症状を呈する有害事象は非常に稀であること、(ただし、重篤なケースもありうる)、

と考察しています。



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高用量のビタミンEと一部の医薬品との相互作用 [2014年09月18日(木)]
今月の栄養学研究の専門ジャーナルに、ビタミンEと医薬品との相互作用リスクに関するレビューが、ドイツのグループ(University of Hohenheim)から報告されていました。
(Nutr Res Rev. 2014 Sep 16:1-17.)


ビタミンEは、ビタミンCとともに、抗酸化ビタミンの代表であり、生活習慣病予防効果が示されています。

ビタミンEは、トコフェロールとトコトリエノールに分けられ、さらに、それぞれが、α,β,γ,δの4種類であることから合計8種類になります。




さて、今回の研究では、

ビタミンEと医薬品との相互作用による有害事象に関して、文献レビューが行われました。


ビタミンEは、8種類すべてについて検証されています。



解析の結果、

まず、

動物実験あるいはランダム化比較試験によるヒト臨床研究のいずれでも、

栄養学的に食事由来の用量であれば、

トコフェロールやトコトリエノールの摂取によって、医薬品との相互作用による有害事象は認められませんでした。


次に、

高用量のビタミンEサプリメント(1日あたり300mg以上)の投与では、

アスピリン、ワルファリン、タモキシフェン、シクロスポリンAのそれぞれの医薬品と相互作用を生じる可能性が見出されました。



一方、その他の多くの医薬品については、

高用量のビタミンE(1日あたり300mg以上)の投与であっても相互作用による有害事象のリスクは想定しにくい、と考察されています。





DHCでは、適正な価格で高品質のマルチビタミンマルチミネラルカルシウム・マグネシウムを提供しています。




また、各種カロテノイドを含むマルチカロチンの他、リコピンルテインなども製品化しています。







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がん患者におけるハーブ/サプリメントと医薬品の相互作用:レビュー [2014年09月03日(水)]
植物療法研究の専門ジャーナル(電子版)に、がん患者におけるハーブおよびサプリメントと、医薬品との相互作用について検証したレビューが、イギリスのグループ(University of Reading)から報告されていました。
(Phytother Res. 2014 Aug 26.)




がん患者では、ハーブや各種のサプリメントの利用が報告されています。

特に、本邦では、きのこ由来のサプリメント・健康食品が、がんの補完療法として広く利用されています。

がんの治療や補完療法としての有用性として、霊芝やアガリクス、クルクミン(ウコン)の効果が示されてきました。


例えば、下記の研究があります。


アガリクスによるがん患者のQOL改善作用


コクランでは、霊芝のレビューが示されています。

霊芝(レイシ)のがん治療における臨床的意義



また、ウコン/クルクミンに関しては、標準治療に抵抗性の大腸がんやすい臓がんを対象に、
臨床試験第2相/第3相が行われています。



一方、がんの標準治療との併用による医薬品との相互作用が問題となるケースの存在も推定されます。



そこで、今回の研究では、

がん患者におけるハーブおよびサプリメントの利用に際して、医薬品との相互作用が検証されました。


具体的には、文献検索によって、818報が抽出されましたが、41報が関連した内容でした。

抄録レビューにより、10報が有用でしたが、

選択基準に合致したのは2報であり、さらに3報がレビューされています。




解析の結果、

806名のがん患者のうち、

433名 (53.7%)が、サプリメントと医薬品を併用しており、


167事例、60名(13.9%)でリスクが推定されたということです。



なお、このリスクは理論的な想定であり、臨床的に見出されたものではありません。


いずれの研究でも、がん患者でのサプリメントと医薬品の併用による有害事象は報告されておらず、

リスクが過剰に想定されている、と考察されています。





前述のように、きのこ由来のサプリメントによるがんの補完療法としての効果も示されていますので、がん治療におけるサプリメントの適正使用の有用性が考えられます。

しかし、
セントジョーンズワートやレスベラトロールによる抗がん剤の薬効への影響も推定されるため、
がん治療中のサプリメントの利用については、担当医と相談することが必須です。








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posted at 23:56 | この記事のURL
ワルファリンと果物の相互作用 [2014年08月26日(火)]
今月の薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、ワルファリン(ワーファリン)と果物の相互作用に関するレビューが、米国のグループから発表されていました。
(J Pharm Pract. 2014 Aug 11.)



ワルファリンは、ビタミンK含有食品の摂取量の変化や、CYP2C9活性の変化により薬効が変動することが知られています。



一般に、ワルファリン服用中は、○○という食品を食べてはいけない、というような説明が行われます。



ただし、医学的には、
食生活を大きく変化させることが好ましくない、
あるいは、
特定の食材(ワルファリンの薬効に影響する成分を含む食材や食品)の摂取量が変動した場合には、INRなどの指標を確認する、

という対応が正しいと思います。

(もちろん、feasibilityの問題もありますが。)




さて、今回のレビューでは、ワルファリンと果物との相互作用が検証されました。



具体的には、

主要医学データベースを用いて、

ワルファリン(ワーファリンCoumadin)と、果物、果物ジュースの相互作用について、


症例報告と臨床試験が対象となり、

23報(症例報告15報、臨床試験7報)が抽出されました。




症例報告では、クランベリー製品が多く、

その他に、ザクロジュース、アボガド、グレープフルーツジュース、マンゴー、パパイアも、ワルファリンとの相互作用が示唆されていました。



臨床試験では、

クランベリーとグレープフルーツジュースについてのデータが示されていたということです。




以上のデータから、

論文著者らは、


ワルファリン(ワーファリン)と、複数の果物製品との相互作用が示唆されること、

ただし、科学的根拠は十分ではなく、因果関係や臨床的意義はまだ明確ではない

とし、

臨床現場での対応として、


まず、ワルファリン服用中の患者に対しては、
クランベリーやグレープフルーツジュースの摂取は少量から適量とし、

マンゴーやザクロジュース、アボガドについては問診を行い、INR値をモニタリングすること、

と考察しています。






医薬品と食品成分との相互作用に起因する有害事象については、

1990年代のカルシウム拮抗剤(降圧剤の1種)と、グレープフルーツ果汁成分との相互作用が明らかとなり、

注目されるようになりました。


(現在、降圧剤の一部では、グレープフルーツの摂取をしないように、という注意喚起が行われています。
過度な降圧作用が生じうるためです。)



次に、医薬品とサプリメントとの相互作用では、

セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)と、一部の医薬品との間で相互作用による有害事象が知られるようになり、

2000年に当時の厚生省から、注意喚起の通知が行われています。




これらはいずれも、肝臓での薬剤代謝酵素であるチトクロームP450の特定の分子種に対して、

食品やサプリメントの成分が作用し、その活性を誘導したり阻害したりするため、

同じ分子種によって代謝される医薬品と併用すると、相互作用が生じる、

つまり、医薬品の作用が増強されたり減弱されたりする、という機序です。





相互作用による有害事象に関して、

サプリメント側の原因として最多の成分は、セントジョーンズワートです。

セントジョーンズワートは、CYP3A4で代謝される医薬品と相互作用を生じえます。



医薬品側の原因として最多の成分は、ワルファリン(ワーファリン)です。

ワルファリンの代謝酵素は2C9です。


なお、相互作用が生じればすべて臨床的に問題というわけではありません。




一部の治療閾値が狭い薬剤では注意が必要ですが、培養細胞を用いたシャーレ上のin vitro系のデータが、そのまま臨床と同じ意味ということではありません。





ただし、相互作用はすべて問題というわけではありません。




たとえば、スタチン剤(コレステロール降下剤)を服用している場合、内在性コエンザイムQ10値が半減することがわかっています。

このことが、ミトコンドリア障害を生じて、筋痛症などの副作用を生じる一因とも推定されています。

そのため、スタチン剤を服用中の場合、コエンザイムQ10サプリメントの摂取は必須です。

(なお、医薬品のノイキノンは、用量が30mgと少ないため、不十分です。
サプリメントで、100mg前後の摂取が必要です。)







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posted at 23:55 | この記事のURL
バレリアンは臨床的に相互作用を生じない [2014年08月16日(土)]
補完代替医療の専門ジャーナルに、バレリアンは臨床的に相互作用を生じることはない、とする研究が、ドイツのグループから報告されていました。
(Evid Based Complement Alternat Med. 2014;2014:879396)




バレリアン(学名Valeriana officinalis)は、睡眠障害・不眠症に対するハーブサプリメントとして知られています。


一方、不眠症に対する機能性成分は、中枢神経系への働きが想定されるため、

類似した作用を有する他の医薬品やサプリメントとの相互作用に関する懸念が呈されることがあります。


特に、医療現場では過剰な反応になりやすく(リスクマネージメントのため)、科学的根拠に基づいた判断が必ずしも行われているとは限りません。




さて、今回の研究では、

バレリアンと医薬品との臨床的な相互作用の可能性が検証されました。

(論文著者らは、背景として、がん患者において、バレリアンに利用が認められるようになった一方で、バレリアンと抗がん剤の副作用といった不確かな情報が散見されるため、研究を行ったとあります。)


具体的には、

システマティックレビューとして、

バレリアン根抽出物(Valeriana officinalis L. root)に関する7報のin vitro研究、6種類のCYP450、P糖タンパク、2種類のUGTが検証されました。



解析の結果、

これらのin vitro系での報告に関して、

実験方法の検証などから、臨床的な相互作用を生じることは考えにくいことが見出されました。


また、
さまざまなバレリアン抽出物に関する臨床研究では、

CYP 1A2, 2D6, 2E1, 3A4のいずれに関連した相互作用も示唆されていません。



現時点での基礎研究やヒト臨床研究では、

バレリアンと医薬品との相互作用の可能性を支持するデータは見出されませんでした。


以上のデータから、

論文著者らは、

臨床的にバレリアンによる相互作用の可能性は低く、

がん患者も含めて、バレリアン利用に関連したリスクや安全性への懸念を支持するエビデンスはない、

と考察しています。






睡眠障害に対して、

バレリアンは、単回投与による効果も示されていますが、一般には、1ヶ月間などの投与によって「睡眠の質」を改善する働きが期待されています。


(つまり、医薬品の睡眠導入剤のような使い方ではなく、一定期間摂取することで、ハーブによる睡眠の質の改善が期待される、というタイプと考えます。)



先行研究でも、バレリアンによる効果が示されています。



バレリアンによる睡眠障害改善作用



バレリアンの睡眠改善作用@がん患者



バレリアンによる不眠症改善作用



バレリアンの体内動態と個人差




バレリアンでは、鎮静作用の他、平滑筋に対する鎮痙作用も知られています。



バレリアンによる鎮痙作用



バレリアンの抗酸化作用




DHCでは、関連したサプリメント/健康食品を扱っています。


バレリアン


複合サプリメント「ゆったり」


EPA



DHA




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posted at 23:51 | この記事のURL
マリアアザミはチトクロームP450へ影響を与えない [2014年07月28日(月)]
今月の薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、マリアアザミによるチトクロームP450への影響を調べた基礎研究が、米国のグループ(University of Florida)から報告されていました。
(Drug Metab Dispos. 2014 Jul 15.)





医薬品と食品成分との相互作用に起因する有害事象については、

1990年代のカルシウム拮抗剤(降圧剤の1種)と、グレープフルーツ果汁成分との相互作用が明らかとなり、

注目されるようになりました。


(現在、降圧剤の一部では、グレープフルーツの摂取をしないように、という注意喚起が行われています。
過度な降圧作用が生じうるためです。)



次に、医薬品とサプリメントとの相互作用では、

セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)と、一部の医薬品との間で相互作用による有害事象が知られるようになり、

2000年に当時の厚生省から、注意喚起の通知が行われています。




これらはいずれも、肝臓での薬剤代謝酵素であるチトクロームP450の特定の分子種に対して、

食品やサプリメントの成分が作用し、その活性を誘導したり阻害したりするため、

同じ分子種によって代謝される医薬品と併用すると、相互作用が生じる、

つまり、医薬品の作用が増強されたり減弱されたりする、という機序です。





相互作用による有害事象に関して、

サプリメント側の原因として最多の成分は、セントジョーンズワートです。

セントジョーンズワートは、CYP3A4で代謝される医薬品と相互作用を生じえます。



医薬品側の原因として最多の成分は、ワルファリン(ワーファリン)です。

ワルファリンの代謝酵素は2C9です。


なお、相互作用が生じればすべて臨床的に問題というわけではありません。




一部の治療閾値が狭い薬剤では注意が必要ですが、培養細胞を用いたシャーレ上のin vitro系のデータが、そのまま臨床と同じ意味ということではありません。





ただし、相互作用はすべて問題というわけではありません。




たとえば、スタチン剤(コレステロール降下剤)を服用している場合、内在性コエンザイムQ10値が半減することがわかっています。

このことが、ミトコンドリア障害を生じて、筋痛症などの副作用を生じる一因とも推定されています。

そのため、スタチン剤を服用中の場合、コエンザイムQ10サプリメントの摂取は必須です。

(なお、医薬品のノイキノンは、用量が30mgと少ないため、不十分です。
サプリメントで、100mg前後の摂取が必要です。)







さて、

今回の研究では、

マリアアザミ(学名Silybum marianum)によるチトクロームP450への影響が調べられました。


先行研究では、in vitro系において、マリアアザミによるCYP2C9への阻害が示唆されています。


しかし、前述のように、相互作用については、in vivo系での検証による臨床的意義の検索が必要です。



今回の研究では、

健康な被験者9名を対象に、

マリアアザミの標準規格サプリメント(分3)を14日間投与し、



指標薬物を使って、

CYP1A2, CYP2C9, CYP2D6, CYP3A4/5

への影響が調べられました。


(指標薬物は、
カフェイン、トルブタミド、デキストロメトルファン、ミダゾラム)



解析の結果、

マリアアザミの投与は、
いずれの指標医薬品の血中濃度AUCにおいても有意な影響は見出されませんでした。



したがって、

健常者を対象にした今回のデータからは、

マリアアザミは、

薬剤代謝に関係する主なチトクロームの分子種(CYP1A2, CYP2C9, CYP2D6, or CYP3A4/5)には影響を与えず、

相互作用のリスクは低いことが考えられます。




最近のin vitro研究では、下記の報告で、マリアアザミによるCYP2C9への阻害作用が示されていますが、


サプリメントの成分と肝臓薬剤代謝酵素の基礎研究



今回のヒト臨床試験の結果からは、臨床的意義は否定的です。




実際、マリアアザミについて、

医薬品とサプリメントの相互作用による有害事象は知られていません。




一般に、
マリアアザミについては、安全性が高いハーブとして知られており、相互作用による有害事象は現在のところ、知られていません。



マリアアザミは、多くの臨床試験で、肝保護作用が示されており、

アセトアミノフェンのように、肝毒性のある医薬品と一緒に摂取することが推奨されます。







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posted at 23:53 | この記事のURL
重症うつ病にSJWと三環系抗うつ薬の併用 [2014年06月24日(火)]
セントジョーンズワート(SJW)と他の抗うつ薬との併用例について調べていたところ、

薬理学研究の専門誌に、

セントジョーンズワートと三環系抗うつ薬との併用を行った臨床試験が、イランのグループから報告されていました。
(Jundishapur J Nat Pharm Prod. 2012 Summer;7(3):106-10)




セントジョーンズワート(以下SJW)の安全性と有効性については、多くのRCTおよびメタ解析により検証されてきました。


現在のコンセンサスは、

SJWは、軽症から中等症のうつ病に対してSSRIと同等の効果があり、かつSSRIよりも副作用が少ない、

ということです。



また、重症のうつ病に対するSJWの効果を示した臨床研究も散見されます。

(ただし、重症うつ病は、いわゆる難治性疾患であり、SJWの効果を認めなかったという報告もあります。)




さて、今回の研究では、

重症うつ病治療におけるセントジョーンズワートと三環系抗うつ薬との併用によるシナジーが検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

重症うつ病患者40名を対象に、

4群10名のグループに分けて、

6週間の介入試験が行われています。


・三環系抗うつ薬
(nortriptyline 75-100 mg daily, imipramine & amitriptyline 100-150 mg daily )

SJW
(providing 300μg total hypericin)
の併用群、


あるいは、

・三環系抗うつ薬

偽薬の併用群で比較が行われました。




解析結果、

両群とも一定の改善が認められ、

SJWとの併用投与群では、さらに顕著な改善が認められたということです。
(P = 0.04)




以上のデータから、

重症うつ病において、

SJWと三環系抗うつ薬の併用投与は、

三環系抗うつ薬の単独投与に比べて、

軽度から中等度の有意な改善効果が示唆されます。



なお、論文著者らは、

抗うつ薬では多くの副作用が認められることから、SJWのように副作用が少ないハーブ療法が期待されると考察し、


実際、本研究では、

SJW併用投与群において、睡眠の質の改善が認められたとしています。





うつ病に対する機能性食品・サプリメントの研究として、次のような報告があります。



DHAによる重症うつ病改善作用



うつ病に対するEPAの効果



抗うつ作用のあるサプリメントレビュー



セントジョーンズワートはSSRIと同等の抗うつ作用を示す



うつ病治療におけるセントジョーンズワートの費用対効果



うつ病へのビタミンDサプリメント投与



緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用




野菜と果物の摂取が多い高齢者はうつ病リスクが低い




若年女性における葉酸の抗うつ作用



うつ病ではビタミンDが低値



コーヒーの摂取が女性のうつ病リスクを抑制



ビタミンB群が脳卒中後のうつ病を予防





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