東日本大震災により被害を受けられた皆様に,心からお見舞いを申し上げます。
被災地の一日も早い復旧,復興を心よりお祈り申し上げます。
なお,私どもDHCによる支援活動は,
こちら
「東日本大震災 被災地への支援活動について」
からご確認いただけます。
がん緩和療法の専門ジャーナルに、バレリアンによる睡眠改善作用を検証した臨床研究が、米国のグループ(SourceMayo Clinic Rochester)から報告されていました。
(
J Support Oncol. 2011 Jan-Feb;9(1):24-31.)
睡眠障害(不眠症)は,一般に健康な人であっても認められる病態です。
不眠症に対するハーブサプリメントとして
バレリアン(学名Valeriana officinalis)が知られています。
短期間の投与でも睡眠障害改善作用が示されていますが、一般的には1ヶ月以上の投与によって「睡眠の質」が改善します。
つまり、睡眠薬(睡眠導入剤)のような効果というよりは、一定期間摂取することで効果が示されるハーブです。
がんサバイバー(がん生存者)では、23%〜61%が睡眠障害をうったえるという調査があります。
そこで、今回の研究では、がんサバイバーを対象に、バレリアンの効果が検証されました。
被験者は、
-バレリアン投与群:450mgを就寝1時間前に投与
-偽薬投与群
の2群に分けられ、8週間の介入試験が行われています。
主エンドポイントは、睡眠の質の評価指標(PSQI:ピッツバーグ睡眠質問票Pittsburgh Sleep Quality Index )のAUCです。
二次エンドポイントは、Functional Outcomes of Sleep Questionnaire, the Brief Fatigue Inventory (BFI), the Profile of Mood States (POMS)といった指標です。
2004年から2007年の間に、227名の患者が無作為に2群に分けられ、
投与前、4週後、8週後の時点で各指標が測定されました。
119名が主エンドポイントの解析対象となり、8週間のAUCは、
バレリアン群では51.4 (SD = 16)
偽薬群では49.7 (SD = 15)
となっています(有意差なし P value of 0.6957)。
一方、BFIやPOMSによる二次エンドポイントでは、疲労などの指標において、偽薬群に比べてバレリアン投与群における有意な改善が認められたということです。
有害事象に関しては、特に有意なものはありませんでした。
(アルカリフォスファターゼの上昇は、偽薬群のほうでやや多いという結果になっています。)
以上のデータから、PSQIによる評価では、バレリアンによるがんサバイバーでの有意な改善は示されませんでしたが、探査分析では疲労などの指標における改善が見出されたことになります。
がんサバイバーの睡眠障害に対する統合医療的アプローチでは、
バレリアンなどのハーブサプリメント、アロマセラピーなどさまざまなアプローチがあります。
心身医療によるストレス軽減や各種の瞑想法なども有用です。
(医薬品の場合には、長期投与の場合の副作用の他、コストも問題になります。)
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