生薬学の専門ジャーナルに、ホナガソウの葉抽出物による血糖降下作用を示した研究が報告されていました。
クマツヅラ科ホナガソウ(穂長草)属の多年草であるStachytarpheta cayennensisは、ペルーやナイジェリアといった地域の伝統医療において、その葉が糖尿病の治療に利用されてきました(和名はウスイロホナガソウ)。
今回報告された研究では、糖尿病モデルラットに対して、葉の熱水抽出物(125 mg/kg)あるいはメタノール抽出物(2000 mg/kg)が経口投与されました。
その結果、4時間後の血糖値が43%、53%それぞれ有意に低下したということです。
これは、グリベンクラミド(糖尿病治療薬)を5 mg/kgの用量で経口投与した際に相当する効果であるとされています。
培養細胞を用いた実験では、インスリン分泌促進作用が示されています。
日本ではなじみのない生薬ですが、糖尿病やメタボリック症候群の人が増えている今日、今後の研究成果が期待されます。
なお、このデータは基礎研究ですので、臨床的意義についてはさらに検討が必要です。
(ちなみに今回の研究は、ドイツとナイジェリアの大学の共同研究です。)
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