今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、ビーツ(ビートルート、てんさい)果汁の摂取による運動能への作用を検証した臨床研究が、ブラジルのグループ(Universidade Estadual de Maringa)から報告されていました。
(Appl Physiol Nutr Metab. 2018 Jul 9.)
ビーツ(ビート)には、ベタシアニンというポリフェノールが含まれており、抗酸化作用による機能性が示唆されます。
今回の研究では、
ビートジュースの摂取による10qランニングへの作用が検証されました。
具体的には、
二重盲検偽薬対照クロスオーバー試験として、
レクレーション・ランナーの男性14名(平均年齢27.8 ± 3.4歳)を対象に、
10kmランニングテストが、
試験開始時、ビート果汁摂取後、偽薬対照摂取後の3回、行われました。
実薬群は420mlのビート果汁飲料 (8.4 mmol NO3-/day)を3日間と、測定日当日は2時間前の投与、
対照群は、420mlの偽薬投与 (0.01 mmol NO3-/day)投与でした。
アウトカムとして、
平均速度(MV)、
最大心拍数(HRmax),
主観的最大運動強度 (RPEmax)
などが測定されています。
解析の結果、
10qの時間については、両群間で有意差は見出されませんでした。
(BRJ: 50.1 ± 5.3; PLA: 51.0 ± 5.1 min, p = 0.391)
また、平均速度も同程度でした。
(BRJ: 12.1 ± 1.3; PLA: 11.9 ± 1.2 km·h-1, p = 0.321)
一方、
最初の5qに要する時間は、
偽薬対照群に比べて、
ビート果汁摂取群において、有意に短くなっていました。
(P = 0.027)
以上のデータから、
レクレーションとしての10q走を行う男性ランナーにおいて、
ビーツ果汁摂取による運動能の向上作用が示唆されます。
DHCでは、ポリフェノールを含むサプリメントを製品化しています。
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DHCでは、大学との共同研究にて、
DHCのコエンザイムQ10投与によって、
運動負荷時の活性酸素による酸化障害の抑制作用を報告しています。
具体的には、
トレッドミルを用いた60分間の持久走の負荷に際して、運動前の1週間、DHCのコエンザイムQ10 およびビタミンC、ビタミンEを摂取した群では、摂取しなかった群に比べて、尿中8-OHdG値の上昇が抑制(=運動による酸化障害の発生が抑制)されたというデータです。
運動習慣を有する場合、
マルチビタミンや
マルチミネラルに加えて、
コエンザイムQ10、
αリポ酸、
ビタミンC(ハードカプセル)、
ビタミンBミックス
アミノ酸
を利用することが好ましいと考えられます。
コエンザイムQ10は、ATP産生作用や抗酸化作用を介して、さまざまな生活習慣病に効果が示されています。
健康な人や未病の状態では、1日あたり90mg〜110mg程度をベーシックサプリメントとして毎日摂取します。
一方、何らかの疾患があり、補完療法として用いる場合には、1日あたり100mg〜300mg程度の利用になります。
欧州の研究では、
がん患者にコエンザイムQ10を投与することで、生存率が向上したという報告もあります。
また、
臨床的には、がん患者では、放射線や化学療法といった治療あるいは終末期において、
がんに関連した倦怠感(Cancer Related Fatigue:. CRF)が高頻度に出現することが知られています。
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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