生薬学の専門ジャーナルに、乳がん治療薬の一つ・formestane(フォルスメタン)とブラック・コホシュの併用投与に関する基礎研究が報告されていました。
(Planta Med 2007; 73: 318-322)
formestaneはアロマターゼ阻害薬の1種で、tamoxifenの代替に用いられることがあります。
(アロマターゼ阻害薬は、閉経後乳がん治療薬として位置づけられています。)
ブラック・コホシュは、更年期障害などに対して利用されるハーブですが、女性ホルモンに対する影響が十分に解明されていないことから、乳がん治療薬との併用には慎重であるべきという考えが一般的です。
さて、今回の基礎研究では、formestaneとブラック・コホシュが、乳がんモデルラットに投与され、相互作用の有無が検討されています。
実験の結果、ブラック・コホシュとの併用投与によっても、formestaneの抗がん作用は阻害されないことが示されました。
このデータからは、抗がん作用が減弱するといったネガティブな相互作用については否定的です。
ただし、これは基礎研究ですので、今後、臨床研究による検証が必要と考えられます。
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