今月の肥満研究の専門誌に、減量に成功するのはダイエット法にかかわらず、その食事療法を遵守することであるというデータが、米国のグループから発表されていました。
(Int J Obes 2008;32(June):985-991)
食事療法の成功の鍵となるのが、それぞれのダイエット法・食事療法を厳守することです。
医学・栄養学的には効果的であるとされても、長期間、その食事療法を継続できない場合には治療効果が期待できません。
(もちろん、通常の食生活からかけ離れた、極端な内容の食事法であることは問題です。
継続を前提に、妥当性のある内容の食事が推奨されるべきです。)
しかし、ダイエット法・食事療法を厳守することと、減量の成功率との関係を検証した研究は少ないのが現状です。
そこで、今回の研究では、1年間のランダム化比較試験に参加した肥満女性181名(平均年齢43歳、BMI 31)を対象に、各自に割り当てられた食事療法と実際の食事との比較を行い、減量の成功率との関係が検討されました。
被験者は、A TO Zスタディとして、アトキンスAtkins、ゾーンZone、オーニッシュOrnishのいずれかをダイエット法に関する1年間の臨床試験に参加した人々です。
(A TO Z スタディについては以前にブログで紹介しています。)
各ダイエット法について、最も遵守したグループと、逆に遵守できなかったグループを比較検討した結果、アトキンス、ゾーン、オーニッシュのいずれにおいても、12ヶ月間の体重の変化と遵守の程度に相関が認められたということです。
ちなみに、体重の変化は、下記のようになっています。(遵守 vs. 非遵守)
アトキンス:- 8.3 ± 5.6 kg vs - 1.9 ± 5.8 kg, P=0.0006
ゾーン:- 3.7 ± 6.3 kg vs - 0.4 ± 6.8 kg, P=0.12
オーニッシュ:- 6.5 ± 6.8 kg vs - 1.7 ± 7.9 kg, P=0.06
医学研究では、アトキンス(超低炭水化物/高タンパク/高脂肪)、ゾーン(低炭水化物)、オーニッシュ(低脂肪)のいずれが有効か、といった検証が行われてきました。
今回の研究データから、いずれのダイエット法であっても、きちんと遵守することが減量成功の秘訣、という結論になります。
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