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レッドクローバーイソフラボンによる脂質代謝改善作用:メタ解析 [2020年01月10日(金)] |
更年期研究の専門ジャーナルに、レッドクローバーイソフラボンによる脂質代謝改善作用を示した系統的レビュー/メタ解析が、ポーランドのグループから報告されていました。
(Maturitas. 2020 Feb;132:7-16)
大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。
また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。
今回の系統的レビュー/メタ解析では、
閉経期および閉経後の女性において、
レッドクローバー(Trifolium pratense)標準抽出物による脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(Medline (PubMed), EMBASE, and Cochrane Library)
2017年までの収載論文から関連論文が検索され、
10報から910名の閉経期および閉経後の女性が系統的レビュー/メタ解析の対象となりました。
解析の結果、
総コレステロール値の有意な低下、
-0.29(95%CI:-0.53〜-0.06)mmol / L [-11.21(95%CI:-20.49〜-13.92)mg / dL]、p = 0.0136;
LDL-コレステロール値の低下傾向、
-0.13(95%CI:-0.35〜0.09)mmol / L [-5.02(95%CI:-13.53〜3.48)mg / dL]、p = 0.2418;
トリグリセリドの低下傾向、
-0.15(95%CI:-0.32〜0.01)mmol / L [-13.28(95%CI:-28.34〜0.88)mg / dL]、p = 0.0592;
HDLコレステロールの増加傾向、
0.14(95%CI:-0.08〜0.36)mmol / L [5.41(95%CI:-3.09-13.92)mg / dL]、p = 0.2103
が見出されました。
以上、今回の系統的レビュー/メタ解析から、
閉経期/閉経後の女性において、
レッドクローバー由来イソフラボンによる脂質代謝改善作用が示唆されます。
大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。
また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。
最近の研究として、次の報告が知られています。
大豆の摂取が死亡率を低下:33万人分のメタ解析データ
大豆イソフラボンによる大腸がんリスク低下:メタ解析
大豆イソフラボンによる認知機能改善効果@メタ解析
イソフラボンによる前立腺がんリスク低下作用@日本人男性
大豆の摂取が多いと乳がんリスクが低下@日本人女性
大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ
納豆の摂取が心臓病を予防する:高山スタディ
DHCでは、 大豆イソフラボン、 プエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの 複合サプリメントなどを製品化しています。
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日光浴でビタミンD不足が改善できると思いますか?
グルコサミンの風評被害by整形外科医
DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果
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ブドウ製品による脂質代謝改善:系統的レビュー/メタ解析 [2019年10月02日(水)] |
食品機能研究の専門ジャーナル(電子版)に、ブドウ製品の摂取と、脂質代謝指標との関連を検証したメタ解析が、イランとイギリスのグループから報告されていました。
(Food Funct. 2019 Sep 13)
ブドウ(ぶどう)の皮や種子には、ポリフェノールが含まれており、抗酸化作用を介した動脈硬化予防、生活習慣病の予防効果が示唆されています。
(赤ワインのフレンチパラドックスがよく知られています。)
さて、今回の系統的レビュー/メタ解析では、
成人において、
ブドウ製品の摂取による脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
ブドウ製品の摂取と、脂質代謝指標を調べたランダム化比較試験が検索され、
48報のRCTから、
59群が解析の対象となりました。
メタ解析の結果、
ブドウ製品の摂取により、
総コレステロール値の有意な低下、
(MD: -6.196 mg dl-1, 95% CI: -9.203, -3.189)
LDLコレステロール値の有意な低下、
(MD: -4.964 mg dl-1, 95% CI: -7.594, -2.334)
中性脂肪値の有意な低下、
(MD: -7.641 mg dl-1, 95% CI: -12.120, -3.162)
が見出されました。
なお、HDL値では有意な変化は検出されませんでした。
(MD: 0.385 mg dl-1, 95% CI: -0.364, 1.133)
ブドウ製品の摂取によるHDLおよびLDLコレステロール値への作用は、
ポリフェノール含量に依存的でした。
以上、今回のメタ解析から、
ブドウ製品の摂取による脂質代謝改善作用が示唆されます。
植物性食品に含まれるポリフェノールは、抗炎症作用や抗酸化作用を有しており、
健康増進作用や生活習慣病のリスク低減効果が示唆されています。
(ポリフェノールはフェノールを有する構造の物質なので、ファイトケミカル類という表現が、より広くカバーします。具体的には、カロテノイド類、フラボノイド類など数千種類以上になります。)
関連した研究として、次の報告があります。
クランベリーポリフェノールによる血管機能の改善効果
DHCでは、ポリフェノール含有サプリメントを製品化しています。
ポリフェノール 30日分
4種類のポリフェノールを手軽に補給
リンゴポリフェノール 30日分
りんごの未熟果より抽出した若々しさあふれるポリフェノール!
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果
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L-カルニチンによる脂質異常症改善:系統的レビュー/メタ解析 [2019年09月10日(火)] |
薬理学研究の専門ジャーナル(電子版)に、L-カルニチンによる脂質異常症に対する作用を検証したメタ解析が報告されていました。
(Curr Pharm Des. 2019 Aug 30.)
カルニチンは、アミノ酸誘導体で、食肉(ラム肉)や乳製品に豊富に存在します。
カルニチン(L-カルニチン)は、脂肪の代謝に必要な機能性成分です。
(長鎖脂肪酸は、L-カルニチンと結合することでミトコンドリアに入ります。)
L-カルニチンに関する研究では、中性脂肪やVLDLコレステロールの低下作用、肝臓での脂肪蓄積の抑制、運動能向上作用、肥満での減量など、多彩な働きが示されています。
例えば、
カルニチンによる運動耐用能の亢進@アスリート
という研究も知られています。
また、特定の病態において、治療と併用されることもあります。
例えば、腎疾患患者の血球減少症に対する効果、糖尿病患者での代謝の改善、慢性疲労症候群患者の症状改善、C型肝炎のインターフェロン療法の補助療法などが報告されています。
特に、腎不全によって慢性維持透析を受けている病態では、カルニチン欠乏による障害が知られており、L-カルニチンの摂取が推奨されます。
さて、
今回の系統的レビュー/メタ解析では、
L-カルニチン投与による脂質異常症への作用が調べられました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(MEDLINE, EMBASE, Cochrane Library, Web of Science)
2019年2月までに収載されたランダム化比較試験を対象に検索が行われ、
43試験がメタ解析の対象となりました。
解析の結果、
L-カルニチン投与により、
中性脂肪値の有意な低下、
(WMD: -4.08; 95% CI: -7.59, -0.58)
総コレステロール値の有意な低下、
(WMD: -7.75; 95% CI: -11.23, -4.28)
LDLコレステロール値の有意な低下
(WMD: -4.67; 95% CI: -7.03, -2.30)
および、
HDLコレステロール値の有意な上昇
(WMD: 1.01; 95% CI: 0.28, 1.74)
が見出されました。
なお、VLDLコレステロール値には有意な変化は検出されませんでした。
以上、今回の系統的レビュー/メタ解析では、
L-カルニチン投与による脂質異常症改善作用が示唆されます。
今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待される分野です。
ミトコンドリア機能不全に対するサプリメントとしては、
コエンザイムQ10、αリポ酸、L-カルニチンの3種類があります。
α(アルファ)-リポ酸 徳用90日分
太りやすくなったと感じたら。運動サポート成分補給で効率アップ
αリポ酸、
カルニチン 30日分
エネルギー作りに欠かせないアミノ酸
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、 酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、 還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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高麗人参(朝鮮人参)による脂質代謝改善作用:メタ解析 [2019年07月19日(金)] |
今月の生薬学の専門ジャーナル(電子版)に、高麗人参(朝鮮人参)による脂質代謝改善作用を示したメタ解析が、スペインのグループ(University of Lleida)から報告されていました。
(J Ethnopharmacol. 2019 Jul 14:112090.)
高麗人参(朝鮮人参)は、ウコギ科ニンジン属の生薬であり、中国伝統医学の処方や和漢薬として利用されてきました。
『日本薬局方』には、効能として虚弱体質の改善や肉体疲労の回復、病中病後の体力回復があげられています。
基礎研究では、抗酸化作用、抗ウイルス作用、抗ストレス作用、抗糖尿病作用、抗がん作用、循環改善作用などが示されてきました。
予備的な臨床研究では、認知機能の改善、心血管疾患の予防および改善、狭心症治療、脂質異常症改善、血糖コントロール改善、がん患者のQOL改善、勃起障害改善、運動耐用能改善などが示唆されています。
例えば、
2型糖尿病に対する朝鮮人参の有用性:メタ解析
という研究があります。
さて、今回のメタ解析では、
高麗人参(Panax ginseng)による脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、関連論文が検索され、
18報がメタ解析の対象となりました。
内訳は、
10報が、メタボリック症候群の項目の1つ以上満たす被験者、
3報が閉経後の女性、
2報が健常者、
3報はそれ以外の対象でした。
用量は、
0.2-20g/日
(中央値は3g/日, 95% CI 1.7, 5.8)
投与期間は、2週間から12週間、
(中央値は8週間、95% CI 6, 9)
でした。
有効成分としてのジンセノサイドは、
Rb1 とRg1が示されています。
(含有量; Rb1 0.023-6.44 mg/g、Rg1 0.028-3.21 mg/g)
解析の結果、
7報において、血液検査指標の有意な変化が見出されており、
5報では、
総コレステロール値の有意な減少、
4報では、
LDLコレステロール値の有意な減少、
2報では、
中性脂肪値の有意な減少が見出されました。
メタボリック症候群の綱目を満たす被験者での10報を対象にしたメタ解析の結果、
偽薬群に比べて、
高麗人参(朝鮮人参)投与群では、
総コレステロール値が
2.30 mg/dL (95% CI -3.79,-0.80)低下、
LDLコレステロール値が
1.47 mg/dL (95% CI -1.90,-1.05)低下、
していました。
なお、
HDLコレステロールと中性脂肪値では、
有意な変化は検出されませんでした。
以上、今回のメタ解析では、
高麗人参(朝鮮人参)によるメタボリック症候群での脂質代謝改善作用が示唆されます。
一般に、
高麗人参・朝鮮人参は、生体のホメオスターシスを保つ方向に作用することで、体質によっては、内分泌代謝改善作用が数値として認められると考えられます。
DHCでは、下記の製品を取り扱っています。
高麗人参 30日分
6年根の高麗人参に精製エキスを配合! バイタリティあふれる毎日に
通常価格
\1,270(税込\1,371)
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
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オメガ3系必須脂肪酸が小児肥満での中性脂肪値を改善する [2019年07月07日(日)] |
今日は七夕です。
DHCと健康づくり推進のための連携協定を締結している神奈川県平塚市では、
湘南ひらつか七夕まつりが、開催されました。
DHCは、織り姫のお披露目会でのメークを担当しました。
ひらつかはぐくみ葉酸プロジェクトなどの取り組みで連携しています。
さて、本日の私的なお勉強日記です。
今月の小児内分泌学の専門ジャーナル(電子版)に、オメガ3系必須脂肪酸による小児肥満での脂質代謝への作用を検証した臨床研究が、メキシコのグループから報告されていました
(J Pediatr Endocrinol Metab. 2019 Jul 4.)
先行研究により、
オメガ3系必須脂肪酸(EPA/DHA)による中性脂肪値・トリグリセリド血症の低下作用が示されています。
今回の研究では、
小児肥満において、
オメガ3系必須脂肪酸による脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
10歳から16歳までの小児肥満で、かつ、中性脂肪値が150から1,000mg/dLの被験者を、
・オメガ3系必須脂肪酸(EPA+DHA)投与群:65名、
・偽薬投与群:65名の2群について、12週間の介入が行われ、
空腹時トリグリセリド(中性脂肪)値が測定されました。
解析の結果、
12週間の介入後の時点で、
中性脂肪値は、
オメガ3系必須脂肪酸投与群で、39.1%低下、
偽薬投与群で、14.6%低下しました。
(p < 0.01)
また、
消化器系の有害事象(鼓腸やげっぷなど)は、実薬群で41.2%、偽薬群で6.2%でした。
(p < 0.01)
なお、重篤な有害事象は認められませんでした。
以上のデータから、
小児肥満において、
1日あたり3グラムのオメガ3系必須脂肪酸により中性脂肪値の低下作用が示唆されます。
DHCでは、オメガ3系必須脂肪酸サプリメントを製品化しています。
EPA、
(EPA 30日分 \950(税込\1,026))
DHA、
(DHA 30日分 \1,191(税込\1,286))
DHCでは、
肥満・糖尿病・アンチエイジング・ヘルシーエイジング(健康長寿)のための食事として、
「‘ゆるやか’糖質制限」(緩やかな糖質制限食・低炭水化物食)を推奨しています。
最新の科学的根拠を俯瞰すると、
「緩やかな糖質制限食・低炭水化物食」を基本とした食生活が、
「ヘルシーエイジング(健康長寿)」
「ダイエット(適正体重の維持)」
「アンチエイジング(抗加齢)」
に有用であると考えられます。
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
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植物ステロールによる脂質代謝改善・動脈硬化抑制:メタ解析 [2019年05月15日(水)] |
今月の栄養学の専門ジャーナルに、植物ステロールによる脂質代謝改善と抗動脈硬化作用を示したメタ解析が、イランとイギリスのグループから報告されていました。
(J Am Coll Nutr. 2019 May 10:1-11.)
植物ステロールと植物スタノールは、脂質代謝改善作用を有しています。
植物ステロール/スタノールは、小腸でのコレステロール吸収を抑制し、脂質異常症の改善効果を示す成分です。
これに対して、 濃縮紅麹は、肝臓でのLDLコレステロールの合成を抑制することで、LDLコレステロールを下げ、
植物ステロールは、食事に含まれるコレステロールの吸収を抑制することで、LDLコレステロール作用を示します。
さて、
今回のメタ解析では、
成人において、
植物ステロール/植物スタノール(PS)サプリメントによる抗動脈硬化作用・アポリポプロテイン(Apo)値への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(PubMed, Web of Science, Cochrane Library, Scopus)
2018年9月までの収載論文から関連するランダム化比較試験(RCT)が検索され、
37報のRCT、
51群のデータがメタ解析の対象となりました。
解析の結果、
PSのサプリメントおよび強化食品により、
Apo-AIの有意な上昇、
(WMD: 0.014 mg/dl, 95% CI: 0.001, 0.028, p = 0.042)
Apo-CII の有意な上昇、
(WMD: 0.303 mg/dl, 95% CI: 0.084, 0.523, p = 0.007)
および
Apo-Bの有意な低下、
(WMD: -0.063 mg/dl, 95% CI: -0.075, -0.051, p < 0.001)
Apo-B/Apo-A-I比の有意な低下、
(WMD: -0.044 mg/dl, 95% CI: -0.062, -0.025, p < 0.001),
Apo-Eの有意な低下、
(WMD: -0.255 mg/dl, 95% CI: -0.474, -0.036, p = 0.023)
が認められました。
なお、
PS投与は、
Apo-AIIとApo-CIIIでは有意な変化は検出されませんでした。
また、
PSのサプリメントあるいは強化食品の摂取では、
PSの用量に基づいて、
Apo-Eの有意な変化
(r = -0.137, p nonlinearity = 0.006)
および
Apo-CIIIの有意な変化が認められ、
(r = 1.26, p nonlinearity = 0.028)
Apo-CIII
(r = 3.34, p nonlinearity = 0.013)
と
Apo-CII
(r = 1.09, p nonlinearity = 0.017)
では、投与期間に基づいた有意な変化が認められました。
以上、メタ解析のデータから、
植物ステロール/植物スタノールの投与によって、
動脈硬化を惹起するアポリポプロテイン(Apo-B and Apo-E)が低下し、
動脈硬化を抑制するアポリポプロテイン(Apo-AI, Apo-CII)が上昇することで、
アポリポプロテインの組成が改善し、動脈硬化抑制作用を示すと考えられます。
先行研究では、
植物ステロールによるLDLコレステロール低下作用:メタ解析
植物ステロールによる超悪玉コレステロール低下作用
植物ステロールによるLDLコレステロール低下作用:レビュー
植物ステロールによる高コレステロール血症改善効果
という報告もあります。
DHCでは下記のサプリメントを製品化しています。
健康ステロール 30日分
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DHCフクイゲン<血清高コレステロール改善薬>[第3類医薬品]
血中の高コレステロール改善に
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『天然葉酸』サプリメントは虚偽の表示
ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果
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プロバイオティクスが肥満者の脂質代謝を改善する:メタ解析 [2019年03月17日(日)] |
今月の機能性食品研究の専門ジャーナル(電子版)に、肥満者において、プロバイオティクスによる脂質代謝への作用を検証したメタ解析が報告されていました。
(Food Funct. 2019 Mar 12.)
先行研究では、
プロバイオティクス・シンバイオティクスによる肥満者での減量効果が示唆されてきました。
肥満者と痩せの人では、腸内細菌叢に相違があることが明らかになっています。
肥満者の腸内細菌叢では、短鎖脂肪酸を産生する菌が少ないため、短鎖脂肪酸のもつ単分泌代謝系への作用や消化管ホルモンへの作用が低下することが、肥満という表現型を生じていると考えられています。
したがって、
ヒトの肥満者に対して、プロバイオティクスの投与による腸内細菌叢への介入が、減量に有用であると思われます。
腸内環境を整える減量方法:メタ解析
さて、
今回のメタ解析では、
肥満・過体重の被験者において、
プロバイオティクスによる脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には、
プロバイオティクス投与群、
対照群(非投与群)を比較した
ランダム化比較試験において、
脂質代謝関連指標を調べた試験が検索され、
12報の、767名(プロバイオティクス投与群391名、対照群376名)がメタ解析の対象となりました。
解析の結果、
対照群に比べて、
プロバイオティクス投与によって、
総コレステロール値とLDLコレステロール値の有意な減少が認められました。
(TC level −3.04 (−4.88, −1.21) mgdL−1)
(LDL level −2.28 (−3.60, −0.96) mg dL−1)
なお、
HDLコレステロール値、中性脂肪値では有意差は見出されませんでした。
(HDL level −0.26 (−2.39, 1.87) mg dL−1)
(TG level −0.86 (−2.54, 0.83) mg dL−1)
以上のデータから、
肥満及び過体重において、
プロバイオティクス投与による脂質代謝改善作用が示唆されます。
乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスは、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスを改善し、免疫調節作用や生活習慣病予防効果を示します。
乳酸菌は、ベーシックなサプリメントとして利用が推奨されます。
様々な乳酸菌が製品化されていますので、自分にあった菌種を選ぶことが大切です。
具体的には、1ヶ月ほど試してみて、整腸作用も含めて体調をみるようにします。
(整腸作用は、乳酸菌の摂取後数日間の間に変化を感じると思います。もし、軟便あるいは下痢傾向になってしまうのであれば、他の菌種に変更します。
また、1-3ヶ月から数ヶ月間のサイクルで菌種をローテーションしてもいいでしょうし、複数の種類を同時にとることも大丈夫です。
ヨーグルトなどの発酵食品でもいいのですが、数百グラムを毎日食べるのは大変ですし、
確実に乳酸菌を摂るには、サプリメントの利用が手軽で続けやすいと思います。
プロバイオティクスは、様々な有用性が示されています。
最近の研究では、次の報告があります。
プロバイオティクスによる脂質異常症改善効果:メタ解析
プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の予防効果:メタ解析
プロバイオティクス摂取による脂質代謝改善作用:メタ解析
腸内環境を整える減量方法:メタ解析
DHCでは、プロバイオティクスとして、
ビフィズス菌+オリゴ糖
生菌ケフィア
複合サプリメント(グッドスルー)
乳酸菌EC-12 30日分
5,000億個以上の乳酸菌で好調環境キープと元気な毎日を!
などを製品化しています。
また、プレバイオティクスとしては、
血糖ファイバー 30日分【機能性表示食品】
≪臨床試験済≫食後の血糖値が気になる方に。食後血糖のピーク値を抑える!
があります。
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
ビタミンMが認知症と脳卒中を防ぐ!―日本人が知らない健康長寿のための葉酸の効果
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マリアアザミ(シリマリン)による内分泌代謝指標への作用:メタ解析 [2018年12月01日(土)] |
今月の補完代替医療の専門ジャーナルに、2型糖尿病患者において、マリアアザミ(シリマリン)による内分泌代謝指標への作用を調べたメタ解析が、イランとイギリスのグループから報告されていました。
(Complement Ther Med. 2018 Dec;41:311-319.)
マリアアザミ(英名Milk thistleミルク・シスル,学名 Silybum marianum)では、種子の抽出物に含まれるシリマリンsilymarinによる肝臓保護作用を示した研究が知られており、 肝臓対策のハーブサプリメントとして広く利用されています。
マリアアザミの有効成分は、抗酸化作用、抗炎症作用、繊維化抑制作用を有し、肝細胞の再生を促進するという研究が報告されています。
今回のメタ解析では、
シリマリン含有サプリメントによる2型糖尿病での内分泌代謝および抗酸化関連指標への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(PubMed, Scopus, Ovid (Cochrane library), Google scholar and ISI web of science)
2018年5月15日までの収載論文から、
2型糖尿病に対するシリマリンサプリメント投与のランダム化比較試験が検索され、
7試験の8報がメタ解析の対象となりました。
解析の結果、
シリマリンサプリメント投与によって、
空腹時血糖値の有意な低下、
HbA1cの有意な低下、
インスリン値。LDLコレステロール値の有意な低下、
MDAの低下、
HDLコレステロール値の増加が認められたということです。
なお、
総コレステロール値と中性脂肪値には有意な影響は示しませんでした。
以上のメタ解析から、
マリアアザミのシリマリンサプリメント投与による2型糖尿病患者での内分泌代謝への好影響が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
欧米のハーブ療法で肝臓対策のエビデンスがあるのは マリアアザミになります。
また、最近、利用されるようになった肝臓対策成分として、
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先行研究では、次の結果が示されています。
コエンザイムQ10による非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)での抗炎症作用
レスベラトロールによる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)改善作用
レスベラトロールによる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)でのインスリン抵抗性改善作用
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
グルコサミンの風評被害by整形外科医
サプリメントがファーストラインとなる病態:レビュー
研究と利害の衝突@抗インフルエンザウイルス剤
研究と利害の衝突についてのルール作成
コクランの妥当性
はじめまして、DHC健康食品です
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ピクノジェノールによる脂質代謝改善作用:メタ解析 [2018年11月28日(水)] |
今月のハーブ研究の専門ジャーナル(電子版)に、ピクノジェノールによる脂質代謝改善作用を示したメタ解析が、イランとベルギーのグループから報告されていました。
(Phytother Res. 2018 Nov 19.)
ピクノジェノールは、フランス海岸松に由来する機能性食品素材で、フラボノイド類が主成分です。
フラボノイド類による抗炎症作用や抗酸化作用を介した効果が示されており、生活習慣病の予防や改善作用から、アンチエイジング医学まで、広く利用されています。
今回の研究では、
ピクノジェノールによる脂質代謝への作用を検証した臨床試験を用いて、系統的レビュー/メタ解析が行われました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、2018年3月までの収載論文が検索され、
14報の臨床試験から、
1,065名のデータが対象となりました。
解析の結果、
HDLコレステロール値の有意な増加が見出されました。
(HDL-C; 3.27 mg/dL; 95% CI [0.19, 6.36]; p = 0.038)
一方、
総コレステロール値の低下傾向
(TC; -4.45 mg/dL, 95% CI [-11.24, 2.34]; p = 0.199),
トリグリセリド値の低下傾向、
(TAG; -3.64 mg/dL; 95% CI [-17.89, 10.61]; p = 0.616),
LDLコレステロール値の低下傾向
(LDL-C; -3.61 mg/dl; 95% CI [-8.76, 1.55]; p = 0.171)
も示唆されました。
ただし、これらの研究では、交絡因子の補正が十分ではなく、食事からの脂質の摂取の評価も十分ではないという限界もありました。
以上のデータから、
ピクノジェノールによるHDLコレステロール改善作用が示唆されます。
なお、総コレステロールやLDL、TGに対する作用は臨床的意義はないと考察されています。
ピクノジェノールは、抗炎症作用や抗酸化作用を介して、生活習慣病の予防や改善に有用と考えられます。
ピクノジェノールによる高血圧改善作用:メタ解析
DHCでは、安全性・有効性・経済性(費用対効果)に優れた
ピクノジェノール
を製品化しています。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、 紅麹です。
DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。
(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、 コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、 酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、 還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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サプリメントがファーストラインとなる病態:レビュー
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紅麹+コエンザイムQ10サプリメントによる高血圧と脂質異常症改善効果 [2018年10月04日(木)] |
薬理学の専門ジャーナルに、メタボリック症候群において、紅麹+コエンザイムQ10含有サプリメントによる血圧と脂質代謝への作用を検証した臨床研究が、イタリアのグループ(Santa Maria della Misericordia Hospital)から報告されていました。
(Biomed Pharmacother. 2018 Sep;105:992-996.)
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、さまざまな生活習慣病を生じる病態であり、改善が必要です。
今回の研究では、
紅麹+コエンザイムQ10含有サプリメントによるメタボリック症候群に対する有用性が検証されました。
具体的には、
心血管イベントを有していない、
メタボリック症候群患者104名(平均年齢57.4 ± 8.8歳, 男性51%)を対象に、
・介入群:食事療法+サプリメント(紅麹+コエンザイムQ10)投与群:52名、
・対照群:食事療法のみの施行群:52名、
の2群について、2カ月間の介入が行われ、
脂質代謝指標や血圧が調べられました。
解析の結果、
まず、
(両群とも食事療法が行われており、)
両群において、介入前に比べて、
2カ月間の介入後に、血圧、総コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロール、血糖値の有意な低下が認められました。
両群の比較では、
対照群に比べて、
紅麹+コエンザイムQ10含有サプリメント投与群において、
より顕著な収縮期血圧の低下、
(-5.2 vs. -3.0 mmHg)
拡張期血圧の低下、
(-4.9 vs. 2.9 mmHg)
総コレステロール値の低下、
(-17.2%)
LDLコレステロール値の低下、
(-21.8%)
中性脂肪値の低下、
(-16.0%)
血糖値の低下 (-3.4%)
が見出されたということです。
(p < 0.001 for all)
なお、
HDLには、有意差は検出されませんでした。
(p = N.S.)
また、有用性に関して性差は認められませんでした。
以上のデータから、
メタボリック症候群において、
紅麹+コエンザイムQ10含有サプリメントによる脂質代謝及び糖代謝、血圧の改善作用が示唆されます。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、 紅麹です。
DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。
(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、 コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、 酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、 還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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レッドクローバーが閉経後の女性の脂質異常症(高脂血症)を改善する:メタ解析 [2018年10月03日(水)] |
今月の婦人科学の専門ジャーナルに、閉経後の女性において、レッドクローバー由来イソフラボンによる脂質異常症(高脂血症)への改善作用を示したメタ解析が、ポルトガルのグループ(Universidade da Beira Interior)から報告されていました。
(Climacteric. 2018 Oct;21(5):446-453.)
大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。
今回の研究では、
閉経前後および閉経後の女性において、
レッドクローバー投与による脂質異常症(高脂血症)への有用性が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(PubMed, Web of Science, Scopus, SciELO, and Cochrane Library)
2017年11月の時点で収載された論文から、
閉経前後および閉経後の女性を対象に、レッドクローバー含有サプリメントを投与したランダム化比較試験が検索され、
12報のRCTが対象となりました。
合計1284名の閉経前後あるいは閉経後の女性に、
レッドクローバー由来イソフラボンを4週間から18か月間投与されています。
解析の結果、
総コレステロール値の有意な低下、
(WMD = -12.34 mg/dl; 95% CI: -18.21, -6.48)
LDLコレステロール値の有意な低下、
(WMD = -10.61 mg/dl; 95% CI: -15.51, -5.72)
中性脂肪値の有意な低下、
(WMD = -10.18 mg/dl; 95% CI: -16.23, -4.13)
HDLコレステロール値の有意な上昇
(WMD = 1.60 mg/dl; 95% CI: 0.17, 3.03)
が認められたということです。
以上のデータから、
閉経前後及び閉経後の女性において、
レッドクローバー由来イソフラボン含有サプリメントによる脂質異常症(高脂血症)改善作用が示唆されます。
DHCでは、 大豆イソフラボン、 プエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの 複合サプリメントなどを製品化しています。
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2つのヘルシー素材がこれ1本!イメージをくつがえすおいしさです!
エクオールとは、腸内細菌により、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインから産生されます。
エクオールは、イソフラボンよりも高い生物活性を有しており、
更年期障害の改善、閉経後の骨粗鬆症予防、心血管疾患の予防作用が示唆されています。
ただし、
エクオールの体内産生には、腸内細菌叢が関与するため、エクオールを産生できる人とそうではない人がいることがわかっています。
日本人でエクオールが産生できるのは、50-60%程度です。
また、食習慣の変化により、若年者では、エクオール産生者の割合が減少しており、
日本人の若年女性では、20-30%の人しか、エクオールを産生できていないと報告されています。
エクオール産生者は、非産生者に比べて、大豆イソフラボンの機能性/健康増進効果や未病対策効果を得られると考えられます。
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スタチン剤とイチョウ葉エキスの併用が脂質異常症を改善する:メタ解析 [2018年07月24日(火)] |
薬理学の専門ジャーナルに、脂質異常症の治療薬であるスタチン剤と、イチョウ葉エキスとの併用によるシナジーを検証したメタ解析が、中国のグループ(Jiangsu University)から報告されていました。
(Front Pharmacol. 2018 Jun 22;9:659.)
イチョウ葉エキスは、抗酸化作用や血小板凝集抑制作用、循環改善作用を有し、認知症の予防や閉塞性硬化症の改善に用いられるハーブサプリメントです。
イチョウ葉エキスには、特有のフラボノイド系ファイトケミカルが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用、血小板凝集作用などを介して、効果を発揮します。
これまでに多くの臨床研究が行われており、認知症などに対して有効性と安全性が示されています。
( イチョウ葉エキスによる認知症改善効果@ドイツ)
( イチョウ葉エキスの有効性と安全性)
( イチョウ葉エキス20年間摂取による認知機能低下抑制作用)
( イチョウ葉エキスと認知症治療薬のシナジー)
イチョウ葉エキスは、中国では、脂質異常症の治療薬との併用がよく行われているとのことです。
そこで、
今回のメタ解析では、
脂質異常症患者において、スタチン剤とイチョウ葉エキスの併用による働きが検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(PubMed, EMBASE, Cochrane Library, China National Knowledge Infrastructure, VIP, and Wanfang database)
2017年10月までの収載論文を対象に、
脂質異常症患者において、
スタチン剤単独投与群と、
イチョウ葉エキス+スタチン剤の併用投与群との比較を行ったランダム化試験が検索され、
8報のRCTから、664名のデータが解析の対象になりました。
解析の結果、
スタチン剤の単独投与に比べて、
スタチン剤に、イチョウ葉エキスを併用投与した群のほうが、
中性脂肪値の有意な低下
(MD -0.32 mmol/L; 95%CI -0.43 to -0.20)
総コレステロール値の有意な低下、
(MD -0.61 mmol/L; 95% CI -0.90 to -0.33)
LDLコレステロール値の有意な低下
(MD -0.32 mmol/L; 95% CI -0.48 to -0.16)
HDLコレステロール値の有意な増加
(MD 0.26 mmol/L; 95% CI 0.15 to 0.37)
が見出されました。
サブ解析では、
イチョウ葉エキスと、シンバスタチンとの併用のほうが、
アトルバスタチンとの併用よりも、
より顕著な中性脂肪値の低下、総コレステロール値の低下、LDL値の低下が見出されたということです。
以上、今回のメタ解析では、
脂質異常症患者において、
スタチン剤に、イチョウ葉エキス併用による脂質代謝の改善作用のシナジーが示唆されます。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、 紅麹です。
DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。
(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、 コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、 酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、 還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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紅麹などの機能性食品成分がLDLコレステロールを5-25%低下させる:ポジションペーパー [2018年06月13日(水)] |
薬理学研究の専門ジャーナル(電子版)に、機能性食品成分による脂質代謝改善作用についてのポジションペーパーが、イタリアの医学系の合同グループから報告されていました。
(Pharmacol Res. 2018 May 30.)
脂質異常症や高コレステロール血症は、心血管疾患のリスクとなることから、食事の見直しに加えて、医薬品の処方やサプリメント・健康食品の利用も行われています。
今回のレビューは、
イタリアの医学薬学および栄養学の学術団体の協働によるポジションペーパーとして、
機能性食品成分によるLDLコレステロール低下作用が検証されました。
具体的には、
LDLコレステロール低下を目的として、
欧州で広く利用されている機能性食品成分として、
植物ステロール、植物スタノール、紅麹(モナコリンK)、ベルベリン、βグルカンの作用が調べられています。
解析の結果、
ポジションペーパーでは、
LDLコレステロール対策のこれらの機能性食品成分は、
単独あるいは組み合わせにより、LDLコレステロール値を5〜25%低下させる作用がある、
と結論付けられました。
また、これらの機能性食品成分は、
心血管疾患の絶対リスクが低い若年者がよい適応になる、とされています。
その他、
これらの成分は、サプリメントであり、自由に購入できるが、
かかりつけ医と患者のコンコーダンスによりシェアされるべきであると考察されています。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、 紅麹です。
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
紅麹はレベルAの推奨:国際脂質エクスパートパネル声明文
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、 コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、 酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、 還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
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サプリメントと医薬品の相互作用ハンドブック―機能性食品の適正使用情報
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抗精神病薬による脂質異常症を紅麹が改善する [2018年04月07日(土)] |
今月の補完療法の専門ジャーナルに、第二世代抗精神病薬の副作用である脂質異常症に対して、紅麹含有サプリメントの有用性を示した臨床研究が、イタリアのグループ(University of Messina)から報告されていました。
(Complement Ther Med. 2018 Apr;37:167-171.)
第二世代抗精神病薬(second-generation antipsychotics:SGA)は、体重や内分泌代謝指標に対してネガティブな影響を与え、メタボリック症候群のリスクを高めるという副作用があります。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、 紅麹です。
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
今回の研究では、
第二世代抗精神病薬(SGA)の副作用として生じる脂質異常症に対して、紅麹含有サプリメントの有用性が検証されました。
具体的には、
SGAを処方中の外来患者15名を対象に、
紅麹(1日あたり200mg、モナコリンKの総量は11.88 mg)が30日間投与され、
脂質代謝関連指標が調べられています。
解析の結果、
紅麹サプリメント投与によって、
LDLコレステロールの有意な低下が認められたということです。
(開始前より11.0%の低下、p = 0.029)
なお、その他の内分泌代謝関連指標では、有意な変化は示されませんでした。
以上のデータから、
第二世代抗精神病薬(SGA)の副作用である脂質異常症(高LDLコレステロール血症)に対して、
紅麹(モナコリンK総量11.88mg)によるコレステロール低下作用が示唆されます。
最近では、下記の報告もあります。
紅麹はレベルAの推奨:国際脂質エクスパートパネル声明文
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、 コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、 酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、 還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。
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キトサンによる脂質異常症改善効果:メタ解析 [2018年02月20日(火)] |
今日は、日帰りで仙台に行ってきました。
思ったほど寒くなく、いいお天気でしたが、路上には雪が残っていました。
積雪のある地域では、高齢女性での転倒・骨折のリスク、要介護・要支援リスク対策として、
カルシウムマグネシウムサプリメント、ビタミンD、ビタミンKの補充が重要と感じました。
さて、本日の私的なお勉強日記です。
今月の分子栄養学の専門ジャーナルに、キトサンサプリメントによる脂質代謝への作用を検証したメタ解析が報告されていました。
(Mol Nutr Food Res. 2018 Feb 16.)
脂質異常症・高脂血症は、生活習慣病であり、心臓病や脳卒中のリスクとなります。
今回のメタ解析では、
脂質代謝指標に対するキトサンサプリメントの安全性と有効性が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて関連論文が検索され、
(Medline, EMBASE, CENTRAL
14報、21介入群の1,108名のデータが解析の対象となりました。
解析の結果、
キトサンサプリメント投与により、
全被験者において、
総コレステロール値の有意な改善、
(-0.20 mmol/L, 95% CI, -0.35 to -0.05; P = 0.009)
LDL値の有意な改善が認められました。
(-0.20 mol/L, 95% CI, -0.26 to -0.15; P = 0.0001)
一方、
中性脂肪値やHDLコレステロール値には有意な影響は示されませんでした。
なお、
キトサン摂取による重大な有害事象は見出されておらず、高い安全性が示唆されています。
以上のデータから、
キトサンサプリメントによる脂質異常症改善作用が示唆されます。
これまでの多くの研究によって、
キトサンの働きとして、脂質代謝の改善、LDLコレステロール値の低下(改善)、体重減少/体脂肪減少といった作用での有用性が示されています。
今後、心血管イベントの低下といったアウトカムでの臨床的意義の検証が期待されます。
(なお、紅麹は、心血管イベント低下という効果まで確立しています。)
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、 紅麹です。
DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。
(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、 コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、 酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、 還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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クルクミン+植物ステロールによる脂質異常症改善作用 [2018年01月04日(木)] |
内分泌代謝研究の専門ジャーナルに、ウコン由来のファイトケミカル・クルクミンと植物ステロールの併用による脂質代謝への作用を検証した臨床研究が、オーストラリアのグループ(University of Newcastle)から報告されていました。
(Metabolism. 2017 Dec 29.)
ウコンには有効成分としてクルクミンが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用を示します。
分子メカニズムは、NF-κB抑制を介した抗炎症作用です。
先行研究では、クルクミンによる脂質代謝改善作用/LDLコレステロール低下作用も知られています。
植物ステロール/スタノールは、小腸でのコレステロール吸収を抑制し、脂質異常症の改善効果を示す成分です。
つまり、
紅麹は、肝臓でのLDLコレステロールの合成を抑制することで、LDLコレステロールを下げ、
植物ステロールは、食事に含まれるコレステロールの吸収を抑制することで、LDLコレステロール作用を示します。
さて、今回の研究では、
植物ステロールとクルクミンの複合サプリメントによる脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
高コレステロール患者を対象に、
・偽薬投与群
・植物ステロール投与群(1日あたり2グラム)
・クルクミン投与群(1日あたり200mg)、
・植物ステロール+クルクミン併用投与群(植物ステロール2グラム+クルクミン200mg)
の各群について、4週間の介入が行われました。
70名の被験者(総コレステロール値:6.57±0.13mmol/L)が試験を完了しました。
(偽薬群n=18; 植物ステロール群 n=17; クルクミン投与群 n=18; 植物ステロール+クルクミン併用投与群 n=17)
解析の結果、
植物ステロール投与群、および、
植物ステロール+クルクミン併用投与群において、
総コレステロール値、および、LDLコレステロール値、トリグリセリド/HDL比の有意な低下が見出されました。
(p<0.05)
介入前と比べて、
介入後の減少幅は、
植物ステロール群では、
総コレステロール:4.8%低下、
LDLコレステロール:8.1%低下
でした。
(p<0.05)
クルクミン投与群では、
それぞれ2.3% と2.6%の低下傾向が見出されました。
一方、
植物ステロール+クルクミンの併用投与群では、
総コレステロール値が11.0%低下、
LDLコレステロール値が14.4%低下し、
単独投与群のいずれに比べても、有意な低下が認められました。
(p<0.0001)
なお、
HDLコレステロールと中性脂肪は、いずれの群でも有意な変化は示されませんでした。
有害事象は認められませんでした。
以上のデータから、
LDLコレステロール血症に対して、
植物ステロールおよびクルクミンはそれぞれ一定の有用性があること、
また、
両者の併用は、さらに顕著な改善作用を示すことが考えられます。
最近では、下記の報告もあります。
紅麹はレベルAの推奨:国際脂質エクスパートパネル声明文
先行研究では、
植物ステロールによるLDLコレステロール低下作用:メタ解析
植物ステロールによる超悪玉コレステロール低下作用
植物ステロールによるLDLコレステロール低下作用:レビュー
植物ステロールによる高コレステロール血症改善効果
という報告もあります。
DHCでは下記のサプリメントを製品化しています。
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紅麹+オリーブポリフェノールによるLDLコレステロール低下作用 [2018年01月03日(水)] |
補完療法の専門ジャーナルに、紅麹とオリーブポリフェノールの複合サプリメントによる脂質異常症改善作用を示した臨床研究が、ベルギーのグループ(Université catholique de Louvain)から報告されていました。
(Complement Ther Med. 2017 Dec;35:140-144.)
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、 紅麹です。
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
オリーブリーフ(葉)やオリーブオイルなどには、オレユロペン、ヒドロキシチロソールやチロソールといったフェノール類が含まれています。
地中海食による疾病リスク低減効果では、これらのオリーブ(学名Olea europaea)由来の成分の抗酸化作用や抗炎症作用を介した働きが考えられています。
さて、
今回の研究では、
スタチン不耐症あるいはスタチン剤の服用を希望しない脂質異常症患者において、
紅麹とオリーブ由来ポリフェノール含有複合サプリメントを用いて、
脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には、
642名の高コレステロール血症患者を対象に、
(平均年齢59歳、総コレステロール値200mg/dl以上、LDLコレステロール値140mg/dl)
紅麹+オリーブ抽出物(5mgのヒドロキシチロソール)含有サプリメント(Cholesfytol®)を用いて、
2ヶ月間の介入が行われました。
(被験者は、それぞれのかかりつけ医によってフォローアップされており、また、登録時にはスタチンは服用していません。)
試験開始時には、
26%の被験者が、空腹時血糖値;100以上、125mg/dL以下であり、
5%が、126mg/dL以上でした。
また、
32% (n=194)が、スタチン服用による筋痛症/筋肉障害の既往を有していました。
解析の結果、
介入前の脂質指標の値は、それぞれ、
総コレステロール値;259 mg/dL
非HDLコレステロール値;200 mg/dL
LDLコレステロール値;168 mg/dL
中性脂肪:158 mg/dL,
であったのに対して、
紅麹+オリーブポリフェノール含有サプリメント投与後には、
総コレステロール値が17.5%低下、
LDLコレステロール値が23.3%低下
しました。
また、
空腹時血糖値とHbA1c値も低下(改善)を示しました。
コレステロール値の低下幅は、
試験開始時に高値であった群ほど、大きな低下幅を示しています。
その他、
スタチン誘発筋痛症の既往を有していた被験者では、
筋痛症の既往を有していない被験者に比べて、
試験開始時から介入後の脂質指標(総コレステロール、LDL、非HDL、apoB100)の減少幅はやや小さいということでした。
13名の被験者が、軽度な副作用を示しました。
以上のデータから、
脂質異常症患者において、
紅麹+オリーブポリフェノールによるLDLコレステロール低下作用が示唆されます。
最近では、下記の報告もあります。
紅麹はレベルAの推奨:国際脂質エクスパートパネル声明文
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、 コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、 酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、 還元型CoQ10の利用が推奨されます。
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スタチン誘発筋痛症への対策としてのコエンザイムQ10の利用 [2017年12月25日(月)] |
臨床脂質研究の専門ジャーナルに、スタチン剤の副作用によって生じる筋痛症に対する対処法を調べた研究が、米国のグループ(Emory University)から報告されていました。
(J Clin Lipidol. 2017 Oct 12.)
コレステロール降下薬のスタチン剤の服用時には、10−29%の患者でスタチン誘発筋痛症が生じ、スタチンに対するコンプライアンス低下をもたらします。
今回の研究では、
スタチン服用中に新規の筋痛症を発症したり、増悪した筋痛症を生じた患者を対象に、
スタチン誘発筋痛症に対する医療従事者から患者へのアドバイスの調査が行われました。
具体的には、
高コレステロール血症とスタチン利用の既往のある10,138名の成人を対象にした調査が行われています。
(「Understanding Statin Use in America and Gaps in Education survey」という調査研究です)
回答者のうち、
スタチン服用の既往がある人の60%(n = 1220)が、
スタチン誘発筋痛症を新規に発症、あるいは増悪を経験しており、
これに対して、
スタチンの現在の服用者では、25% (n = 8918; P < .001)がスタチン誘発筋痛症を示しました。
スタチンの既往者は、
現在の利用者に比べて、
筋痛症によるスタチン中止のほうが有意に高率でした。
(mean ± standard deviation, 2.2 ± 1.7 vs. mean 1.6 ± 1.5, P < .0001)
スタチン利用に筋痛症を生じた被験者は、
プロバイダー・医療従事者から次のアドバイスを受けていました。
・他の種類のスタチンに変更する(33.8%),
・スタチンを中止する(15.9%),
・筋痛症の症状をさらにモニタリングしながらスタチンを継続する(12.2%),
・スタチンの用量を減らす(9.8%),
・筋痛症の兆候に関する血液検査を行う (9.2%)
また、サプリメント・機能性食品に関するアドバイスとして、
. ビタミンDを追加 (7.0%)
・コエンザイムQ10を追加(5.8%),
・紅麹への変更(2.6%)
が挙げられています。
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、 紅麹です。
DHC濃縮紅麹では、4週間の投与で、総コレステロール値の低下、LDLコレステロール値の低下といった作用が見出されています。
(DHC紅麹濃縮エキス末180mgには、モナコリンKが2.7mg含まれています。)
紅麹の安全性と有効性は、メタ解析でも確認されています。
紅麹による脂質代謝改善作用@メタ解析
医薬品では、スタチン剤が広く処方されますが、スタチン剤は内在性コエンザイムQ10濃度を下げてしまうため、スタチン剤服用中にはコエンザイムQ10サプリメントの摂取が必須となります。
最近では、下記の研究が報告されています。
コエンザイムQ10によるスタチン剤の副作用症状抑制効果
スタチン不耐症の脂質異常症患者に対して、紅麹投与による脂質代謝改善作用を示したランダム化比較試験も知られています。
(なお、スタチンおよび紅麹のいずれも、 コエンザイムQ10との併用が有用です。)
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、 酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
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ウコン/クルクミンによる脂質代謝改善:メタ解析 [2017年12月22日(金)] |
栄養学の専門ジャーナルに、クルクミンによる脂質代謝への作用を検証した系統的レビュー/メタ解析が報告されていました。
(Crit Rev Food Sci Nutr. 2017 Nov 29:1-10.)
クルクミンは、ウコンに含まれるファイトケミカルであり、抗炎症作用を有しています。
米国のMDアンダーソンがんセンターのグループにより、クルクミンの作用機序について、詳細な分子メカニズムが示されています。
今回の研究では、
クルクミンに対する脂質代謝関連指標への作用が検証されました。
具体的には、
主要医学データベースを用いて、
(PubMed-Medline, Scopus, Web of Science databases)
2017年4月3日までに収載された論文から、から、
クルクミノイド類の投与と、脂質代謝関連指標との関連を示したランダム化比較試験(RCT)が検索され、
20報のRCTから、1427名のデータがメタ解析の対象となりました。
解析の結果、
クルクミノイド類の投与により、
血中トリグリセリド(中性脂肪値)の有意な低下、
(WMD: -21.36 mg/dL, 95% CI: -32.18, -10.53, p < 0.001)
血中HDLコレステロールの有意な上昇、
(WMD: 1.42 mg/dL, 95% CI: 0.03, 2.81, p = 0.046)
が認められたということです。
一方、
LDLコレステロール値や
(WMD: -5.82 mg/dL, 95% CI: -15.80, 4.16, p = 0.253)
総コレステロール値では、
(WMD: -9.57 mg/dL, 95% CI: -20.89, 1.75, p = 0.098)
有意な変化は認められませんでした。
なお、投与期間との相関は認められていません。
以上のメタ解析から、
クルクミノイド類による脂質代謝改善作用が示唆されます。
DHCでのウコンサプリメントには、下記の製品があります。
濃縮ウコン 徳用90日分
3種のウコンパワーで不調をブロック
DHC速攻ウコンゼリー 3包入
酒席のお供「速攻ウコン」の、常備&携帯に便利なゼリータイプ!
脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、 紅麹です。
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カルノシンによる内分泌代謝改善作用 [2017年12月20日(水)] |
今月の科学誌に、カルノシンによる内分泌代謝改善作用を示した臨床研究が、オーストラリアのグループ(Monash University)から報告されていました。
(Sci Rep. 2017 Dec 12;7(1):17458)
カルノシンは、イミダゾールジペプチドの1種です。
産官学による研究で、抗疲労作用という機能性が認められた成分です。
これまでの基礎研究では、
カルノシンによる糖尿病や心臓病への有用性が示されました。
また、最近では、次のような研究が知られています。
カルノシンによる2型糖尿病リスク低減作用
アンセリンによる認知機能・身体機能改善作用
基礎研究では、
カルノシンによるLDLコレステロールの酸化および糖化抑制作用が示されています。
そこで、今回の研究では、
カルノシンによる内分泌代謝指標への作用が検証されました。
具体的には、
肥満/過体重の被験者24名を対象に、
・1日あたり2グラムのカルノシン投与群:13名、
・偽薬投与群:11名の2群について、
12週間の介入試験が行われました。
解析の結果、
偽薬群に比べて、
カルノシン投与群では、
トリヘキソシルセラミドや
(0.01 ± 0.19 vs -0.28 ± 0.34 nmol/ml, p = 0.04),
ホスファチジルコリン
(77 ± 167 vs -81 ± 196 nmol/ml, p = 0.01)
遊離コレステロール
(20 ± 80 vs -69 ± 80 nmol/ml, p = 0.006)
がそれぞれ維持されていました。
また、
トリヘキソシルセラミド値は、
空腹時のインスリン値、
(r = -0.6, p = 0.002),
インスリン抵抗性、
(r = -0.6, p = 0.003)
インスリン分泌
(r = -0.4, p = 0.05)
血中カルノシナーゼ1活性
(r = -0.3, p = 0.05)
とそれぞれ有意な負の相関が見出されています。
ホスファチジルコリンと遊離コレステロール値は、
心血管リスク指標との相関は示されませんでした。
以上のデータから、
肥満者において、
カルノシンによる脂質代謝改善作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
DHCでは,
イミダゾールペプチドサプリメントを製品化しています。
イミダゾールペプチドは,イミダゾール基を有するアミノ酸結合体の総称です。
近年、イミダゾールジペプチドが,抗疲労を有する機能性成分・サプリメントとして利用されるようになりました。
産官学による研究で,抗疲労作用という機能性が示された成分です。
アンセリンanserineやカルノシンcarnosineといった成分があります。
東南アジアの栄養ドリンク剤には,トリ胸肉エキスを利用したものがあります。
トリ(鶏)胸肉抽出物は,CBEX(Chicken Breast Extract)として知られる機能性食品素材です。
トリ胸肉中にはイミダゾールジペプチドであるカルノシンやアンセリンが豊富に含まれており,予備的な臨床研究では,トリ胸肉抽出物(イミダゾールジペプチドとして400mg含有)投与による抗疲労効果が示されています。
イミダゾールジペプチド(カルノシンおよびアンセリン)は,抗酸化作用を有し,活性酸素による組織傷害に対する保護作用を示します。
また,イミダゾールジペプチド投与により,骨格筋中のカルノシンおよびアンセリン濃度が上昇します。
骨格筋のカルノシンの濃度は,運動パフォーマンスと相関することから,
骨格筋におけるイミダゾールジペプチドの抗酸化作用により,抗疲労効果が発揮されると思われます。
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