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ココアによる血管機能の改善作用 [2008年06月28日(土)]
今月の循環器病学の専門誌に、フラバノールを含むココアの摂取によって糖尿病患者の血管機能が改善したというヒト臨床研究が、ドイツのグループから報告されていました。
(J Am Coll Cardiol. 2008 Jun 3;51(22):2141-9.)


ココアにはポリフェノール類が存在し、抗酸化作用等を介した健康保持作用が知られています。
フラバノールは、ココアポリフェノールにも含まれるフラボノイド系ファイトケミカル類の1種です。
フラバノールの摂取が多いと、心血管リスクが低下することが疫学研究で示されてきました。


今回の研究では、治療薬を服用中の糖尿病患者において、フラバノールを含むココアが血管機能に影響を与えるかどうか、検討されています。

まず、妥当性検討のために、糖尿病患者10名を対象に、75mg、371mg、963mgのフラバノールを含むココアを各用量で単回投与し、血管機能として上腕動脈のFMD(血流依存性血管拡張反応、flow-mediated dilation)が測定されました。

次に、有効性検討のために、1回321mgのフラバノール含有ココアを1日3回、30日間投与されました。(対照群は、1回25mgのフラバノールを含み、栄養学的に等価な食事を摂取。ランダム化二重盲検偽薬対照法。)


その結果、単回のフラバノール含有ココア摂取群では、用量依存的な血中フラバノール値およびFMDの有意な増加が認められました。

また、30日間の投与試験では、FMDが前値に比べて30%増加(p < 0.0001)し、フラバノール含有ココア摂取による血管機能の有意な改善作用が示されています。


なお、血圧や心拍数、血糖値、内皮細胞非依存性反応などには影響は認められていません。


以上のデータから、フラバノールの摂取は、糖尿病患者における血管機能保持に有用であることが示唆されます。
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