サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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チョコレートの降圧作用@妊婦 [2012年05月04日(金)]
周産期医学の専門ジャーナル(電子版)に、妊婦において、チョコレート摂取による降圧作用(高血圧改善作用)を示した臨床研究が、イタリアのグループ(University of Perugia)から報告されていました。
(J Matern Fetal Neonatal Med. 2012 Apr 26)



チョコレートには、カカオポリフェノールが含まれており、ポリフェノールの抗酸化作用を介した機能性が注目されています。


これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。


なお、健康増進・疾病予防という目的では、カカオの含有量が多いダークチョコレートの摂取がポイントです。



さて、今回の研究では、妊娠中でのカカオ高含有チョコレートの摂取による臨床指標への影響が検証されました。


具体的には、大学病院産婦人科外来を受診した白人の妊婦90名(18-40歳、11週から13週目)を対象に、

ランダム化比較試験として、

・1日あたり30グラムのチョコレート(カカオ70%)投与群

あるいは

・対照群

の2群の比較が行われています。



解析の結果、

対照群に比べて、

チョコレート投与群では、

収縮期血圧(p<0.0001)および拡張期血圧(p=0.05)が有意に低い、

というデータが得られたということです。




このとき、体重や総コレステロール値には有意な変化(増加)は認められていません。



以上のデータから、
カカオを豊富に含むダークチョコレートの摂取は、妊婦において、体重に影響を与えることなく、血圧を調節することが示唆されます。





(なお、妊娠後期に高血圧などを示す妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)に対しては、医療機関での適切な対処が必要です。)









チョコレートには、カカオ豆由来の抗酸化成分・カカオポリフェノールが含まれており、動脈硬化抑制作用を介した機能性が知られています。



近年、欧米の研究室を中心に、年に1回くらいの頻度で、ダークチョコレートの摂取による高血圧改善作用を示したランダム化比較試験が報告されてきました。


(カカオポリフェノールは、ダークチョコレートには豊富に含まれていますが、ホワイトチョコレートには含まれません。)



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チョコレートによる心臓病予防効果 [2012年02月14日(火)]
今月の臨床栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、チョコレート、ココア、フラバン-3オールによる心血管疾患への作用を検証したレビュー/メタ解析が、イギリスのグループ(Norwich Medical School)から報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2012 Feb 1.)




カカオにはポリフェノール類が含まれており、チョコレート(ダークチョコレート)やココアなどポリフェノール含有量の多いカカオ製品による機能性が知られています。


これまでの疫学研究や臨床試験では、高血圧症の改善、心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減、抗がん作用などが報告されています。



今回の研究では、チョコレート、ココア、フラバン-3オール(ポリフェノールの1種)による心血管疾患への作用に関するレビューが行われました。


具体的には、Medline, EMBASE, Cochraneの各データベースで、チョコレート、ココア、フラバン-3オールのRCTが抽出されています。



42報、1297名の被験者が対象となり、各種指標が解析されました。


その結果、チョコレートあるいはココアの摂取によって、インスリン抵抗性(HOMA-IR)の有意な改善作用が見いだされました。(-0.67; 95% CI: -0.98, -0.36)


また、FMDも、慢性(1.34%; 95% CI: 1.00%, 1.68%)および急性 (3.19%; 95% CI: 2.04%, 4.33%) の摂取のそれぞれの介入によって、改善が示されています。


チョコレートおよびココアによるHOMA-IRとFMD への効果は、感応度分析による補正後でも認められています。




さらに、

拡張期血圧の低下(BP; -1.60 mm Hg; 95% CI: -2.77, -0.43 mm Hg)、

平均動脈圧の低下(-1.64 mm Hg; 95% CI: -3.27, -0.01 mm Hg)

LDLコレステロールの低下(-0.07 mmol/L; 95% CI: -0.13, 0.00 mmol/L)、

HDLコレステロールの増加(0.03 mmol/L; 95% CI: 0.00, 0.06 mmol/L)

も示されました。




FMDに対する効果は、チョコレートあるいはココアの用量との相関は見出されていません。



一方、収縮期血圧と拡張期血圧への効果については、1日あたり50mg以上のエピカテキン摂取によって、より大きな効果が見いだされました。




エビデンスおよび推奨グレードは、低〜中程度の有効性であり、一方で、副作用は認められていません。



エビデンスがあまり強くないのは、RCTでの記載データが不十分であったり脱落者があったりしたためです。





以上のデータから、チョコレートあるいはココアによるインスリン抵抗性やFMDの改善を介した心血管疾患の予防効果が示唆されます。






チョコレートには、カカオ豆由来の抗酸化成分・カカオポリフェノールが含まれており、動脈硬化抑制作用を介した機能性が知られています。



近年、欧米の研究室を中心に、年に1回くらいの頻度で、ダークチョコレートの摂取による高血圧改善作用を示したランダム化比較試験が報告されてきました。


(カカオポリフェノールは、ダークチョコレートには豊富に含まれていますが、ホワイトチョコレートには含まれません。)


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ダークチョコレートによる血小板機能抑制を介した効果 [2011年11月16日(水)]
今月の血液凝固学の専門ジャーナル(電子版)に、ダークチョコレートによる血小板機能抑制作用を示した臨床研究が、イタリアのグループ(Sapienza University, Rome Center of Clinic Lipid Research)から報告されていました。
(J Thromb Haemost. 2011 Nov 8. doi: 10.1111)




チョコレートには、カカオ豆由来の抗酸化成分・カカオポリフェノールが含まれており、動脈硬化抑制作用を介した機能性が知られています。


(カカオポリフェノールは、ダークチョコレートには豊富に含まれていますが、ホワイトチョコレートには含まれません。)



近年、年に1回くらいの頻度で、ダークチョコレートの摂取による高血圧改善作用を示したランダム化比較試験が報告されてきました。




さて、今回の研究では、ダークチョコレートの摂取による喫煙者での血小板機能への影響が検証されています。



これまでの研究では、ダークチョコレートによって血小板機能の抑制が示されてきましたが、作用メカニズムは明確ではありません。

(血小板機能抑制は、血液凝固抑制を介して、血栓形成を予防し、脳梗塞などのリスク低下を生じます。)


そこで、カカオポリフェノールによる抗酸化作用の関与が調べられました。


具体的には、健康な被験者20名と喫煙者20名を対象に、無作為に、

・40グラム(85%以上のカカオ)のダークチョコレート

あるいは

・40グラム(35%未満のカカオ)のミルクチョコレート

の2種類の介入がクロスオーバー、一重盲検法にて行われています。


(喫煙は、活性酸素を過剰に生じ、動脈硬化のリスク、血栓症のリスクをもたらします。)


wash-outは7日間であり、2相の試験において、

投与前とチョコレート摂取2時間後に、

血小板機能や血小板イソプラスタン(8-iso-PGF2α、isoprostane 8-ISO-prostaglandin F2α)、活性酸素、トロンボキサン(TxA2)、NOX2の血小板活性化、血中エピカテキンといった指標が測定されました。



解析の結果、

まず、介入前において

健康な被験者に比べて、喫煙者では、

血小板動員の亢進、血小板における活性酸素産生の増加、エイコサノイドおよびNOX2活性化の亢進が見出されています。



次に、ダークチョコレート摂取後では、

血小板の活性酸素は48%減少(p<0.001)、

8-iso-PGF2α は10%減少(p<0.001)、

NOX2 活性化は22%減少(p<0.001)

とそれぞれ有意に減少(低下、改善)が認められました。



一方、ダークチョコレートの摂取は、健康な被験者では血小板関連指標に有意な変化は生じなかったということです。



血中エピカテキンは、ダークチョコレート摂取後に増加しました。

健康な被験者;0.454±0.3nM から 118.3±53.7nMへ。

喫煙者;0.5±0.28 nM から 120.9±54.2 nMへ。



(エピカテキンの高値と、がんリスク低下との相関が知られています。)



その他、in vivo系では、0.1-10μMのカテキン投与によって、血小板動員の有意な低下、血小板8-iso-PGF2αの低下、活性酸素の産生低下、NOX2活性化の低下が喫煙者群にて認められました。




以上のデータから、ダークチョコレートの摂取によって、喫煙者において活性酸素の産生を防ぎ、血小板機能を抑制する機能性が期待されます。





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チョコレートによる心臓病予防効果 [2011年09月01日(木)]
英国医学ジャーナルに、チョコレートの摂取による心臓病リスク低下作用を示したメタ解析が、英国のグループ(University of Cambridge)から報告されていました。
(BMJ. 2011 Aug 26;343:d4488)




チョコレートにはカカオポリフェノールが含まれています。


カカオポリフェノールは、カカオ豆由来の抗酸化成分であり、動脈硬化抑制作用を介した機能性が知られています。

(ダークチョコレートには豊富に含まれていますが、ホワイトチョコレートには含まれません。)



近年、年に1回くらいの頻度で、ダークチョコレートの摂取による高血圧改善作用を示したランダム化比較試験が報告されてきました。



さて、今回の研究では、チョコレートの摂取と、心臓病のリスクとの関連が検証されています。



具体的には、各種の医学データベース(Medline, Embase, Cochrane Library, PubMed, CINAHL, IPA, Web of Science, Scopus, Pascal)において2010年10月までの研究が検索され、心血管リスク(冠状動脈疾患と脳卒中)や糖尿病、メタボリック症候群に関して、チョコレートの摂取量との相関関係が調べられました。



7報の研究、114,009名の被験者(6報がコホート研究、1報が横断研究であり、RCTは含まれていません)が対象となり、解析された結果、
5報の研究において、チョコレート摂取による健康増進・疾病予防効果が見いだされました。



チョコレートの摂取量が多い群では、摂取量の少ない群に比べて、心血管疾患リスクが37%低下し、脳卒中リスクが29%低下していました。


(この研究でのチョコレートは、チョコレートバーやチョコレート飲料、チョコレート菓子、サプリメントなどをしめしています。)





以上のデータから、チョコレートの摂取による心血管疾患(心臓病や脳卒中)の予防効果が示唆されます。



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チョコレートによる動脈硬化抑制作用 [2011年03月14日(月)]
首都圏での生活にも震災の影響がでてきているようです。

あらためて,今回の震災にて影響を受けた皆様に心よりお見舞い申し上げます。




臨床栄養学の専門ジャーナルに,チョコレートの摂取による動脈硬化抑制作用を示した調査研究が,米国のグループ(Brigham & Women Hospital and Harvard Medical School)から報告されていました。
(Clin Nutr. 2011 Feb;30(1):38-43. Epub 2010 Jul 22.)




カカオにはポリフェノール類が含まれており,チョコレート(ダークチョコレート)やココアなどポリフェノール含有量の多いカカオ製品による機能性が知られています。


これまでの研究では,高血圧症の改善,心血管疾患(動脈硬化性疾患)リスクの低減,抗がん作用などが報告されています。



今回の研究では,チョコレートの摂取と心臓の冠状動脈における動脈硬化との関連が検証されています。


具体的には,横断研究として,2217名を対象に,チョコレートの摂取量と,冠状動脈石灰化について調べられました。

(NHLBI Family Heart Studyという研究の一環です。)


(冠状動脈石灰化指標として,Agatston スコアが用いられています。)



解析の結果,チョコレートの摂取が多いと,冠状動脈の石灰化リスクが低減される,という相関が認められたということです。



チョコレート摂取の4分位にて,冠状動脈石灰化リスクは,

チョコレート摂取が最少群(対照:摂取がゼロ)の1.0に対して,

1-3回/月:0.94 (0.66-1.35),

1回/週:0.78 (0.53-1.13),

2回以上/週:0.68 (0.48-0.97)

とリスク低下が示されました(p for trend 0.022)。


(年齢,性別,エネルギー摂取量,ウエストヒップ比,教育,喫煙,飲酒,総コレステロール/HDL,チョコレート以外の菓子類摂取,糖尿病の有無といった交絡因子で補正。)



以上のデータから,チョコレートの摂取による心血管疾患リスク低下作用が示唆されます。




これまでの研究では,ポリフェノールが豊富なダークチョコレートによる機能性が知られています。

(ランダム化比較試験などの介入試験では,ダークチョコレートによる高血圧症の改善が示されています。)



一方,この研究では,特にダークチョコレートというわけではなく,通常のチョコレート類を例示して調査が行われています。


(質問票には,Hershey’s Plain, M & M, Snickers, Reesesといった製品名が例示されています。)



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チョコレートによる慢性疲労症候群の改善作用 [2010年12月22日(水)]
栄養学の専門ジャーナルに,ポリフェノール高含有チョコレートによる慢性疲労症候群の症状改善作用を示した臨床研究が,イギリスのグループから報告されていました。
(Nutr J. 2010 Nov 22;9:55.)



カカオにはポリフェノール類が含まれており,チョコレート(ダークチョコレート)やココアなどポリフェノール含有量の多いカカオ製品による機能性が知られています。


これまでの研究では,心血管疾患リスクの低減,抗がん作用などが報告されています。


今回の研究では,ポリフェノール高含有チョコレートと,ポリフェノール含有の低いチョコレート投与による,慢性疲労症候群の症状への影響が検討されました。



具体的には,慢性疲労症候群患者(Chalder Fatigue Scaleにて11のうち10以上)10名を対象に,それぞれのチョコレートが8週間,投与されています。


(ランダム化二重盲検クロスオーバー試験。それぞれ8週間の介入期間,washoutは2週間)



介入試験の結果,評価スコア(Chalder Fatigue Scale)に関して,
ポリフェノール高含有チョコレート投与群では,有意な改善が認められました。
(33 (25 - 38) vs. 21.5 (6 - 35) 0.01)


一方,等カロリーの(ポリフェノール低含有)チョコレート投与群では,指標が悪化しています。
(28.5 (17 - 20) vs. 34.5 (13-26) 0.03)



また,London Handicap scaleによる残存機能の評価でも,
ポリフェノール高含有チョコレート投与群では有意な改善,
(0.49 (0.33 - 0.62) vs. 0.64 (0.44 - 0.83) 0.01)

低含有チョコレートでは悪化,
(00.44 (0.43 - 0.68) vs. 0.36 (0.33 - 0.62)0.03)
が認められました。



以上のデータから,カカオポリフェノールによる慢性疲労症候群改善作用が示唆されます。



臨床での推奨にはまだエビデンス不足ですが,許容性の高い補完療法として興味深い報告です。



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チョコレートが心不全を予防 [2010年08月20日(金)]
今月の循環器学の専門ジャーナル(電子版)に,チョコレートの適度な摂取による心不全の予防効果を示した研究が,米国のグループ(Harvard Medical School)から報告されていました。
(Circ Heart Fail. 2010 Aug 16)



ダークチョコレートに含まれるカカオポリフェノールには抗酸化作用があり,動脈硬化性疾患を抑制することが知られています。


ランダム化比較試験では,高血圧改善作用が示されており,疫学研究では,チョコレート摂取と心血管疾患リスク低下の相関が見出されています。



今回の研究では,チョコレートの摂取と,心不全のリスクとの関係が検証されました。


具体的には,48歳から83歳までの女性31,823名を対象に,健康調査と食事調査を行い,1998年1月から2006年12月末までの9年間にわたり,心不全による入院や死亡が調べられています。


(被験者には,糖尿病,心不全,心筋梗塞の既往はありません。
Swedish Mammography Cohortというスウェーデンでの調査に基づく研究です。)


フォローアップ中,379名が心不全で入院,40名が心不全で死亡と記録されています(合計419名が心不全発症)。


心不全罹患率について,交絡因子で補正後の解析では,チョコレート非摂取群に比べて,

--1ヶ月あたり1-3サービングのチョコレートを摂取する群では,26%の有意なリスク低下(0.74 ;95%CI 0.58-0.95),

--1週間あたり1-2サービングのチョコレート摂取群では,32%の有意なリスク低下(0.68 ;95%CI 0.50-0.93)

が認められています。


一方,1週間に3-6サービングのチョコレート摂取群(1.09 (95%CI .74-1.62)),および,1日あたり1サービング以上摂取する群では,有意差なし(1.23 (95%CI 0.73-2.08))ということです。(p for quadratic trend = 0.0005)



以上のデータから,論文著者らは,適度な量のチョコレートの習慣的摂取は,心不全のリスク(入院や死亡)を低下させる,と考察しています。





なお,今回のデータでは,毎日摂ることによる効果は見出されていません。


これは,食事調査に基づく疫学研究の限界のため,検出力が十分ではなかったことが想定されます。

つまり,ダークチョコレートなど詳しい種類の検証がないために,いわゆるチョコレート製品をたくさん摂った場合,チョコレートポリフェノールの好ましい効果に比べて,糖類など他の好ましくない影響が大きく出てしまうことが考えられます。

(交絡因子の補正には限界があり,緩徐な食事因子の作用発現や効果の個人差の影響があります。)




これまでの研究では,カカオポリフェノールの摂りすぎによる副作用などは知られていませんし,チョコレート/カカオポリフェノールを毎日投与したランダム化比較試験では血圧低下作用が示されています。


したがって,カカオポリフェノール含有量の多いダークチョコレートであれば,一定の健康保持効果が期待できます。

(ホワイトチョコレートにはカカオポリフェノールは含まれていません。)


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ダークチョコレートの酸化ストレス軽減作用 [2009年12月10日(木)]
栄養学の専門ジャーナルに,ダークチョコレートが酸化ストレスによる障害を軽減するという臨床研究が,イタリアのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2009 Nov 5:1-7. PMID 19889244)



ダークチョコレートには,カカオポリフェノールが豊富に含まれており,抗酸化作用を介した生活習慣病予防効果が知られています。


これまでに,カカオポリフェノールによる軽症高血圧改善作用や血管機能改善作用を示した臨床研究が報告されてきました。



今回の研究では,ポリフェノールの豊富なダークチョコレートが,活性酸素によって生じる酸化ストレスを抑制するかどうか,また,動脈硬化性疾患/心臓病を予防するかどうか,検討されています。



具体的には,健康な被験者20名(平均年齢24.2歳)を対象に,バランス食を4週間摂取させ,前半2週間経過後に2群に分け,1群(n=10)にはダークチョコレートを45g/日,もう1群(n=10)にはホワイトチョコレートを45g/日の用量で追加するというプロトコールです。



このときのバランス食は,標準対照食として,炭水化物エネルギー比55%,脂質30%,タンパク質1グラム/kg体重でした。


ダークチョコレートには,860mgのポリフェノールが含まれ,そのうちの58mgはエピカテキンです。

また,ホワイトチョコレートは,5mgのポリフェノールが含まれ,エピカテキンは検出限界以下となっています。



検体採取として,

-試験開始日(T0),

-試験開始から2週間目(T14,チョコレート摂取前),

-試験開始から2週間目(T14,最初のチョコレート摂取後),

-試験最終日(T27,27日目,チョコレート投与2週間後)

のそれぞれの日において,チョコレート摂取から2時間後(+2 h)および22時間後(+2 2h)に採血が行われました。



各種指標が測定された結果,ダークチョコレート群では,摂取2時間後に血中カテキン値の上昇,末梢血単核球におけるDNA障害の有意な減少といった効果が認められたということです。


検出された血中のエピカテキン値は,ダークチョコレート摂取2時間後(T14+2 h)で0.362 ±0.052 μmol/l,T27+2 h = 0.369 ± 0.041μmol/lでした。


なお,対照群であるホワイトチョコレート摂取群では,これらの作用は見出されていません。


ただ,この効果は,摂取後22時間の時点では消失してしまう(理由としてカカオポリフェノール/フラボノイドの体内動態が考えられます)ことから,カカオポリフェノールの効能を得るためには継続的な摂取が必要と推察されます。


(高血圧の治療薬・医薬品も1日1回投与が一般的ですので,ダークチョコレートの効果持続時間が特に短いわけではありません。軽症高血圧については,医薬品でもいいし,カカオポリフェノールという補完療法もあり得る,という研究結果です。)


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チョコレートで紫外線障害を予防 [2009年09月11日(金)]
今月の美容皮膚科学の専門ジャーナルに,チョコレートの摂取が紫外線による皮膚障害を抑制する,という臨床研究がイギリスのグループから報告されていました。
(J Cosmet Dermatol. 2009 Sep;8(3):169-73.)



カカオには抗酸化作用を有するポリフェノール(カカオポリフェノール)が豊富に含まれ,生活習慣病予防効果が期待されています。


これまでの臨床研究では,カカオ製品であるチョコレート(ダークチョコレート)やココアによる高血圧改善作用などが示されてきました。


最近では,カカオポリフェノール含有サプリメントも製品化されています。



さて,今回の研究では,カカオ由来のフラボノール(ポリフェノールの1種)を豊富に含むダークチョコレートによる紫外線保護作用が検証されています。



具体的には,健康な被験者30名を対象に,高用量フラボノール含有チョコレートあるいは低用量フラボノール含有チョコレートのいずれかを20グラム/日の用量で12週間摂取させ,最小紅斑量(minimal erythema dose,MED)が指標として測定されました。
(ランダム化二重盲検試験)



(紫外線UVBを皮膚に照射すると,紅斑が生じます。

MEDとは,肉眼的にもっとも軽 い紅斑が出現するのに要するエネルギー量です。

例えば, 光線過敏性皮膚疾患では,MEDは低下します。)




投与前後におけるMEDを比較した結果,高フラボノール含有チョコレート摂取群では,MEDが2倍以上,上昇したということです。

(つまり,紫外線障害に対する抵抗性を示したことになります。)


一方,低フラボノール含有チョコレート摂取群では,投与前後において有意な変化は認められていません。



以上のデータから,カカオポリフェノール/フラボノールを多く含むダークチョコレートの摂取は,紫外線による皮膚障害に対する保護作用を示すと考えられます。




なお,紫外線対策は,

・紫外線への暴露を避ける

・帽子や日傘を使う

・日焼け止めクリームを使う

・(紫外線で生じる酸化障害やメラニン合成対策として)L-システインやビタミンCをとる

といったことが優先されます。



現時点では,「紫外線対策にダークチョコレートを」といったようなコンセンサスは得られてないと思います。




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チョコレートへの渇望と生理の関係 [2009年09月10日(木)]
食行動と栄養の分野を研究対象とする専門ジャーナル(電子版)に,チョコレートへの渇望と女性の生理との関係を調べた研究が,米国ペンシルベニア大学のグループから発表されていました。
(Appetite. 2009 Oct;53(2):256-9.)

(「Appetite」(=食欲,欲求,欲望)という誌名のジャーナルです。)




アメリカ人女性の約半数は,『チョコレートへの渇望/切望(チョコレートが欲しくて仕方がないという欲求,chocolate craving)』があり,特に月経周期の初期に感じるとされています。



今回の研究では,この渇望が,ホルモンバランスの変化による直接の影響なのか,あるいは,月経前のストレスが主因でそれに対する間接的な反応なのか,調べられています。


もし,ホルモンバランスの変化による直接の影響であると仮定する場合,閉経後の女性では,チョコレートへの渇望が38%減少するという計算になります。

(チョコレート渇望が月経周期に応じてのみ生じる,という被験者のデータに基づいた計算です。)



大学の同窓生を被験者として,閉経前後で調査した結果,閉経後において,チョコレート渇望が有意に減少していたということです。


ただし,減少幅は13.4%であり,ホルモンバランスを直接の原因と仮定した場合の38%減少とは開きがあります。



以上のデータから,論文著者らは,女性におけるチョコレートへの渇望は性ホルモン周期の変動を主因とするものではない,と考察しています。




都市伝説の真偽を調べました,というような内容ですが,一応,医学論文です。





チョコレートに関する都市伝説としては,「チョコレートを食べるとにきびができる」という話もあります。


こちらは,米国でもよく知られているようですが,医学的にはチョコレートの摂取とにきびの関係は否定されています。



チョコレートの機能性として,ダークチョコレートに豊富に含まれるカカオポリフェノールによる高血圧改善作用が知られています。


最近では,カカオ種子エキスなどのサプリメントが生活習慣病対策の機能性食品として製品化されています。




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チョコレートが心臓死のリスクを減らす [2009年08月17日(月)]
内科学の専門ジャーナルに,チョコレートの摂取が多いと急性心筋梗塞後の心臓死リスクが低くなるという研究が,スウェーデンのグループから報告されていました。
(Journal of Internal Medicine  2009;266:248-257.)


チョコレートにはカカオ由来のポリフェノールが含まれており,ポリフェノールの抗酸化作用による動脈硬化抑制作用が示唆されています。


また,これまでの臨床研究では,カカオポリフェノールによる高血圧改善作用が示されてきました。


今回の研究の目的は,冠状動脈疾患患者におけるチョコレートの長期摂取の影響を調べることです。


具体的には,1992年から94年の間に,急性心筋梗塞と診断されて入院した(糖尿病を有さない)患者1169名を対象に,先行する1年間におけるチョコレート摂取を調査し,退院後の3ヶ月間,ヘルスチェックが行われ,さらに,8年間のフォローアップが実施されました。

(Stockholm Heart Epidemiology Programの一環として実施)


調査の結果,チョコレートの摂取と心臓死との間に負の相関関係が認められたということです。


チョコレートを摂取しなかった群と比べて,

チョコレートを1ヵ月に1回未満摂取する群では27%,心臓死のリスクが低下

1週間に1回摂取する群では44%リスクが低下,

1週間に2回以上摂取する群では66%リスクが低下,

という結果でした。



チョコレートの摂取と全死亡率の間には負の相関が認められています。



以上のデータから,論文著者らは,チョコレートの摂取は,心筋梗塞後の心臓死リスクの低下に相関する,と考察しています。



なお,この研究では,ミルクチョコレートとダークチョコレートの区別が行われていません。


EUでは,cocoa solidの含有量について,ミルクチョコレートでは25%以上,ダークチョコレートでは35%以上,という規定があります。


一般に,チョコレートの機能性を考える場合,ポリフェノールの多いダークチョコレートの摂取が推奨されます。

(糖類が多いチョコレートではメタボリスクの増加といった逆効果になる可能性があります。また,ホワイトチョコレートにはカカオポリフェノールが含まれていません。)



チョコレート関連製品として,DHCでは

カカオ種子エキス


チョコレートフォンデュ


などがあります。



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医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
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古代アメリカにおけるカカオ利用 [2009年02月14日(土)]
今月の米国科学アカデミー紀要(PNAS)(電子版)に,古代アメリカにおけるカカオ利用のエビデンスを見出したという研究が,ニューメキシコ大学のグループから報告されていました。
(Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Feb 2. PMID: 19188605)



近年の研究によって,カカオポリフェノールの機能性が注目されています。

たとえば,カカオ/ココア/ダークチョコレート摂取による高血圧改善作用などが示されています。


カカオは,もともとは中南米において,現在とは異なる形で摂取されていたことが知られています。



今回の研究によると,米国ニューメキシコ州のChaco渓谷で発見された陶器片を解析した結果,カカオのバイオマーカーであるテオブロミン(キサンチン誘導体の1種)が検出されました。


この渓谷には,地域最大の遺跡跡があり,ニューメキシコ州における交易の要所であったことから,今回のデータは,米国南部において古代(Prehispanic)からカカオ飲料が用いられていたエビデンスになるということです。


なお,古代といってもアメリカ大陸での話ですから,AD1000年から1125年の範囲になります。


PNASに掲載されるほどですから,重要な研究のようです。

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チョコレートのフラボノイド [2008年12月04日(木)]
栄養学の専門ジャーナルに、ダークチョコレートの臨床的な効果を検証した総説が、米国のグループから報告されていました。
Nutr Rev. 2008 Nov;66(11):630-41.)



カカオポリフェノールの含有量が多いダークチョコレートは、血管機能改善や高血圧改善といった機能性を有しており、多くの臨床研究も報告されています。


カカオ(学名Theobroma cacao)には、各種のフラボノールが存在し、抗酸化作用などの働きも示されてきました。


今回の総説では、医学的なメリットとなる機能性や栄養学的な視点から、カカオ関連商品の機能性について、チョコレート製品やココアの働きが解析されています。


カカオの効果は、フラボノイド類に依存しますので、チョコレートを用いた臨床研究ではダークチョコレートが用いられます。

また、フラボノイド類を高濃度に含むココアでは、糖類の摂取が多くならないように調整が行われます。


これまでの臨床研究や複数の総説によると、カカオポリフェノールやダークチョコレートの機能性(健康増進効果)は間違いないと考えられます。

(ただし、カカオ含有製品では、糖質などエネルギーの摂りすぎには注意が必要です。)



DHCでは、カカオポリフェノールを豊富に含む「カカオ種子エキス」を製品化しています。

その他、チョコレート関連製品では、「チョコレートフォンデュ」もあります。
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ダークチョコレートによる糖尿病と高血圧の改善作用 [2008年09月15日(月)]
今月の栄養学の専門誌に、ダークチョコレートの高血圧改善作用およびインスリン感受性亢進作用を示したヒト臨床研究が、イタリアと米国のグループから発表されていました。
J. Nutr. 2008 138: 1671-1676)



チョコレートには、カカオポリフェノール/フラボノール類が豊富に含まれており、血管内皮細胞の機能を正常に維持し、心血管疾患のリスクを低下させると考えられています。

これまでの臨床研究では、カカオポリフェノールによる高血圧改善作用が報告されてきました。



今回の研究では、耐糖能異常を示す高血圧患者19名(男性11名、女性8名、平均年齢44.8歳)を対象に、フラボノールの豊富なダークチョコレートを、1日あたり100グラムの用量で15日間投与し、血管内皮細胞の機能、インスリン感受性、β細胞機能、血圧に対する影響が測定されました。
(フラボノールを含まないホワイトチョコレートを対照としたクロスオーバー法。)


その結果、ダークチョコレート摂取時において、インスリン抵抗性の有意な低下、インスリン感受性の亢進、収縮期血圧と拡張期血圧の有意な低下、血管機能の改善、総コレステロール値とLDL値の有意な低下といった作用が認められたということです。

(なお、これらの働きは、ホワイトチョコレート投与(対照)群では認められていません。)



以上のデータから、フラボノールが豊富で低エネルギーに調整されたダークチョコレートは、耐糖能を改善し、心血管リスクを低下させることが示唆されます。
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ココアによる肥満者の血管機能改善作用 [2008年08月26日(火)]
今月の肥満研究の専門誌に、肥満者におけるココアの血管機能改善作用を示したヒト臨床研究が、オーストラリアのグループから報告されていました。
(Int J Obes (Lond). 2008 Aug;32(8):1289-96.)


これまでの研究によって、ココア由来のフラボノイド類が血管内皮機能を改善することが報告されてきました。


今回の研究では、肥満者49名(男性18名、女性31名)を対象に、高フラボノイド(902mg)投与群、高フラボノイド+運動実施群、低フラボノイド(36mg)投与群、低フラボノイド+運動実施群の4群について、比較検討されています。


12週間の投与前後にて、上腕動脈の血流依存性血管拡張能(FMD)、血圧、インスリン感受性といった指標が比較された結果、高フラボノイド投与群では、低フラボノイド投与群に比べて、FMDの増加、拡張期血圧の低下、インスリン抵抗性の改善が認められています。

運動併用群では、脂肪酸化の増加と体脂肪の減少が示されました。

なお、フラボノイドによる働きは、運動とは独立した作用として認められており、併用群における促進作用は示されていません。



以上のデータから、肥満者において、ココア由来のフラボノイドによる血管内皮機能の改善作用が期待されます。
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ココアによる認知機能改善作用 [2008年08月19日(火)]
カカオポリフェノールによる認知機能改善作用を示したヒト臨床研究が、オーストラリアのグループから報告されていました。
(Pl Med 74;929:2008,SL91)


ココアやチョコレートには、カカオ由来のポリフェノールが含まれており、抗酸化作用による健康増進・疾病予防効果が示されています。

これまでの研究では、カカオポリフェノールによる血流改善作用や血管拡張作用が知られています。

血流改善作用を有するハーブでは認知機能改善作用が示唆されていることから、同様の働きがカカオポリフェノールにも認められるかどうか、検討されました。


今回の研究では、健康な成人30名を対象に、520mgあるいは993mgのフラボノイド、あるいは対照を含むココア飲料が投与され、その前後において、RVIPやSTAIといった指標が測定されています。

(二重盲検ランダム化偽薬対照クロスオーバー法による単回投与での検討です。)


その結果、カカオ由来のフラボノイド(ポリフェノール)投与群では、認知機能や精神疲労、不安に関する指標において改善(あるいは低下の抑制)が認められました。

測定された一連の指標では、520mgの投与において十分な効果が示されたということです。



以上のデータから、カカオポリフェノールによる認知機能改善作用が示唆されます。






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カカオによる認知機能の改善作用 [2008年07月15日(火)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、カカオポリフェノールによる認知機能改善作用を示した基礎研究が、フランスとカナダのグループから発表されていました。
(Br J Nutr. 2008 Jul;100(1): 94-101.)


これまでの研究によって、加齢およびそれに伴う認知機能の低下には、酸化ストレスが関与していることが示唆されています。

そこで、抗酸化作用を持つ機能性食品素材がこれらの障害を予防すると考えられ、アンチエイジングの研究分野で注目を集めています。


さて今回の研究では、ラットにカカオポリフェノールを投与し、加齢による認知機能の低下に対する作用が検討されました。

カカオポリフェノールを24mg/kgの用量にて、15から27月齢の間に経口投与した結果、認知機能の改善が認められたということです。

(水迷路学習テストなどで測定。)


作用機序として、カカオポリフェノールによる抗酸化作用が、中枢神経細胞に保護的に作用し加齢による認知機能の低下を抑制するというメカニズムが考えられます。


今後、臨床的意義の検討が期待される分野です。
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ココアによる血管機能の改善作用 [2008年06月28日(土)]
今月の循環器病学の専門誌に、フラバノールを含むココアの摂取によって糖尿病患者の血管機能が改善したというヒト臨床研究が、ドイツのグループから報告されていました。
(J Am Coll Cardiol. 2008 Jun 3;51(22):2141-9.)


ココアにはポリフェノール類が存在し、抗酸化作用等を介した健康保持作用が知られています。
フラバノールは、ココアポリフェノールにも含まれるフラボノイド系ファイトケミカル類の1種です。
フラバノールの摂取が多いと、心血管リスクが低下することが疫学研究で示されてきました。


今回の研究では、治療薬を服用中の糖尿病患者において、フラバノールを含むココアが血管機能に影響を与えるかどうか、検討されています。

まず、妥当性検討のために、糖尿病患者10名を対象に、75mg、371mg、963mgのフラバノールを含むココアを各用量で単回投与し、血管機能として上腕動脈のFMD(血流依存性血管拡張反応、flow-mediated dilation)が測定されました。

次に、有効性検討のために、1回321mgのフラバノール含有ココアを1日3回、30日間投与されました。(対照群は、1回25mgのフラバノールを含み、栄養学的に等価な食事を摂取。ランダム化二重盲検偽薬対照法。)


その結果、単回のフラバノール含有ココア摂取群では、用量依存的な血中フラバノール値およびFMDの有意な増加が認められました。

また、30日間の投与試験では、FMDが前値に比べて30%増加(p < 0.0001)し、フラバノール含有ココア摂取による血管機能の有意な改善作用が示されています。


なお、血圧や心拍数、血糖値、内皮細胞非依存性反応などには影響は認められていません。


以上のデータから、フラバノールの摂取は、糖尿病患者における血管機能保持に有用であることが示唆されます。
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ダークチョコレートによる高脂血症改善作用 [2008年04月04日(金)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、ダークチョコレートによる高脂血症(脂質異常症)の改善効果を示した臨床研究が、アメリカのグループから報告されていました。
(J Nutr. 2008 Apr;138(4):725-31)


これまでの研究によって、ダークチョコレートを摂取すると高血圧が改善することが示されています。
作用メカニズムとして、カカオポリフェノールによる抗酸化作用・動脈硬化抑制作用などが考えられます。


今回の研究では、ポリフェノール(フラボノール)を含むダークチョコレートにステロールを添加し、コレステロールの高い人への効果が検討されています。
(二重盲検偽薬対照クロスオーバー法)


総コレステロール値が5.20&#8211;7.28 mmol/Lで、血圧が159/99 mm Hg以下の被験者49名(男性17名、女性32名)を対象にして、カカオポリフェノールの豊富なダークチョコレートバー(ステロールエステルは1.1g/bar)あるいは対照食が、1日あたり2個、4週間投与されました。
クロスオーバー法として、続く4週間は別のバー(ダークチョコレートあるいは対照)が投与されています。

その結果、ダークチョコレート(+ステロール)投与群では、総コレステロール値が2.0%、LDLコレステロール値が5.3%、それぞれ有意に低下したということです。



以上のデータから、カカオポリフェノールは、高血圧改善作用に加えて、脂質代謝改善作用があると考えられます。

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幸せとチョコレートの関係 [2008年02月28日(木)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、高齢男性におけるチョコレートの好みと健康との関連を調べた研究が、フィンランドのグループから報告されていました。
(Eur J Clin Nutr. 2008 Feb;62(2): 247-253.)



この研究は、高齢男性における心理学的な安寧(well-being)を調べることを目的としたものです。

1919年から1934年の間に生まれた男性で、社会/経済的な環境が類似したグループを対象に、1960年代からフォローアップが行われています。


2002年から2003年の間に質問紙票による調査が実施され、生活の質や心理状態、甘味類の好みなどのデータが収集されました。

(調査の回答率は69%。1991名中1367名。)


回答者のうち、860名がチョコレートを、399名がその他のタイプのキャンディー類を好むことがわかりました。

(これらのグループの平均年齢は76歳です。)


居住スタイル、退職者、既婚率といった点について、チョコレートを好む群と、その他のキャンディー類を好む群とに差は認められませんでした。


一方、チョコレートを好む群の男性は、他のキャンディー類を好む群に比べて、BMI(体格指数)が低く、ウエストヒップ比も小さく、運動量が多く、より健康であると感じていることが示されています。


心理的な安寧を示す指標は、チョコレートを好む群において、有意に好ましい結果となっています。

(例えば、孤独感、幸福感、将来のプラン、うつ状態のスコアなどに関して。)



以上のデータから、今回の調査対象となった高齢男性の集団では、チョコレートを好むという嗜好と、心理学的な安寧/幸福が相関することが示唆されます。


(あくまで相関関係ですので、医学的な因果関係は不明です。

仮に因果関係があるとしても、チョコレートが原因で幸福になるのか、あるいは逆に、幸せな高齢者がチョコレートを好むのか、さらに検討が必要です。)

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