今月(6月9日号)の内科学の専門誌に、男性におけるビタミンD不足が心筋梗塞のリスクと相関するという調査研究が、米国のグループから発表されていました。
(Arch Intern Med. 2008 Jun 9;168(11):1174-80.)
ビタミンDの不足は、動脈硬化の促進に関与すると考えられています。
今回の研究では、血中ビタミンD(25-ヒドロキシビタミンD、25(OH)D)値と心臓病(冠状動脈疾患)リスクとの関係を検討するために、40歳から75歳の男性18,225名を対象に解析が行われています。
(The Health Professionals Follow-up Study)
10年間のフォローアップ中に454名が心筋梗塞を発症しました。
喫煙歴を一致させた対照群との比較の結果、25(OH)Dが低値(15 ng/mL以下)である群では、25(OH)Dが充足している群(30 ng/mL以上)に比べて、心筋梗塞の相対リスクが有意に増加するという相関が認められています。
(RR 2.42, 95%C:1.53-3.84)
心筋梗塞の家族歴、糖尿病の既往歴、アルコール摂取量、BMI、身体活動といった指標で補正した後でも、ビタミンD低値と心筋梗塞リスクとの関係は有意となっています。
(RR, 2.09; 95% CI, 1.24-3.54)
以上のデータから、ビタミンDが低値であると心筋梗塞のリスクとなることが示唆されます。
ビタミンDは必須栄養素であり、欠乏症を防ぐために一日あたりの摂取量の目安が定められています。
一方、近年の研究によって、ビタミンDの多彩な効果が示されており、健康保持・予防医学におけるビタミンD摂取の重要性が再認識されつつあります。
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ビタミンD不足が心筋梗塞のリスクと相関関係があるというのは、とても興味深く読みました。
でも、なぜ男性のみの研究となっているのか疑問にも思いました。
女性はビタミンDが不足しにくいとか、そういうことでもあるのでしょうか?
そんな背景なども書いていただいたりするとうれしいです。
これからも期待しております。