サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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清涼飲料水とベンゼンについて [2006年07月30日(日)]
一部マスコミ報道にありましたように、弊社の製品「アロエベラ」からWHOの基準値を超えるベンゼンが検出されたため、厚生労働省から該当製品の回収要請を受けました。
弊社では、要請を真摯に受け止め、対応いたします。


ただし、該当製品の摂取による健康への影響は、まったく考えられません。


(後述の計算のように、一日に何リットルものアロエベラを長期間摂取する、といったことのない限り、まったく問題ありません。)

理由は、

「(WHOの)ガイドライン値が飲料水を生涯摂取したときのリスクを考慮しており」、

「ガイドライン値を超える清涼飲料水をある一定量摂取していたとしても、特段の健康影響を生ずるということを意味するものではないこと」
(以上、厚生労働省)

だからです。


後述のように、ヒトにおけるベンゼンの摂取では、環境(大気)由来や喫煙に伴うものがはるかに多いことが知られています。


したがって、

「ヒトのベンゼンの摂取源の大半が環境由来(大気)であるということにより、環境由来のリスクに比して食品由来のリスクは低いものと考えられており、食品からの摂取に多少の増大があったとしても、リスクの増大への寄与は少ないものと考えられております(厚生労働省)」

とされています。



なお、米国FDA(食品医薬品局)でも、ソフトドリンク(清涼飲料)類において検出されるベンゼンについて、安全性に問題はないという通知を既に発表しています。
(米国では、コーラ類にベンゼンが検出されたため、話題になりました。)



今回の経緯は、以下のようです。


@低濃度ベンゼンの生成

本年3月以降、英米などの諸国で、清涼飲料水に保存料として利用されている「安息香酸」と、アスコルビン酸(ビタミンC)が反応することで、低濃度ながらベンゼンが生成されることが見いだされました。

英国などでは、念のため、10ppbを超える製品の回収が要請されています。
(ppb:10億分の1の分率)


A環境からのベンゼンの摂取

ベンゼンとは、工業製品の製造に利用される化学物質の一つで、環境中にも広く存在しています。
自動車の排気や石油の燃焼により環境中(大気中)に排出されるため、ヒトは呼吸によって摂取することになります。
その他、喫煙に伴う摂取も知られています。

ヒトへの摂取量は、食品からよりは、環境(大気中など)からの摂取がはるかに多いと報告されています。


これまで、次のような報告があります。
【大気】
呼吸による摂取:220マイクログラム/日
自動車に関連する摂取:32〜49マイクログラム/日

【喫煙】
喫煙:
7900マイクログラム/日(EU)
1820マイクログラム/日(カナダ)
受動的喫煙(間接喫煙):
63マイクログラム/日(カナダ)

【食品】
飲食物:0.2〜3.1マイクログラム/日(EU)
食品:1.4マイクログラム/日(カナダ)


Bベンゼンの基準値について

今回の検査で、厚生労働省が適応した判断基準は、「WHO飲料水ガイドライン(第3版)」による値です。

基準値(濃度)である10ppb(マイクログラム/L)を超える値であったため、今回、弊社製品が厚生労働省から製品回収の要請を受けました。

なお、WHOのガイドラインは「飲料水」を、一生涯という期間、摂取したときのリスクに配慮して作成された基準です。
(本邦では、清涼飲料水のベンゼンに関する法定基準値は存在していません。水道水の水質基準には10ppbの基準値があります。)

厚労省は、「飲料水」の一部が市販の「清涼飲料水」などに置き換わることを考慮し、同じ基準値を当てはめて分析しています。


英国の監督官庁によると、
「上限値である10ppbのベンゼンを含む水道水を、1日あたり20リットル摂ることによるベンゼンの摂取量」
と、
「1日あたり、大気中から吸入するベンゼンの摂取量」
が等しいということです。



C「アロエベラ」摂取の影響について

今回の「アロエベラ」を飲んできた場合の影響について考えてみたいと思います。
検出されたベンゼン濃度は73.6ppb(マイクログラム/L)(3検体の平均)でした。

「アロエベラ」に付属しているキャップは20〜30mlに相当し、摂取目安量は1〜2杯です。
つまり、1日あたり20mlから最大で60ml程度を召し上がっていることになります。

一方、ベンゼン濃度は73.6ppbですので、アロエベラ1ml中には0.0736マイクログラムのベンゼンが含まれることになります。

したがって、1日あたり(20ml〜最大60ml)換算では、
1.47マイクログラムから最大4.41マイクログラム
になります。

この値は、通常の食品由来にほぼ相当するものです。
前述のように、環境由来のリスクに比して食品由来のリスクは低いものと考えられており、今回の「アロエベラ」製品からの摂取による健康への影響はないと考えられます。

もちろん、該当製品については、厚生労働省からの要請にしたがい、対応いたします。


今回の問題は、弊社製品の製造過程で規制されている化学物質が混入したものではなく、既知の認可されている成分(安息香酸とアスコルビン酸)が、相互反応して低濃度の化学物質が生じたというケースです。

これは、今年の春以降、注目されてきた比較的新しい知見でした。
今後も医学生物学の分野では、さまざまな新しい知見が見出されてくると思います。

弊社では、今回の要請を真摯に受け止め、製品の品質管理に最新の科学的知見を反映させる努力を続けていく所存です。



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おぉ、アロエベラの件について、医師免許持った人が述べているようです。 こういう方向はネットがうまく使われている例だよね。 ただ、二週間前に59だったのに、今じゃ74。。。最近始まったばっかりみたいです。 http://www.dhcblog.com/kamohara/archive/59 [ReadMore]
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コメント
アミー漁は私たちを虜にします。
Posted by:アミー漁  at 2008年03月08日(土) 03:06

一般消費者も、無知すぎますよね。
本当に影響が出るなら、自主回収ではなくて、強制回収になりますよ。
科学の発展で、今までの見解が変わるなんて、よくある事じゃあないですか?

まだまだ試験管だけの論文を信じて、振り回されている方々が多くいらっしゃるみたいですね。(これは蛇足ですね)

多量に取ったら、体に影響かある・・そんなことって、ふつうの食べ物でも同じじゃないですか?
塩は高血圧に、砂糖は糖尿病に、等々、なりますよね。

現在の基準値自体が、継続的に摂取しても影響がでる値のさらにその下で設定されていること自体を知らない消費者が多すぎます。

DHC様には、これからも頑張って頂きたいです。
Posted by:通りすがり  at 2006年08月26日(土) 11:31

だいたい、厚生省は神経質すぎる。本当に御社には同情いたします。一般の方はppbがどれくらいの単位かわかっていらっしゃらないでしょうに、それを単に基準値の何倍などという言い方に翻弄される。
後、安息香酸もアスコルビン酸に匹敵する酸も自然由来で植物等存在しているのに、何も添加物を加えなくても10ppbぐらい出る清涼飲料水はごまんとあると思いますよ。
それが健康に疑問を持つというのなら、自営自作して食べればいい、そうすればどんなに自然にも危険な毒があり、それを防衛するのが人間の自然な行為だとわかるはずですから。パーフェクトワールドなんて存在しない、作ろうとすれば、またそれに被せる毒が出てくるので。
御社を応援しているものより。
Posted by:はっとん  at 2006年08月25日(金) 11:48

今回のアロエベラの件に関して、愛用者としては残念な事だとは思います。
しかし、従来は「問題ない」とされてきた物が、研究が進むにつれて「(大量に摂取すれば)問題あり」とされる物質や食物は、他にもたくさんあると思います。
数値にしても、研究によって許容値が上がり下がりすることは、当然の事ではないでしょうか?
確かに蒲原先生のコメントには、少々「指摘されたから仕方なく」という様な印象が全く無いとは言い切れません。それは、先生の研究の結果としての信念故だと思いますが…。
事実を公表し、自主回収を速やかに行ったことは、ある程度の評価は出来るのではないでしょうか。言い訳ばかりして、逃げてばかりいるよりかは、ずっとマシだと思います。
厳しい意見をコメントされている方もいらっしゃる様ですが、私はこれからもDHCを愛用していきます。
今回のことを教訓にして、今後DHCの皆様には、更により良い商品を提供して下さることを、期待しております。
Posted by:ちぃ  at 2006年08月21日(月) 22:59

おかしな意見を掲載されますね。
御社は健康をうたい文句に製品を販売されているのではないのですか?
本文を見ていると、たいした影響は無いけど、厚生労働省からしてきされたからしかたなく自主回収するようなイメージをうけます。
生涯飲み続けない限り身体に影響が無い?逆に言えば、大量に生涯摂取していれば健康を損なうって言うことでしょ。そんな飲料水を販売していたことに対して反省の色が感じられません。
そんな御社の対応に幻滅しました。
今まで信用して御社の製品を愛用してきましたが、今後、御社全製品の使用はやめさせていただきます。
厳しいことを言うようですが、健康をうたい文句にしている会社として、もっと責任ある対応をしてください。
Posted by:プリン  at 2006年08月18日(金) 21:45


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