昨日のブログで、コエンザイムQ10の1日あたりの摂取量は、60mgから90mg程度、あるいは100mg程度が目安と紹介しました。
これは、健康増進やアンチエイジングを目的として、抗酸化サプリメントとしてのCoQ10を利用する場合です。
これまでの臨床試験では、さまざまな病気に対して、CoQ10が次のような用法・用量で投与されています。
・各種心臓血管疾患(心筋症,高血圧,弁膜症等):75〜600mg/日,平均242mg/日を経口投与。
・高血圧:30〜360mg/日を経口投与。120mg/日を経口投与。120〜200mg/日を経口投与。平均225mg/日を経口投与。
・虚血性心疾患:狭心症に対しては60mg/日を経口投与。あるいは,狭心症に対して150mg/日を経口投与。心筋梗塞に対しては120mg/日を経口投与。
・心不全・心筋症:100〜200mg/日あるいは2mg/kg体重/日を経口投与。600mg/日の投与例あり。臨床試験ではCoQ10単独投与あるいは医薬品との併用投与のいずれも報告あり。
心不全の成人患者に対しては,多くの試験が100mg/日の用量で経口投与。
60mg/日の用量でも効果を認めた。心筋梗塞発症後の患者に対して再発予防目的で120mg/日の用量で経口投与。
・パーキンソン病:300mg、600mg、1,200mg/日を経口投与。
・糖尿病:100〜200mg/日を経口投与。
・筋ジストロフィー:100mg/日を経口投与。
・運動能向上:90〜150mg/日を経口投与。
・片頭痛の予防:300mg(分3)/日を経口投与。
以上は、医学出版社から刊行された、拙著『医療従事者のためのEBMサプリメント事典』(
アマゾン、
紀伊國屋書店、
ジュンク堂書店、
bk1)からの抜粋です。
このように、特定の病気に対して投与される場合、100mg以上と比較的多い量が投与されています。パーキンソン病では1,000mg以上投与という臨床試験も報告されています。
ただし、これらは、主に病気の改善を目的とした用量です。
一方、健康維持やアンチエイジングという目的であれば、1日あたり60mgから90mg程度が適切と考えられます。
特に、継続することが大切ですので、実際のCoQ10製品を選ぶ際には、昨日のブログに書いた「費用対効果」(
CoQ10の主要製品の比較表)を確認しましょう。
なお、CoQ10は、脂質と一緒に吸収される性質(脂溶性)のため、食事と一緒に(食後に)摂取するほうが効率よく吸収されます。
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