今月の栄養学の専門ジャーナルに、生薬複合サプリメントによる抗不安作用・抗ストレス作用を検証したヒト臨床研究が、米国のグループから報告されていました。
(Nutr J. 2008 Apr 21;7:11.)
今回の研究で用いられたサプリメントは、ホオノキ(学名Magnolia officinalis)とキハダ(Phellodendron amurense)の複合剤(Relora)です。
(なお、本邦では、ホオノキの樹皮はコウボクMagnolia Barkとして日本薬局方に収載されています。)
偽薬対照ランダム化比較試験として行われ、対象者は健康な肥満女性40名(BMI 25-34.9、年齢は20-50歳で更年期前)、用量用法はRelora®を250mg×3回/日で、6週間でした。
抗ストレス抗不安作用の評価指標として、Spielberger STATE-TRAIT質問紙法、唾液中のアミラーゼとコルチゾール値などが測定された結果、26名の被験者が試験を完了し、偽薬群と比べて、生薬複合剤投与群では、STATEによる改善が認められたということです。
ただし、TRAITによる長期的な有効性は明確ではありませんでした。
また、唾液中のアミラーゼやコルチゾールには、両群間で有意な変化は示されていません。
なお、有害事象は特に認められていません。
以上のデータから、論文著者らは、この生薬複合剤による一過性の抗不安作用が示唆される、と考察しています。
今後の研究進展が期待される分野です。
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