サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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クルミの前立腺がん関連マーカーに対する作用 [2008年05月26日(月)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、クルミの作用を検討した予備的な臨床研究が報告されていました。
(Nutr J. 2008 May 2;7(1))


ビタミンEの1種であるトコフェロールは、前立腺がんや心血管疾患を予防すると考えられています。


今回の研究は、トコフェロールの豊富な食材であるクルミの摂取が、前立腺がん関連マーカーや心血管マーカーに及ぼす影響を検討する目的で行われました。


被験者21名を対象に、通常の食事に加えて1日あたり75gのクルミを8週間摂取させ、血中トコフェロール値、PSA値(前立腺がんマーカーの1種)が測定されました。
(クルミ比摂取群との比較です。)

また、この研究に先立って、75gのクルミ単回投与によるタイムコース(摂取前、1,2,4,8時間後)の変化も測定されています。

その結果、タイムコース実験では、中性脂肪値は4時間値がピークであり、γ-トコフェロールは4〜8時間値にかけて増加しました。


次に8週間投与研究では、γトコフェロールは前値に比べて増加し、トコフェロール比(αトコフェロールとγトコフェロールの比)は低下しました。

このとき、PSAには変化は示されませんでしたが、フリーPSAと全PSAの比には増加傾向が認められました(P = 0.07)。

また、血中γトコフェロール値の増加を反映して、αトコフェロールとγトコフェロールの比は有意に減少しています。


以上のデータから、論文著者らは、クルミ摂取による前立腺がんマーカーの改善と血管状態の改善が示唆されると考察しています。


ただし、この研究は、サロゲートマーカーに基づくデータですので、臨床的意義についてはさらに検討が必要と考えられます。
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