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亀田騒動の陰で [2007年10月16日(火)]

先週から、愚かな父とその父の言うことしか信じないこどもの非常識な行動が巷間を賑わせています。だが、その週のできごとで、わたしには、彼ら以上に腹立たしく思っている犯罪者がいます。

その男は、金銭的対価と引き換えに自殺願望のあるひとに睡眠導入剤を販売し、あるいは自殺方法を示し、また自ら手を下しました。

自殺それ自体は、刑法上罪に問われません。そして、自殺不処罰の理由づけは諸説あります。でも、ここでは深入りしませんので、ご興味のあるかたは刑法各論の概説書を参考にしてください。

今回の事件では、犯罪者の行為は、被殺者の「嘱託を受けもしくはその承諾を得て殺した」行為とされ、法定刑が死刑まである殺人罪ではなく、最高刑が懲役七年の嘱託・承諾殺人罪に当たるとされました。

たしかに法理論的には、嘱託・承諾殺人罪の適用が妥当なのかもしれません。でも、わたしはどうにも納得できません。

この男(金銭的対価を得て殺人を犯すわけですから、殺し屋と呼んだほうがより的確な表現でしょう)から買った睡眠導入剤を利用して死んだ疑いがあるひとは複数おり、しかもそのうちひとりには自らの手で自殺を遂行させています。

そもそも、嘱託・承諾殺人罪がつくられるとき、殺し屋による複数人にたいする嘱託・承諾殺人は想定していなかったはずです。ネット上の見ず知らずの自殺願望者から金員を巻き上げ、自殺を手伝うことを生業とする、なんともおぞましい憎むべき殺し屋です。

近所のひとには、子煩悩な側面も見せていたという報道もありました。しかしながら、この殺し屋は、はたして自分のこどもが自殺したいと言ったときも引き止めることなく、ただちに睡眠導入剤渡し、あるいは自らの手で殺すことをためらわずにするのでしょうか。はなはだ疑わしいです。

わたしは、殺す屋を決して許すことはできません