サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ノコギリヤシの作用メカニズム [2009年04月14日(火)]
今月の薬学の専門ジャーナルに,ノコギリヤシ抽出物によるα1アドレナリン受容体結合活性および5α還元酵素阻害活性を示した基礎研究が,静岡大学のグループから発表されていました。
(Biol Pharm Bull. 2009 Apr;32(4):646-50.)



ノコギリヤシエキス(抽出物)は,良性疾患である前立腺肥大症の症状改善や予防のために広く利用されているハーブサプリメントです。




作用メカニズムとして,前立腺α1アドレナリン受容体や膀胱ムスカリン受容体,1,4-DHP(1,4-ジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬)受容体への結合が報告されてきました。


(前立腺および尿道のα1受容体を遮断することで,尿道内圧曲線の前立腺部圧を低下させ,BPHに伴う排尿障害を改善すると考えられます。)



ノコギリヤシエキスの主な成分として,ラウリン酸,オレイン酸,パルミチン酸,リノール酸といった脂質が知られています。



今回の研究では,これらの脂質による各受容体への働きが検討されました。


具体的には,ラット脳を用いて脂質の受容体結合能/阻害能(IC50)が測定された結果,ラウリン酸とオレイン酸のα1アドレナリン受容体,ムスカリン受容体,1,4-DHP受容体に対する非競合的な結合作用が見出されています。



また,LC/MSを用いた5α還元酵素阻害活性を検討したところ,ノコギリヤシエキスによる阻害活性が認められました。

(ラット肝臓においてIC50は101マイクログラム/ml。)


この作用は,各脂質(パルミチン酸を除く)でも示されています。




以上のデータから,ノコギリヤシエキスの効果は,主要な脂質であるラウリン酸,オレイン酸,ミリスチン酸,リノール酸によるα1アドレナリン/ムスカリン/1,4-DHPの各受容体への結合および5α還元酵素活性阻害を介して発揮されると考えられます。
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コメント
こんにちは!

難しいですがとても参考になりました。

また訪問させて頂きますね。
Posted by:とも(ノコギリヤシ研究家)  at 2009年05月03日(日) 17:08


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