臨床栄養学の専門ジャーナルに、ベジタリアン食の摂取と、痛風リスクとの関連を調べた疫学研究が、台湾のグループ(Fu-Jen Catholic University)から報告されていました。
(Clin Nutr. 2019 Mar 27.)
痛風は、尿酸が体の中にたまり、結晶になって関節炎を伴う症状になる病気です。
痛風が起きる前に、血中の尿酸値が高い状態があります。これを高尿酸血症といいます。
高尿酸血症は、食事やサプリメント、医薬品で改善できます。
高尿酸血症を放置すると、痛風となります。
さらに、腎障害を生じることもあります。
現在、日本での痛風患者は100万人、尿酸高値は1,000万人と推計されています。
高尿酸血症や痛風には食事が関係します。
『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン改訂第3 版(2019 年改訂)』には、
明治時代には痛風はいなかったと記載されています。
(当時の診断技術の問題もありますし、食事の影響が大きいにせよ、稀な遺伝子変異による内分泌代謝病として発症することもあるでしょうから、さすがに、痛風患者がゼロ、ということはないと思います。)
(実際、日本人の痛風患者では尿酸トランスポーターの一つであるABCG2という遺伝子の変異が知られています。)
現在は、
「痛風患者100万人時代に突入!尿酸高値は1,000万人!」
となっており、食生活の変化などライフスタイルの閉胸が原因として考えられます。
植物性食品を中心とした食生活は、尿酸の産生抑制や抗炎症作用により、痛風を予防すると考えられます。
今回の研究では、
2つの大規模なコホート研究が対象となり
ベジタリアン食と、痛風リスクが検証され、高尿酸血症との関連も調べられました。
具体的には、
コホート1:
2007-2009年にリクルートされた4903名を対象にした研究
(Tzu Chi Health Study)
コホート2:
2005年にリクルートされた9032名を対象にした研究
(Tzu Chi Vegetarian Study)
の2つで、2014年までフォローアップされました。
コホート1では試験開始時の血中尿酸値が測定され、
ベジタリアン食については、食事調査から判断されています。
痛風発症は、全国健康保険データベースから得られました。
解析の結果、
まず、コホート1では、
ラクトオボベジタリアン食が、最も尿酸値が低値でした。
次に、ビーガン食、
続いて、非ベジタリアン食でした。
(尿酸値:
男性はそれぞれ: 6.05, 6.19, 6.32 mg/dL,
女性はそれぞれ: 4.92, 4.96, 5.11 mg/dL)
29,673患者年のフォローアップ期間中、65名の痛風患者が見出されました。
ベジタリアン食の摂取群では、
痛風リスクが67%有意に低下
(高尿酸血症で補正ナシ:HR: 0.33; 95% CI: 0.14, 0.79)
あるいは
痛風リスクが60%有意に低下
(高尿酸血症で補正後:HR: 0.40; 95% CI: 0.17, 0.97)
という相関が見出されました。
次に、
コホート2では、
83,019患者年のフォローアップ期間中、
161名の痛風患者が見出されました。
ベジタリアンでは、
痛風リスクが39%有意に低いという相関が認められています。
(HR: 0.61; 95% CI: 0.41, 0.88)
以上のデータから、
台湾のベジタリアン食による痛風のリスク低減/予防作用が示唆されます。
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