今月の栄養学の専門ジャーナルに、アーモンドによる抗酸化作用を示した予備的な臨床研究が報告されていました。
(J. Nutr. 2008 138: 908-913.)
これまでの研究によって、ナッツ類の摂取が多いと心臓病(冠状動脈疾患)のリスクが低下することが知られています。
この作用機序として、コレステロール低下作用や、酸化LDL低下作用が示されてきました。
今回の研究では、抗酸化作用について検討する目的で、スナック類として摂取されるアーモンドの効果が検討されています。
高脂血症(脂質異常症)患者27名を対象に、同カロリー(423 kcal/日)にて、アーモンド全用量(73±3g/日)、半量(アーモンド半量+対照食半量)、あるいは対照食(低飽和脂肪酸の全粒マフィン)が1ヶ月間投与されました。
その結果、投与4週間後の時点で、対照群に比べて、アーモンド全用量投与群では、血清MDA値が有意に低下(P = 0.040)し、尿中isoprostane(酸化ストレスマーカーの1種)も有意に低下(P=0.026)したということです。
また、体重では、半量投与群では対照群において有意な減少が認められています(P < 0.01)。
このとき、血中のトコフェロール値や総コレステロール値には有意な変化は認められていません。
以上のデータから、アーモンド摂取による抗酸化作用が示唆されます。
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