Neko

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わが家の犬の話 [2007年01月14日(日)]
わが家には、昨年末まで、犬がいた。雌の柴犬であった。

 一昨年の夏のころの話である。彼女はもともと迷い犬として近所の方が交番に届け出た犬であった。交番から警察署に移され、翌日、犬の収容所につれていかれるという話を聞いて、かわいそうになり、引き取ってきた。獣医さんに見せたところ、彼女は推定年齢13、4歳で、両目とも白くにごり、足もやや不自由であった。これだけ長く飼われた犬だから、飼い主さんも必死に探しているだろうと考え、保健所と近隣の3つの警察署に届け出・問い合わせをしたが、彼女の捜索願は提出されていなかった。

 うちのねこたちは、ときたま友だちの犬を預かることもあるので、犬にも馴れている。ただ、彼女がねこに馴れるかどうか、心配したが、ねこに吠えつくもなく、ねこと彼女と人間の同居生活がスタートした。

 犬を散歩していると、自然と《犬仲間》ができる。そうした犬仲間のうちのひとりが、「彼女を見たことがある」とおっしゃってくれた。そこで、その方に元の飼い主の様子を探っていただいた。すると、元の飼い主はもう新しい犬を飼いはじめており、「前の犬は死んだ」と言ったそうだ。ひどいものだ

 はじめのころ、元気に、といっても年齢相応にということだか、散歩をしていた彼女であったが、飼いはじめて一年を経過したころから、だんだん老いが目立つようになった。夜泣きをはじめたり、意味もなくぐるぐる回ったり、失禁したり、・・・。これらは、犬、とくに柴犬に多く見られる老いの症状だった。真夜中に起こされたり、失禁の後始末など、苦労したこともあった。正直、とてもつらい時期もあった。でも一度飼いはじめた以上、最後まで面倒を見るのは当然だと思っていた。

 昨年の十一月の下旬、立つこともできなくなったため、獣医さんに診察してもらったところ、「もう寿命が迫っており、入院しても完治することはない」、と言われた。じぶんのうちで最後を迎えてほしいと考えていたので、入院はさせず、家族で介抱した。彼女と仲が良かったねこの何匹かは彼女の脇に一緒に寄り添って寝ていた。獣医さんの診察からまもなく、彼女はこの世を去った

 うちに来る前の十何年か、彼女がどういう生活をしていたのか、知らない。
でも、彼女が亡くなるときは幸福であった、と信じたい。