Neko

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あたりまえのこと [2007年01月21日(日)]
 関西テレビ制作の「あるある大事典」で、ねつ造データをもとにしたずさんな番組づくりが行われていたことが発覚した。

 ざっくりいうと、「納豆を食べて、やせよう」という内容であったが、放送直後から、にわか納豆ブームが襲来し、あちこちの食料品売り場から納豆の姿が消える事態まで引き起こした。

 この問題に関し、とても興味深いコメントを発見したので、ご紹介しよう。

 本日付けの毎日新聞東京版朝刊に《ナットウキナーゼ》の発見者として知られる納豆研究の第一人者、須見洋行倉敷芸術科学大学教授のコメントが載せられている。ここでそれを引用したい。

 「納豆は1000年以上も日常的に食べられてきたが、やせるという作用は聞いたことがなかったので、本当かなと思っていた。物を食べているのにやせるというのは異常なことで、そんなことがあれば体に毒だ。」

 至極当然のコメントだだいたい食べものは栄養を補給し、からだをつくるために食べるのである。食べてやせるとは、そもそもあり得ない話で、そんなものからだに毒だ、という須見教授の意見はただ当たり前のことを言っているだけだ。

 今回の事件は、ねつ造番組を制作した関西テレビがもちろん一番悪いが、納豆を食べて、やせられると思ってしまった視聴者にも問題がある。

 最近、わたしたちはテレビや雑誌などで垂れ流される「情報」を吟味することなく、鵜呑みにすることが多い。しかし、今世紀に入ってから、とくに強く感じていることだか、テレビや雑誌のような情報の送り手のレベルは明らかに下がってきている。それは本来、時間かけながら見極めなければならない性質の情報すら短時間で処理しようとすることに起因する。時間がないから、はじめに結論ありきでデータをねつ造したり、その道の権威とよばれるひとの個人的見解を垂れ流しに紹介したり、表面をなぞっただけなのにそのものの本質であるかのような過大な強調をしたりする。

 今の日本が、さまざまな意味で転換期にあることは、衆目一致するところであろう。「権威」に流されることなく、じぶんたちのこども、そのまたこどもたちの未来までも十分考慮した上で、じぶん自身で判断・決定していかないと、とりかえしがつかないことが起きるような気がしてならない。