美女と竹林
森見登美彦/著
発行年月:2008年8月
作家だけやっていていいのか?と考えた登美彦氏は美女と並んですきな竹林を知人から借り、将来の多角的経営を夢見て、先ずは、借りた竹林の伐採に励もうとする。
だが、なかなか簡単なことではなかった。
虚実、妄想が入り乱れる初随筆
これは、森見作品のファンなら受ける!
面白かった!
でも、森見氏の作品を読んだことが無い人が読むと、もしかしたら「???」かも。
何処までが事実で何処までが妄想なのやら?
滅茶苦茶なかんじがしますが、それが可笑しい!
拝借した竹林の伐採に心は向かい、あるときは、知人を誘い、堅い竹をのこぎりで悪戦苦闘しながらひたすら伐採する。
そしてまたあるときは、心は竹林に向かっているのに、他の用事で竹林に向かえないもどかしさを感じる日々が続く。
こうして説明するとなんて退屈なはなしなんだ!?と思うでしょうが、これがファンにはたまらないのです。
出てくる人物がまた面白く、特に「美女に会ったら伝えてくれ。俺は嫁を大事にする男だと」という友人の明石氏。
この明石氏と森見氏の会話が愉快。
この明石氏は実在する友人という話をある文芸誌インタビュ−で読んでいたので、また何かの機会に登場していただきたいと個人的には思いました。