告白
湊かなえ/著
発行年月:2008年8月(第1刷)
9月(第6刷)
中学の終業式後のHRで娘は事故で死んだのでは、なく、このクラスの生徒に殺されたと話し、犯人を示した後、辞職した女性教師。
事件の背景にある生徒たち、その親、家族がそれぞれ連作形式で事件前後のそれぞれの生活の様子、心境などを告白していく。
最初の女性教師の話し方がすごく怖かった。
淡々と静かに綺麗な言葉で、自身の教師になるまでの経緯。結婚から子どもを産んだ後の生活やそのときの気持ちなどを語る。
が・・・既に警察では、事故死で片付けられている自身の娘の死の真相を語るのに、その淡々とした口調はかえって不気味でした。
辞職した後、クラスを担当した男性教師は、一見、熱血漢溢れ、良い先生の様子ですが、みせかけだけの(本人はそのつもりはないのかも?)励ましや言葉かけは、かえって多感な時期の子どもたちを追い詰めることになるという悲劇。
少年犯罪の不可解さが、この小説で少しだけ理解できたような気持ちもしました。
話としては、救いのない重苦しい話で、読後も嫌な感じが残るのですが、衝撃的なはなしでこの本の内容はずっと忘れないだろうなぁ〜というかんじ。
犯人に当たる少年たちは罪を償うべきだとは思いますが、最後に与えられた仕打ちは、酷すぎる。
同情などする余地ないと考える方もいるとは思いますが、わたしは少し、同情もしちゃいました。
この著者のほかの書を読みたいと思ったら、ビックリ!
これがデビュ−作だとか。
連作の短編という構成なので、最初の女性教師の告白部分である「聖職者」で昨年、第29回小説推理新人賞を受賞されているそうです。
次回作が、待ち遠しい!
凄い、新人作家さんが登場したものだわ!
初版から1ヶ月で6刷というのも数多くの方に支持されている証拠でしょう。
わたしも図書館で予約を8月にしましたが、手元に届いたのが先日ですから・・・・。
この類の話は、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、読み始めたら、絶対、止まらなくなる話の展開です!
もう、読み始めたらホント、「え?どうなるの?」って気になって一気読み間違いなしだよ。
同じように中学生の子を持つ、親としても他人事じゃないような内容で、深く考えさせられました。
早く、手元に来るといいね。
そうそう、谷村さんの新刊予約手配中で2番でした。1番はぴゃおさんだね?
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