北緯14度
絲山秋子/著
発行年月:2008年11月
30年来、熱狂的なドゥドゥ・ンジャエ・ロ−ズのファンである著者。
著者が神様とまで言う人物に会うため、向かったのは西アフリカ・セネガル。
2ヶ月間の長期滞在の間、著者が感じたこと、考えたことを綴った紀行文。
絲山さんの小説は、幾つか読みました。
女性なのに、なんだか男の人が書くような文章だなぁ〜なんてわたしなりに思っていたのですが、やはり男性的かも?
なんだか、行動や話すことば、考え方が男っぽい。
いえ、イヤな意味でなくて・・・・大胆で、サバサバしたかんじ。
大体、西アフリカに2ヶ月間も滞在しようなどと、思いつきで行っちゃうなんて事自体が、わたしにはムリです(笑)
1箇所に留まらず、結構、あちこち移動して、その間の出来事が日本では「うそでしょ?」みたいな事だらけで、さすがの著者も「2ヶ月ももつのか?」と最初は書いていました。
日本の生活に慣れたものには不自由な暮らしですが、人との関わりを通じて日本では得られない貴重な体験もまた多くしてゆく・・・・いいなぁ〜未知なものへ触れるって!
なんて思ったりもしたけど、トイレ事情を知ったら、やっぱりムリ!(笑)
絲山さんはでも凄い!
熱出して、下痢して嘔吐してを何度かしながらもちゃんとそこでの暮らしを楽しんでいて、神様と思い続けていた人に会ったときは、「あ〜やっぱり凄い!」と感動して。
ドゥ・ドゥ・ンジャエ・ロ−ズさんというのは、ミュ−ジシャン?
絲山さんは9歳のときに偶然、テレビで彼のライブをみたそうです。
打楽器だけで構成されたオ−ケストラの心を高揚させるリズムに魅了されたそう。
そんな音楽の背景にあるものを探すために向かったのがセネガル。
さて、どんな音楽なんでしょう?
機会があったら聞いてみたいと思いました。
来たときにはホ−ムシック気味だった絲山さんですが、帰るときには、帰りたくないと強く思って実際、帰国したら、セネガルが恋しくて虚ろな日々を過ごす絲山さん。
彼女の素顔がいろいろ知れて、小説のファンには楽しい紀行文でした。