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QOL [2007年09月18日(火)]
アトピー患者にとって、わりとQOLって、なおざりにされてませんか?

QOL……Quolity of life……生活の質ってことなんですけど。
ふだんの生活がすごくつらいのに、「たかが痒いぐらいで」ってみられている気がすごくします。

本当はね、拷問の中で一番つらいのは、「寝かせない」ことと「痒みを与えること」なんだそうですよ。
痛みより、痒みのほうが、人間のからだにはつらいのです。
なぜかっていうと、痛みは人間のからだはブロックできるんです。
それは、痛みを感じる神経は脳下垂体を経由するからなんですって。
でも人体の痒みを感じる神経は、脳下垂体を経由せずに、直接、指先に信号を送るんだそうです。
だから、ブロックできない。

逆にいうと、痛みよりも痒みのほうが、人体にとって危険度が高いってことだと思うのです。
だから、いちいち頭で考えないで、まず手が動くようにできている。
この構造を考えたら「掻くな」というのが、無茶だってことが分かりますよね。
その無茶なことを、当たり前のようにいうわけです、医者も家族もまわりの人間も。

掻いちゃいけないのは肌を傷つけるから……といっても、現実そこに痒みがあって、それは耐えがたい状態なのに、しかも、とめようとしたって勝手に手が動くのに(そういう仕組みだから仕方がない)、なぜいけないの?どうして?
痛くてたまらないときは、痛み止めってものがあるけど、痒くてたまらないとき、痒み止め……そんなに簡単にはきかないですよね。
しかも、ステロイド剤とか、抗ヒスタミン剤とか、副作用も考えるとそう簡単には使えない。
でも痒い。

これが、どのぐらい耐えがたいことか、経験しなくては分からないことだとはおもいますが。
経験してない人が「痒いぐらい我慢しなさい」というのは、論外だと思うわけです。
そもそも、そう言われること自体が、すごくQOLをさげてしまいます。

でもって、「眠れない」実はアトピー患者にはこれが多いんですよね。
眠れないというところまでいかなくても、眠りが浅い。私なんか最盛期には一時間ごとに目覚めていました。まともに寝た気になれなかったです。
絶えず痒い状態だから、神経がいらついていて、ぐっすり眠ることができません。

ほら、拷問の一番ひどい形態でしょう?
アトピー患者は、拷問されるような苦しみにあっているのだってこと、ほんと、理解されてないとおもいます。

で、痒みに関しては、私はもう自分に「掻いてもいい」とGOサインを出してしまって、思う存分掻いていました。
ポイントは、「掻いたからといって、自己嫌悪に陥らないこと」です。
自己嫌悪に陥るのは、とーーってもつらいし、そもそも病気を直すことができません。
それどころか悪化させることすらある。
だから、「掻いてもいいのだ。掻いた結果がどうなろうと自分の責任だ。他人のせいじゃなくて、自分で責任とれれば、掻いてもいい」というぐらい、けっこう、切羽詰まった状態から、掻くの解禁にして、がりがりと掻いてみました。

実際、掻くと一時的にせよ肌はひどい状態になります。刺激を与えるから赤くなるし、血がでたり皮が剥けたりする。
本当に腫れて体液が滲んでる状態では、さすがに触ることもできないので、外側をおろおろ掻くと、かえって痒みが増したりね。
でも、赤くなっても「刺激を与えたんだから、赤くなるのは当たり前。むしろ、刺激を与えて早くだしたほうが早く終わる」と自分で勝手に決めつけていました。
血はね。
アトピー部分から出る血って、流れないでしょう?
血には鮮血と淤血があって、傷口から流れる鮮血と違って、アトピーの血は表面張力で丸くなってしまう淤血なのです。
つまり、血の中に余分な物質がいっぱいはいっている。
これは、要するに、排出してもいいものなんです。
実際、漢方ではよく、淤血を抜くなんてことをする。
漢方だけじゃないです。西洋でも中世には、瀉血(しゃけつ)といって悪い血を出す治療方法がありました。そのためにナイフを使うので、床屋がこの瀉血を行なっていました。で、床屋が外科になったわけです。
あの床屋さんの前でくるくる回る赤と白と青の斜めストライプの標識ありますよね。あれは実は「瀉血療法いたします」という意味でなんですよ。(動脈・包帯・静脈という説は、違うらしいですけど)
そんなわけで、がりがり掻いて血がでたら、その外側をつまむようにして、もう少し血を絞り出したりしてます。これは漢方医が実際にやってくれてるのをまねしてるだけ。
でも、すぐに乾いてしまうのよね。
で、乾くとかさぶたになるので、これが問題。
そもそもかさぶた状になると傷の治りが遅くなるのは、すでに知られているとおもいます。
しかもこの血は、痒いものがいっぱいまじった血なわけだから、乾いたらそりゃぁ痒いわけです。で、またかきむしる。
だから登場するソフポア……ってわけで、傷口を空気から遮断し、かつ、体液や血は出してしまうのが一番よろしいようです。

もちろん、掻くという行為そのものが、アレルギーを引き起こすケースはあります。
いわゆる、接触アレルギーのタイプの人は、極力、避けないといけませんね。
だから、誰にでも勧められるもではないし、一時的にせよ悪化するから、長い目で見ないといけないし、お勧めできるものじゃあないんですが。
私は、掻いてます。
掻いても平気。
掻き出して直すって感じ。

これのいいところは、とにかく痒いときに、イライラしないってことです。
思う存分掻いてしまうと、すっきりして気分がよいのです。
そのあとの傷口の手当てさえきちとんとすれば(感染症にならないようにね)ですね。
痒くて眠れないのは、どう考えてもからだに酷ですから、それこそ痛みが出るまで掻いたこともありました。
痛みが出ると、一時的に痒みを忘れます。でもって、痛みはからだがシャットアウトできるので、すぐにおさまります。
それでようやく眠れる。
眠りを確保するためには、それしかないってこともありました。
だから、「なんでもいいから掻いちゃえ〜」という気持ちではなく、やむにやまれずだったんですが。
とにかく、「自己嫌悪」にならないように、前向きになる理屈(屁理屈ですな、ほんとは)をつけてですね。
自分の行為を正当化しておかないと、こんどは精神的にやられてしまう。
ほんと、厄介な病気です。

アトピー患者の精神面も、ほんと、なおざりにされてますよね。
私の印象では、自律神経失調症からノイローゼにいたるかなり精神的な痛手をうけるものなのに、そこの部分が切り離されている。
皮膚科と、精神科が、別の医者だからってこともありますけど、でも人間のからだはひとつですからね。別々に考えるほうがおかしいのにね。
現状、皮膚科の保険点数とか、精神科のおかれた環境とかを考えると、どっちがどうとは言えないけれど、患者本位でない治療体制だってことだけは、間違いないですね。
どうにかならないものなのかしら。

解決法のひとつは、私のように、内科にかかることかもしれません。心療内科も一緒のとこだと、さらにベターな気がします。