心血管・代謝・栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,地中海食による2型糖尿病への影響を検証したランダム化比較試験が,オーストラリアのグループから報告されていました。
(
Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2010 Jul 29.)
地中海食(地中海ダイエット)とは,欧州・地中海地域の伝統食で,野菜や果物,全粒の穀類,種実類,オリーブオイルの摂取が多いという特徴があります。
これまでの研究によって,動脈硬化性疾患・虚血性心疾患のリスクを低減させる効果などが示されています。
さて,今回の研究では,伝統的な地中海食による2型糖尿病への影響が検証されました。
具体的には,47〜77歳の2型糖尿病患者27名を対象に,地中海食あるいは通常食のいずれかが12週間投与され,クロスオーバー法にて効果が調べられています。
(食事摂取状況・試験食の遵守状況は,血中カロテノイド類および脂肪酸の値で確認されました。)
糖代謝や脂質代謝,炎症指標などが測定された結果,
通常食摂取群に比べて,地中海食摂取群では,
血糖コントロールの指標であるHbA1cが7.1% (95% CI: 6.5-7.7)から6.8% (95% CI: 6.3-7.3) へと有意に低下(改善)し(p=0.012),
食事の質も有意に改善(植物性食品:動物性食品 (g/日)比が1.3 (95% CI: 1.1-1.5) から5.4 (95% CI: 4.3-6.6) へと有意に増加(p<0.001)),
血中カロテノイドのリコピンとルテイン/ゼアキサンチンは増加(それぞれ36%と25%),
血中飽和脂肪酸とトランス脂肪酸は低下,
血中単価不飽和脂肪酸は増加,
というデータが示されています。
以上のデータから,適度な脂質を含む伝統的な地中海食の摂取は,2型糖尿病における血糖コントロールや食生活の改善に有用であることが示唆されます。
近年の研究では,精製されたオリーブオイルよりも,エクストラバージンオリーブオイルの機能性も示されています。
これは,脂質としてのオリーブオイルの作用に加えて,オリーブに由来するファイトケミカル・ヒドロキシチロソールの働きによると考えられています。
DHCでは,
エクストラバージンオリーブオイルを取り扱っています。
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