繁殖学の専門ジャーナル(電子版)に,動物を用いて,マカによる精子機能の改善効果を示した研究が,スイスのグループから報告されていました。
(
Theriogenology. 2010 May 7.)
マカMaca (学名
Lepidium meyenii)は,南米産の生薬の1種です。
現地の伝統医療において,滋養強壮のために用いられてきました。
基礎研究や予備的なヒト臨床研究では,勃起障害に対する効果が示唆されています。
そのため,男性向けの機能性食品素材・サプリメントの成分としても知られています。
さて,今回の研究では,種牛を用いて,マカによる精子機能や繁殖行動への影響が検証されています。
具体的には,55から84週齢の種牛78頭を対象に,マカ(乾燥胚軸233 mg/kg体重/日)が10週間投与され,8週間の精子形成周期について2回にわたり作用が検討されました。
(クロスオーバー法にて,10週間×2,3週間のwashout,合計23週間)
解析の結果,最初の10週間にマカを投与された後の10週間(つまりクロスオーバーで2周期目の対照群としての期間)において,精子数の増加および精子機能の改善が認められたということです。
なお,マカ投与群では,繁殖(交尾)行動,体重,体温といった指標に関して有意な差は認められていません。
以上のデータから,マカ投与による妊孕力の改善作用が示唆されます。
マカには,シルデナフィル(バイアグラ)などの勃起不全治療薬のような速効性は期待できません。
この研究でも示されているように,数週間以上の継続した投与による効果が考えられます。
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