栄養学の専門ジャーナルに,オリーブリーフ(葉)抽出物による代謝改善作用を示した基礎研究が,オーストラリアのグループ(University of Queensland)から報告されていました。
(
J Nutr. 2010;140(5):946-53.)
オリーブリーフ(葉)には,オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており,抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。
今回の研究では,オレユロペンを主成分とするオリーブリーフが,高炭水化物食負荷,高脂肪食負荷時の代謝障害を改善するかどうか,検証されました。
具体的には,ラットを用いて,高炭水化物・高脂肪食負荷(炭水化物52%,脂肪24%の食事負荷および果糖25%含有水投与)群,コーンスターチ食負荷(対照食)群のいずれかにて16週間の介入試験が行われました。
オリーブリーフ抽出物は,高炭水化物・高脂肪食と,コーンスターチ食のそれぞれの負荷8週間後の時点で,実験食に8週間追加して検証されています。
16週間の高炭水化物・高脂肪食負荷の結果,腹部脂肪の蓄積,脂肪肝,高血圧,糖代謝異常,心肥大,酸化障害マーカーの増加といったメタボリック症候群の徴候が見出されました。
一方,高炭水化物・高脂肪食にオリーブリーフ抽出物を併用した群では,心血管異常や代謝異常の徴候が改善あるいは正常化していたということです。
以上のデータから,高炭水化物・高脂肪食負荷モデルにおいて,オリーブリーフ抽出物による慢性炎症の抑制および抗酸化作用を介した糖代謝・脂質代謝改善作用が示唆されます。
今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。
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