サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ピザの値上げでダイエット [2010年06月06日(日)]
内科学の専門ジャーナルに,炭酸飲料やピザの値段と,体重や消費エネルギーとの関連を調査した研究が,米国のグループ(University of North Carolina at Chapel Hill)から報告されていました。
(Arch Intern Med. 2010;170(5):420-6.)



米国では,肥満対策としてのソーダ(炭酸飲料)税に関する議論が行われています。

(ジャンクフード税,体脂肪税,肥満税などいろいろ考えられます。)


今回の研究では,1985-86年から2005-06年にかけて,20年間にわたる縦断的研究として,若年成人5115名を対象に,食品の価格,摂取食事量,エネルギー消費量,体重,インスリン抵抗性との関連が調べられました。

(Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA)研究の一環です。)



解析の結果,炭酸飲料やピザの値段が10%あがると,それらの食品からの摂取エネルギー量は,7.12% (95% CI, -63.50 to -10.71) あるいは11.5% (95% CI, -17.50 to -5.50) それぞれ有意に減少したということです。



また,炭酸飲料の値段が1ドル上がると,

1日あたりの摂取エネルギー量は124キロカロリー減少(95% CI, -198 to -50 kcal),

体重は1.05kg減少(95% CI, -1.80 to -0.31kg),
インスリン抵抗性(HOMA-IR)は0.42低下(95% CI, -0.60 to -0.23)した

という相関が見出されました。


ピザについても同様の傾向が示されています。


さらに,炭酸飲料とピザの値段が両方とも1ドル上がると,

摂取エネルギー量は181.49 キロカロリー減少(95% CI, -247.79 to -115.18 kcal),

体重は1.65kg減少(95% CI, -2.34 to 0.96 kg),

HOMA-IRは0.45低下(95% CI, -0.59 to -0.31)となり,

より大きな改善が認められました。




以上のデータから,米国の若年成人における肥満対策としては,ジャンクフードに対する課税の有用性が示唆されます。




米国らしい議論ですが,一方では自己責任という考え方もあります。

(日本とは医療保険制度が異なりますので,自分の選択や行動がもたらした結果には自分が責任を持つべきという考えです。)


日本では,食育を介した啓発という考えが受け入れやすいかもしれません。



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医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
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