東日本大震災により被害を受けられた皆様に,心からお見舞いを申し上げます。
被災地の一日も早い復旧,復興を心よりお祈り申し上げます。
なお,私どもDHCによる支援活動は,
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「東日本大震災 被災地への支援活動について」
からご確認いただけます。
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、食事由来のポリフェノール摂取に関する調査研究が、フランスのグループから報告されていました。
(
Am J Clin Nutr. 2011 Apr 13)
ポリフェノール、ファイトケミカルは、植物に含まれる色や香りの成分です。
カロテノイド類やフラボノイド類が知られています。
トマトの赤い色素のリコピン、ブルーベリーのアントシアニン、大豆イソフラボン、緑茶カテキンなどが代表的なファイトケミカルです。
近年、ファイトケミカルの抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性が示されており、サプリメントの成分として広く利用されるようになりました。
また、これまでの疫学調査では、ポリフェノールの摂取と健康保持との相関が示唆されています。
しかし、多くの研究は、40種類以下のフラボノイドやリグナンアグリコンに関する調査に限定されています。
そこで、今回の研究では、食事に由来する多様なポリフェノール摂取に関して食事調査による評価が行われています。
具体的には、サプリメント研究の被験者を対象に構築されたデータベースで、452種類の食材が測定されています。
(この研究は、SU.VI.MAXと呼ばれ、マルチビタミン・マルチミネラルによる効果を示したことで有名な研究です。)
45−60歳の男女4942名を対象に、24時間の食事調査が最低6回行われています。
解析の結果、SU.VI.MAX研究の被験者は、
合計337種類のポリフェノール類を摂取し、
258種類のポリフェノールは半数以上の被験者が摂取、
98種類のポリフェノールは1日あたり1mg以上、摂取されていたということです。
総ポリフェノールの平均摂取量は、
1193 ± 510 mg/日
(アグリコン換算では820 ± 335 mg/日)
でした。
ヒドロキシけい皮酸エステルとプロアントシアニジンが最も多く摂取されていたポリフェノールとされています。
非アルコール飲料と果物が、ポリフェノール摂取に関して重要な供給源でした。
(ただし、各食材におけるポリフェノール含有量は、季節性変動などを含めると、必ずしも確立しているわけではないので、絶対値としては参考程度かもしれません。)
一般に、疫学研究では、緩徐な作用をする食事性因子と、疾患との因果関係を示すことは容易ではありません。
むしろ遺伝素因やエピジェネティックのレベルでの人の多様性を考えると、従来の交絡因子で補正したくらいでは、食品成分の有用性は検出できないと思います。
(そのため、偽陰性になるケースや、RCTでエビデンスが示されていない=効果がない、といった誤解が一人歩きしているのが現状です。
たとえば、緑茶に抗がん作用がないといった大規模研究をNEJMに報告した東北大学の疫学のグループなどは、誤った方法で間違った結論を導いた典型例でしょう。
緑茶ポリフェノールの機能性は、十分なエビデンスの構築が行われています。)
ポリフェノール、ファイトケミカルの臨床的意義については、
基礎研究も含めて、総合的俯瞰的な判断に基づくガイドラインの作成が求められます。
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