サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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初校ゲラチェック [2011年07月31日(日)]
今日は、初校ゲラの確認をしていました。


明日提出予定です。


当初の予定より3割ほど、ページ数が多くなったため、ちょっと時間がかかってしまいました。


文章の推敲をしているときりがないのですが・・・。


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健康者表彰 [2011年07月30日(土)]
健康保険組合より健康者表彰の品物が届きました。


1年間、保険を利用しなかったということで、健康維持に対するインセンティブのようです。



多くの健康保険組合は、近年、年間収支が赤字に転落しています。


高齢者医療への拠出金増加や、被保険者における生活習慣病の増加などが原因です。


セーフティネットとしての公的な保険制度は必要と思いますが、制度が発足した当時と比べて、現在では、人口の年齢構成や疾病構造が大きく変化しています。


医療費が高騰し、保険制度が事実上破綻している現在、個人のライフスタイルに起因する生活習慣病に対して、公的な医療保険でカバーする必要はないと思います。



たとえば、健康維持のために個人が購入した健康食品・サプリメント、スポーツジムの会費などは、健康維持に必要な経費として所得税の控除対象にするような制度を設けて、個人のレベルで健康維持のためのインセンティブが働くようにするほうがいいと感じています。


(現行の税制では、医療費に対しての所得税控除となっていますので、健康維持に対するインセンティブにはなっていません。)


(もちろん、健康診断による早期発見・早期治療は重要です。)



ちなみに、健保組合から届いた品物は、体組成計(体脂肪計付き体重計)でした。




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クランベリー vs.抗生剤 [2011年07月29日(金)]
今月の感染症の専門ジャーナルに、クランベリーエキスによる尿路感染症予防作用を示した臨床研究が、オランダのグループ(Academic Medical Center, Amsterdam)から報告されていました。
(Arch Intern Med. 2011 Jul 25;171(14):1270-8.)



クランベリーの果実(果汁)は、有効成分としてアントシアニン類やキナ酸、トリテルペン類、カテキン類、タンニン類、フラボノール類を含み、膀胱や尿道への細菌付着を抑制する作用があります。

尿路感染症の再発予防および治療に対して用いられており、これまでの臨床研究でも有効性が示されてきました。

クランベリー果汁は酸味が強いため、そのままでは食用に向かず、一般に甘味料が添加されます。


尿路感染症の再発予防に対して、果汁の代わりにクランベリーのサプリメントも広く利用されています。


さて、
今回の研究では、再発性尿路感染症を有する221名の閉経前女性を対象に、

・クランベリーエキスカプセル1000mg(分2)/日、

・抗生剤(TMP-SMX)480mg

のいずれかが12ヶ月間、投与されています。


エンドポイントは、12ヶ月間の症候性尿路感染症UTIの回数、少なくとも1回以上の症候性UTIを生じた患者の割合、抗生剤耐性大腸菌の発生です。



12ヶ月間の解析の結果、
1回以上の症候性UTIを生じた患者の平均数は、
クランベリー群;抗生剤群=4.0 vs 1.8; P = .02でした。

また、UTIを生じた患者の割合は、
クランベリー群の78.2%に対して、 抗生剤群は71.1%となっています。


いずれもクランベリーよりも抗生剤のほうがやや抑制されている結果です。


初回の症候性UTI発生までの期間は、クランベリーは4ヶ月間、抗生剤は8ヶ月間であり、抗生剤を予防的に服用するほうが、抑制されています。


ただし、予防的に抗生剤を投与することで、副作用や耐性菌の発生リスクが生じます。



実際、耐性菌の発生率に関して、1ヵ月後の時点では、
クランベリー群では糞便由来の23.7%、無症候性細菌尿大腸菌の28.1%がTMP-SMXへの耐性を示しました。


これに対して、抗生剤投与群では、糞便由来の86.3%、無症候性細菌尿大腸菌の90.5%が耐性となっています。


つまり、尿路感染症に対して、予防的に、抗生剤を投与するほうが、クランベリーエキスを投与するよりも、感染症予防効果は高いようですが、一方で、抗生剤への耐性菌の発生が問題となります。


クランベリー群も抗生物質群も、予防的にはどちらでも利用しうると思いますが、

統合医療的アプローチでは、

予防にはクランベリーエキスサプリメント(糖質を含むジュースではなくてサプリメント)を利用します。


特に、妊娠可能な若年女性に対して、予防的に抗生剤を投与し、耐性菌を高率に発生させて、という方法は、アロパシー医学の方法です。


統合医療では、必要に応じてUTI治療目的では抗生剤を投与しますが、UTI予防目的で若年女性に抗生剤を出すことは少ないと思います。

また、自然療法を強く出す統合医療医であれば、クランベリーエキスの用量を増やすことで治療目的にも対処するという方法があります。


日本では、クランベリージュースとクランベリーサプリメントの区別がなされておらず、標準化されたクランベリーサプリメントによるUTIの予防や治療に関しての適正指標の情報が十分に啓発されていないという問題があります。


(さらに、現行の日本の国民皆保険の医療モデルでは、女性が尿路感染症を再発するたびに病院を受診して検査を受けて、抗生剤を出すほうが、儲かる仕組みです。クランベリーエキスを予防的に摂ることで、再発の回数が減ってしまうと、治療の機会も少なくなるので、既存の医療のビジネスモデルとは相容れないものになります。)



米国のプライマリケア医や家庭医療の専門医であれば、女性の再発性尿路感染症の予防に対して、(クランベリージュースではなくて)無糖のクランベリーサプリメントを推奨することは、一般的になっています。

(クランベリーエキスを1年間投与して有効性を示した研究では、BMJに発表されたものがよく知られています。)



再発性尿路感染症に対する予防および診療手順において、アメリカの統合医療実践施設と、日本の保険診療の外来では、かなり発想が違う治療が行われているようです。


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バレリアンによる睡眠障害改善作用 [2011年07月28日(木)]
今月の婦人科学の専門ジャーナル(電子版)に、閉経後の女性においてバレリアンによる睡眠障害改善作用を示した臨床研究が報告されていました。
(Menopause. 2011 Jul 14)



睡眠障害(不眠症)は、プライマリケアの中でよく認められる病態です。



不眠症に対するハーブサプリメントとしてバレリアン(学名Valeriana officinalis)が知られています。



バレリアンの活性成分としてバレレン酸valerenic acidが見出されており,ハーブサプリメント製品の指標に用いられています。





閉経後の女性では、約50%が不眠症を経験するとされています。


そこで、今回の研究では、50〜60歳の閉経後の女性100名を対象に、

・バレリアン抽出物 530mgを1日2回、

・偽薬

のいずれかが4週間投与されました。

(ランダム化二重盲検偽薬対照試験)




Pittsburgh Sleep Quality Indexによって解析された結果、
偽薬群に比べて、バレリアン投与群では、
睡眠の質に関する指標が有意に改善したということです (P < 0.001)。


また、睡眠の質の有意な改善は、
バレリアン群の30%、偽薬群の4%において認められています (P < 0.001)。




以上のデータから、不眠症の症状を有する閉経後の女性において、バレリアンの1ヶ月間の投与は、睡眠の質を改善し、睡眠障害を改善することが示唆されます。





バレリアンは,単回投与による効果も示されていますが、一般には、1ヶ月間などの投与によって「睡眠の質」を改善する働きが期待されています。



(つまり,医薬品の睡眠導入剤のような使い方ではなく、一定期間摂取することで、ハーブによる睡眠の質の改善が期待される、というタイプと考えます。)




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コーヒー+クロロゲン酸による認知機能 [2011年07月27日(水)]
今月の精神薬理学の専門ジャーナル(電子版)に、クロロゲン酸添加コーヒーによる気分および認知機能に対する作用を調べた予備的な臨床研究が、オーストラリアのグループ(Swinburne University of Technology)から報告されていました。
(Psychopharmacology (Berl). 2011 Jul 20.)



コーヒーにはファイトケミカルの1種であるクロロゲン酸が含まれており、抗酸化作用を介した生活習慣病予防効果が示唆されています。


(カフェイン以外のコーヒーの主要な成分として、フェルラ酸(ferulic acid)、カフェ酸(caffeic acid,)、クロロゲン酸( chlorogenic acid)が知られており、いずれも抗酸化作用を示します。これらの中ではクロロゲン酸が比較的多く存在します。)


また、コーヒーに含まれるカフェインは、覚醒作用・中枢神経刺激作用を介して認知機能や行動に影響を与えます。




さて、今回の研究では、クロロゲン酸を添加したコーヒーによる脳の認知機能に対する作用が検証されました。


具体的には、健康な高齢者39名を対象に、

・カフェイン抜きのコーヒー:通常のクロロゲン酸含有

・カフェイン抜きのコーヒー:高用量のクロロゲン酸含有

の飲料を3杯摂取し、

急性期における行動タスク、認知機能タスクに関連した指標が測定されています。


(二重盲検ランダム化クロスオーバー法にて実施。)



まず、通常量のクロロゲン酸含有カフェイン抜きコーヒー摂取群と偽薬群に比べて、カフェイン入りコーヒー摂取群では、気分・注意に関連した認知機能において有意にポジティブな変化が示されました。


次に、高用量のクロロゲン酸含有カフェイン抜きコーヒー摂取群でも、気分・行動に関連した指標において、通常のカフェイン抜きコーヒー摂取群に比べて、有意な改善が認められたということです。


(認知機能に対する影響は、
カフェイン入りコーヒー摂取群>高用量のクロロゲン酸含有カフェイン抜きコーヒー摂取群>通常量のクロロゲン酸カフェイン抜きコーヒー摂取群
の順番です。)


以上のデータから、カフェイン以外のコーヒーの有効成分として、クロロゲン酸による認知機能賦活作用が示唆されます。



クロロゲン酸は、コーヒーに含まれるファイトケミカル、ポリフェノールとしてよく知られており、クロロゲン酸の抗酸化作用を示した基礎研究も報告されています。


一方、クロロゲン酸の作用に注目したヒト臨床研究はほとんど見かけないので、今回の研究は興味深いと思います。



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オリーブポリフェノールによるアクリルアミド誘導性障害予防作用 [2011年07月26日(火)]
今月の毒性学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブポリフェノールによるアクリルアミド誘導性酸化障害予防作用を示した基礎研究が、スペインのグループ(ICTAN)から報告されていました。
(Toxicology. 2011 Jul 12.)



オリーブ(オリーブ・リーフ(葉)やオリーブ・オイル)には、オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。




アクリルアミドは、加熱した食品に微量に含まれることがあり、有毒な化学物質とされています。


食品にもアクリルアミドが含まれることが見出されたのは比較的最近のことで、平均的な食品からの摂取量による人体への影響や臨床的意義については現在も研究が進められています。


アクリルアミドは、炭水化物を多く含む食材を高温で加熱調理した食品に含まれることがあります。

代表的なものに、ポテトチップスやフライドポテトなどじゃがいもを揚げた食品、ビスケットやクッキーなど穀類を用いた焼き菓子などに高濃度に含まれていることが知られています。

(アミノ酸の一種のアスパラギンと、果糖やブドウ糖などの還元糖が、加熱によりアミノカルボニル反応(メイラード反応)を生じて、その過程でアクリルアミドが生成すると考えられています。)


アクリルアミドの有毒性のメカニズムとして、酸化ストレス障害があります。


そこで、アクリルアミドの有害性に対する生体の防御のために、ファイトケミカルやポリフェノールなど抗酸化成分の摂取が考えられます。



例えば、オリーブオイルや葉に含まれるオリーブポリフェノールの1種、ヒドロキシチロソールは、抗酸化作用を有し、細胞内の抗酸化能を亢進することが示されています。



そこで、今回の研究では、Caco-2小腸細胞培養系(ヒト大腸がん由来細胞株)において、アクリルアミドの細胞毒性とレドックス反応への影響が測定されました。


解析の結果、アクリルアミドによる細胞毒性は、ヒドロキシチロソールによって抑制され、活性酸素の産生が顕著に抑えられたということです。


このとき、抗酸化能の亢進、アクリルアミドによるphospho-Junキナーゼ値の抑制、caspase3活性の抑制が認められました。


以上のデータから、

Caco-2細胞系では、アクリルアミド誘導性細胞毒性とアポトーシスは、酸化障害と関連しており、

オリーブポリフェノールのヒドロキシチロソールは、抗酸化能の亢進を介して細胞毒性を抑制することが示唆されます。



今度、臨床的意義の検証が期待される分野です。





DHCでは、オリーブリーフ含有サプリメントを製品化しています。




オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。



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抗酸化サプリメントによるがん死亡および全死亡率の低下作用 [2011年07月25日(月)]
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、抗酸化サプリメントの摂取によるがん死亡および全死亡率の低下作用を示した研究が、ドイツのグループ(German Cancer Research Centre)から報告されていました。
(Eur J Nutr. 2011 Jul 22. )



抗酸化作用を持つ成分は、抗がん作用が期待され、がん死亡や全死亡率の低下作用が期待されています。



今回の研究では、ビタミン・ミネラルサプリメントの摂取と、がん、心血管疾患、全死亡率との関連が検証されました。



具体的には、1994年から1998年の間に登録された、 23,943名(がん、心筋梗塞・脳卒中を有していない被験者)を対象に、ビタミン・ミネラルサプリメントの摂取について、フォローアップが行われています。

(EPIC-Heidelbergという研究です。)



11年間の観察期間中、がん死亡513名、心血管死264例を含む1,101例の死亡例が確認されました。


交絡因子で補正後、
ビタミン・ミネラルサプリメント、マルチビタミンサプリメントの摂取と、がん、心血管、全死亡率との間に有意な相関は認められませんでした。



抗酸化ビタミンサプリメントを試験登録時から摂取していた被験者では、

がん死亡リスクが48%低下 (HR: 0.52; 95% CI: 0.28, 0.97) 、

全死亡率リスクが42%低下(HR: 0.58; 95% CI: 0.38, 0.88)

しました。



一方、サプリメント非摂取群と比べて、登録時からビタミン・ミネラルサプリメントの摂取を開始した群では、がん死亡と全死亡率の上昇が示されました。



論文著者らは、これを"sick-user effect"と考察し、観察研究における因果関係の注意喚起をしています。



限られた数の研究ですが、今回のコホート研究から、抗酸化ビタミンサプリメントの摂取によるがん死および全死亡率の低下に関する可能性が示唆されます。




抗酸化サプリメントの介入効果は小さいため、交絡因子の影響が大きい場合、アウトカムに有意差を見出すことが困難と考えられます。


RCTでの評価もアウトカムの設定は代用アウトカムにならざるを得ないため、容易ではありません。


1次予防か2次予防かの違いも関係します。


これまでの多くの研究を俯瞰的に考慮すると、マルチビタミンマルチミネラルはベーシックサプリメントとして多くの人に推奨できます。


(実際に私もマルチビタミンマルチミネラルコエンザイムQ10を摂っています。)


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ネットで‘友達’認定しないこと [2011年07月24日(日)]
7月14日、イギリス医師会は、医師・医学生に対して、ソーシャルメディア使用に関する倫理指針を発表しました。
"Using social media: practical and ethical guidance for doctors and medical students"(BMA)



指針によると、現在診療中の患者はもちろん、過去に診療したことのある患者であっても、フェイスブックなど交流サイト経由の“友達リクエスト”を認定すべきではない、と勧告しています。



医師会によると、ソーシャルメディアによって、自らのプライバシーや医師患者関係を危険にし、職業意識を損なっているケースがある、ということです。

(もちろんこうした事例は例外的ではありますが。)


指針では、

--ネット上のあらゆるコメントは、個人として、あるいは医師の立場にかかわらず、名誉棄損法が適用される

--オンラインでコメントを書き込む際には利益相反を明らかにし、倫理的責任を負う、
といった点が上げられている他、

掲示板へのコメントへの注意点も上げられています。




すべて常識の範囲内のようなこととも思いますが、急速に拡大するソーシャルメディアについては指針を示す必要性を英国医師会は感じたようです。




今回の指針とは直接関係ありませんが、匿名によるネット情報や出所が不明なネット情報は、医学医療に関する情報は無価値・無意味というだけではなく、誤った内容を含み、時には有害になりうると思っています。




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ADHDとフェイスブック [2011年07月23日(土)]
今月の小児精神医学の専門ジャーナルに、若年者でのフェイスブック利用とADHDとの関連を調べた研究が、カナダのグループ(Hospital for Sick Children)から報告されていました。
(J Adolesc Health. 2011 Jul;49(1):15-20.)



ADHD (注意欠陥・多動性障害Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)とは、多動性や衝動性、注意低下などを特徴とし、発達障害のひとつとされています。


(米国での罹患率は、若年者の6-9%、成人の3-5%ということです。

また、若年者の罹患率は、世界的に類似した数値です。)



今回の研究では、若年者自身のADHDへの態度に関して調べる目的で、彼らが自然な形で表現していると思われるSNSメディアを用いた検証が行われています。


具体的には、英語表記のフェイスブックグループからADHDをタイトルに含む25サイトが対象となりました。


グループの開設者あるいは管理者が、現在、高校あるいは大学に所属しており、100名以上の参加者を有するサイトについて、2006.9.1から2007.4.30の間のデータが解析されています。



個別項目の解析の結果、今回の研究対象となったフェイスブックグループでは、多くが、参加者の互いのサポートグループとして機能しており、経験の共有や医薬品の情報交換などが行われていることが示されました。


その他、ADHDについてのたくさんのステレオタイプなジョークもポストされていたということです。


以上のデータから、論文著者らは、ADHDの若年者に関連したSNSのグループは、ステレオタイプのネガティブな観念を退け、よりポジティブな環境での互助的な場を提供する役割を果たしていると考察しています。




SNSに関して、
最近、フェイスブック利用者である医療従事者は、患者からの「友達リクエスト」どうするべきか、という議論が行われています。



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大豆タンパクとイソフラボンによる脂質異常症改善作用 [2011年07月22日(金)]
今月の食物栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、大豆タンパク質と大豆イソフラボンによる脂質異常症の改善作用を示した臨床研究が、ブラジルのグループから報告されていました。
(Int J Food Sci Nutr. 2011 Jul 6.)



大豆タンパク質および大豆イソフラボンには、脂質代謝改善作用があり、コレステロール低下作用などが知られています。


今回の研究では、大豆タンパク質と大豆イソフラボンを含む大豆製品による脂質異常症改善作用が調べられました。


具体的には、脂質異常症患者22名(総コレステロール値が200mg/dl以上)を対象に、大豆製品(大豆タンパク質34.25 g/100 g、大豆イソフラボン100.39 mg/100 g、食物繊維39.88 g/100 g)が45日間投与されています。



介入の結果、投与前と比べて、中性脂肪は20%低下(改善)、HDL(善玉)コレステロール値は8%増加(改善)しました。


以上のデータから、大豆タンパク質・イソフラボン投与による脂質異常症改善作用が示唆されます。





大豆タンパク質には、血中総コレステロール値とLDL値を低下(改善)させ、脂質異常症を改善する働きがあります。


例えば、次のデータが知られています。


まず、イソフラボンを除去した大豆たんぱく質を一日あたり平均49g摂取した場合、動物性タンパク質に比べて、高コレステロール血症の患者では総コレステロール値を7.7mg/dL低下、全被験者ではLDLコレステロールを3.9mg/dL低下させました。


次に、イソフラボンを豊富に含む(一日あたり平均摂取量111mg)大豆タンパク質(一日あたり平均摂取量49g)を摂取した場合では、動物性タンパク質に比べて、LDLコレステロール値を7.0mg/dL低下(改善)させ、HDLコレステロール値を1.6mg/dL増加(改善)させました。


これまでの研究では、

@大豆イソフラボンは、血中総コレステロール値とLDLコレステロール値を低下させる一方、HDLコレステロールと中性脂肪には影響しないこと、

A大豆タンパク質は、大豆イソフラボンの有無に関わらず脂質異常症(高脂血症)の改善効果を示すこと、

B大豆イソフラボンと大豆タンパク質を同時に摂取すると、相加的、相乗的にコレステロールを低下させること


が示されています。




DHCでは、大豆イソフラボンサプリメントを製品化しています。



なお、脂質異常症・高脂血症対策のサプリメントの定番は、紅麹です。




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マカによる前立腺肥大症への作用 [2011年07月21日(木)]
今月の男性生殖医学の専門ジャーナル(電子版)に、マカによる前立腺肥大症および亜鉛値に対する影響を調べた基礎研究が、ペルーのグループから報告されていました。
(Andrologia. 2011 Jul 18)



マカMaca (学名Lepidium meyenii)は、南米ペルー原産の生薬の1種で、標高4000メートルの高地に自生しています。

現地の伝統医療において、滋養強壮のために用いられてきました。


基礎研究や予備的なヒト臨床研究では、勃起障害に対する効果が示唆されており、男性向けの機能性食品素材・サプリメントの成分としても知られています。


また、マカ抽出物は、ラットでのテストステロン(エナント酸テストステロン剤)誘導性の前立腺肥大症に対して、前立腺容積(サイズ)の有意な減少をもたらします。



今回の研究では、前立腺機能と関連する前立腺の亜鉛濃度について、マカ投与による影響が検証されました。


具体的には、マカ投与のラットを用いて、テストステロン誘導の影響に対する作用が測定されています。


解析の結果、1日から14日の2週間のマカ投与によって、テストステロン誘導性の前立腺肥大作用が抑制されました。


一方、7日から14日の1週間のマカ投与では、テストステロン誘導性の作用に影響は示されていません。


フィナステリドの投与は、テストステロン投与のラットにおいて、前立腺サイズ、精嚢と包皮腺の重量を抑制されました。


マカもフェナステリドも、いずれの投与でも、前立腺の亜鉛値は低下しましたが、テストステロン処理のマカ1-14日投与群において、最も大きな作用が見出されたということです。


その他、精嚢や包皮腺の重量と比べて、前立腺重量と亜鉛値は、診断マーカーとして有意であることも示唆されました。



以上のデータから、テストステロン誘導性前立腺肥大症に対して、マカの投与は前立腺の容積と亜鉛値を低下させることが示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。




男性では、加齢に伴って前立腺肥大症による排尿障害などの症状が生じます。


良性疾患である前立腺肥大症に対して、サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名serenoa repens)が用いられています。


(ノコギリヤシは,多くの臨床試験によって有効性が示されており,安全性の高いハーブです。医薬品と比べても副作用が少なく,広く推奨できるサプリメント成分です。)




一方、マカやトンカットアリは、勃起障害に対するハーブです。


DHCでは、マカトンカットアリを製品化しています。





また、亜鉛は、牡蠣などの食品に豊富で、セックスミネラルとして知られています。

近年の食生活の変化によって、亜鉛の摂取不足による味覚障害が増えているという報告があります。


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トマト果汁+オメガ3系脂肪酸 [2011年07月20日(水)]
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、トマト果汁+オメガ3系脂肪酸の摂取による抗酸化作用を示した臨床研究が、スペインのグループ(University of Murcia)から報告されていました。
(Eur J Nutr. 2011 Jul 14.)



トマトには、カロテノイド系ファイトケミカルの1種であるリコピン(リコペン)が含まれています。


赤色色素のリコピンは、抗酸化作用や抗がん作用を有しており、疫学研究では、肺がんや前立腺がん、大腸がんの予防効果が示されています。




EPADHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用,認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。




今回の研究では、心血管疾患のリスクとなる酸化関連指標について、トマト果汁+オメガ3系脂肪酸の作用が検証されました。



具体的には、健康な女性18名を対象に、

--オメガ3系脂肪酸含有果汁(n=11)、

--通常のトマト果汁(n=7)

のいずれかが2週間投与されています。

なお、EPA/DHAは250mg、ポリフェノールは181mg、リコピンは26.5mg含まれています。



介入の結果、中性脂肪やコレステロールといった脂質代謝指標に変化は認められていません。


次に、血中抗酸化状態は、果汁摂取により改善し、総抗酸化能の増加、脂質過酸化の抑制が示されました。


また、血中ホモシステイン値は、オメガ3系脂肪酸含有トマト果汁の摂取後に低下(改善)しています。


さらに、炎症によって誘導されるVCAM-1は、果汁摂取の両群ともに低下が示され、ICAM-1は、オメガ3系脂肪酸含有果汁摂取群においてのみ低下が認められています。




以上のデータから、オメガ3系脂肪酸とトマト果汁のシナジーによる抗酸化作用が示唆されます。




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オリーブリーフ(葉)エキスによる虚血障害保護作用 [2011年07月19日(火)]
今月の生薬学の専門ジャーナル(電子版)に、オリーブリーフ(葉)エキスによる虚血障害保護作用を示した基礎研究が報告されていました。
(Phytomedicine. 2011 Jul 12.)



オリーブ(オリーブ・リーフ(葉)やオリーブ・オイル)には、オレユロペンやヒドロキシチロソールなどのファイトケミカルが豊富に含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介した生活習慣病の予防や改善効果が示唆されています。



脳梗塞など脳虚血・再灌流による脳障害に対しては、植物由来のポリフェノール・抗酸化成分の働きが注目されています。



オリーブ産物を多く利用する地中海食の摂取は、心疾患やがん、炎症性疾患、脳卒中のリスクの低下との相関が知られています。


(オリーブポリフェノールは、エクストラバージンオリーブオイルやオリーブリーフ(葉)に含まれています。)



そこで、今回の研究では、オリーブリーフ抽出物による脳虚血時の神経保護作用について検証が行われました。


具体的には、スナネズミを用いて、実験的に一過性脳虚血を生じさせ、オリーブリーフあるいはケルセチン投与によって、再灌流後(80分、2、4、24時間後)の海馬における酸化障害や神経障害が測定されています。


(ケルセチンは、神経保護作用を有するフラボノイド類であり、アクティブ対照群になります。)


解析の結果、オリーブリーフ抽出物(100mg/kg体重, per os)の前投与によって、再灌流後のすべての時点において、スーパーオキサイド産生やNO産生の有意な抑制、過酸化脂質の有意な減少、SOD活性の有意な亢進が認められたということです。



以上のデータから、オリーブリーフ抽出物による脳虚血・再灌流時の酸化障害抑制、神経保護作用が示唆されます。


今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。





DHCでは、オリーブリーフ含有サプリメントを製品化しています。



オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用や抗炎症作用、動脈硬化抑制作用といった機能性が広く知られています。




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乾癬に対するオメガ3系脂肪酸の効果 [2011年07月18日(月)]
皮膚科学の専門ジャーナルに、乾癬に対するオメガ3系脂肪酸の補完療法としての働きを調べた臨床研究が、スペインのグループから報告されていました。
(Clin Cosmet Investig Dermatol. 2011;4:73-7.)



具体的には、軽症から中等度の尋常性乾癬患者30名を対象に2群に分け、

15名は対照群として、活性型ビタミンD3製剤の外用剤利用、

15名には、外用剤とオメガ3系脂肪酸剤(EPA/DHA 640mg/日)

が8週間投与されています。



投与前、4週間、8週間の時点で、

乾癬評価指標であるPASIやNAPSI、DLQIが測定された結果、

両群ともに有意な改善が見出されました。



対照群との比較では、オメガ3系脂肪酸併用群のほうが、有意な改善が認められたということです。



以上のデータから、尋常性乾癬に対する活性型ビタミンD3製剤の外用投与の補完療法として、EPADHAサプリメントの摂取による有効性が示唆されます。




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心血管疾患患者とCAM(補完代替医療)の利用 [2011年07月17日(日)]
今月の循環器病学の専門ジャーナルに、心血管疾患の患者あるいは高血圧や脂質異常などの危険因子を有する患者におけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が、米国のグループ(University of Virginia)から報告されていました。
(J Cardiovasc Nurs. 2011 Jul 7.)



心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患、高血圧、脂質異常症(高脂血症)は、有病率も高く、CAM(補完代替医療)の併用も行われています。



今回の研究では、2007年の米国健康面接調査データに基づいた解析が行われました。


具体的には、
冠動脈疾患と診断された患者(n=1055)、高血圧患者(n=6849)、高コレステロール血症(n=5808)を対象とし、心疾患有病者ではない対照群(n=22290)と比較されています。


解析の結果、
心血管疾患患者は、対照群に比べて、補完代替医療の利用率が高く、
特にサプリメント健康食品とマインドボディ(心身医療)の利用が多いということです。






心疾患対策のサプリメントとしては、
コエンザイムQ10が米国では広く認知されています。


また、コレステロール対策では、紅麹について有効性と安全性を示すエビデンスが豊富であり、最近では、スタチン不耐症(医薬品のスタチン剤が副作用のために利用できない患者)に対して紅麹の投与による有効性が示されています。


高血圧については、サプリメント成分もありますが、心身医療も有効です。

例えば、今回の東日本大震災では、通常の高血圧治療薬では降圧効果が得られなかった被災者に対して、ヨーガ療法のボランティアグループがヨーガを指導したところ、顕著な高血圧改善効果が示されたことも知られています。




コエンザイムQ10には,酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが,酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は,体内に吸収された後,いったん還元されてから,利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは,酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって,一般的には,生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して,酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方,特定の疾患に対して用いる場合,あるいは,体内の生理機能が低下している高齢者の場合には,還元型CoQ10の利用が推奨されます。



脂質代謝異常,特にコレステロール高値に対する機能性食品素材としては,紅麹の他,植物ステロールなどがあり,それらを含む複合サプリメントも用いられています。



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紅茶・コーヒーの摂取による鼻腔MRSA保菌リスク低下作用 [2011年07月16日(土)]
今月の家庭医療の専門ジャーナルに、紅茶・コーヒーの摂取によって、鼻腔でのMRSA保菌リスクが低下するという研究が、米国のグループ(Medical University of South Carolina)から報告されていました。
(Ann Fam Med. 2011 Jul-Aug;9(4):299-304.)



紅茶やコーヒーには、ポリフェノール類が含まれており、抗菌作用を有することが知られています。


今回の研究では、紅茶・コーヒーの摂取とMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)保菌リスクとの関連が調べられています。



具体的には、2003-2004年にかけて行われた米国全国健康栄養調査のデータを用いて、コーヒー、紅茶(ホットとアイス)、ソフトドリンク類との摂取、鼻腔でのMRSA保菌者が解析されました。


その結果、米国では約250万人(人口の1.4%)がMRSA保菌者であると推定され、
回帰分析によって、年齢や人種、健康状態、過去1年間の入院歴、抗生物質の利用歴といった交絡因子で補正後、


紅茶(ホット)を摂取するとした群(1ヶ月1杯以上)では、紅茶(ホット)を摂取しない群に比べて、MRSA保菌の割合が53%少ないというデータが見出されています。
(OR= = 0.47; 95% CI, 0.31-0.71)



同様に、コーヒーの摂取群(1ヶ月1杯以上)でも、非摂取群に比べて、保菌リスクが53%低いという結果でした。(OR = 0.47; 95% CI, 0.24-0.93)


さらに、紅茶とコーヒーの両方を摂取する人では、67%のリスク低下が見出されました。


これらのリスク低下作用は、アイスティーやソフトドリンクなどの冷たい飲料の摂取との相関は示されていません。



以上のデータから、(ホットの)紅茶やコーヒーの摂取と、鼻腔のMRSA保菌リスク低下との相関が示唆されます。


論文著者らは、紅茶やコーヒーの摂取が、抗生物質などの代替として、MRSA保菌リスク低下作用のための安全で安価な手段として用いられる可能性を考察しています。


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カルシウムサプリメントによる子宮体がんリスクの低下 [2011年07月15日(金)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに、子宮体がんのリスクと栄養との関連を調べた研究が、カナダのグループから報告されていました。
(Public Health Nutr. 2011 Jul 14:1-13.)



2002年から2006年にかけて、カナダにおいて実施された症例対照研究です。


具体的にはアルバータ州にて子宮体がんと診断・登録された506名と、年齢等を一致させた対照群981名を対象に解析が行われました。


主要な栄養素について4分位の比較の結果、

まず、食事からのコレステロールの摂取は、最高群では、最低群に比べて、51%のリスク増加が認められました。
(OR = 1.51, 95 % CI 1.08, 2.11; P for trend = 0.02)



次の食事由来のカルシウムは、最高群では、最低群に比べて27%のリスク低下が示されました。
(OR = 0.73, 95 % CI 0.54, 0.99)

しかし、多変量補正後ではこの食事由来のカルシウムのみでは有意差は示されていません。



一方、カルシウムサプリメントからの摂取を含めると、最高群では、最低群に比べて、28%のリスク低下が見出されたということです。
(多変量補正OR = 0&middot;72, 95 % CI 0&middot;51, 0&middot;99, P for trend = 0&middot;04)



その他、水溶性食物繊維、ビタミンC、チアミン、B6、ルテイン・ゼアキサンチンによる子宮体がんリスク低下作用については限定的なデータが得られています。



以上のデータから、論文著者らは、子宮体がんと栄養素の関係について、

食事からのコレステロール摂取によるリスク増加、

食事+サプリメントからのカルシウム摂取によるリスク低下

という働きを考察しています。



DHCでは、カルシウム・マグなどを製品化しています。




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風邪に対する偽薬効果 [2011年07月14日(木)]
今月の家庭医療の専門ジャーナルに、普通感冒(風邪)に対するプラセボ(偽薬)効果を示した臨床研究が、米国のグループ(University of Wisconsin)から報告されていました。
(Ann Fam Med. 2011 Jul-Aug;9(4):312-22.)



エキナセア(エキナシア,和名ムラサキバレンギク)は、北米原産のハーブです。


風邪(普通感冒、上気道炎)やインフルエンザの感染初期に、治療目的で投与され、症状の軽減と罹病期間の短縮効果が認められます。


また、風邪の予防目的にも利用され、罹患リスクの減少効果が知られています。



さて、今回の研究は、Annals of Internal Medicineの2010年12月21日号に掲載されたRCTのサブ解析です。


RCTでは、12〜80歳の普通感冒新規発症患者719例が対象とされました。

(臨床的実践的な検証になっています。ウイルス播種といった実験的な報告もありますが。)


なお、実薬群と偽薬群の2群間の比較ではなく、無治療群(偽薬非投与の対照群)、偽薬投与群(盲検)、エキナセア投与群(盲検)、エキナセア投与群(非盲検)の4群に割り付けられています。


エキナセア群には24時間以内に乾燥根10.2g相当量を投与、その後は1日5.1g相当量を4日間投与しました。


713名が試験を完了し、解析の結果、主エンドポイントの風邪の重症度と罹病期間、副エンドポイントのインターロイキン-8値のいずれにも有意差は認められていません。

ただし、風邪の重症度は偽薬群よりエキナセア盲検群のほうが軽い傾向が見られました(P=0.089)。


このRCTは、有意差が認められなかったので、ネガティブデータとされていますが、罹病期間は約半日間短縮し、重症度は約10%軽減しています(ただし、偽薬群と有意差はなし)。


このRCTの結果は、エキナセアの有効性を検証した他のRCTと一致するデータであり、有効性を否定するものではありません。



一方、エキナセアの有効性に対する信頼性を100ポイントスケールで評価し、50%を超える信頼性を寄せる患者群でのサブ解析では、

非投与群に比べて、偽薬盲検群では

罹病期間は2.58日有意に短縮(95% CI, -4.47 to -0.68 days)し、

重症度は26%低下(改善、有意差なし)( -97.0, 95% CI, -249.8 to 55.8 points)

となっています。


なお、エキナセア投与群では、非盲検(オープンラベル)エキナセア投与群と、盲検エキナセア投与群との間に、有意差は示されていません。



各群間のサブ解析の結果、
非投与群では、(偽薬やエキナセアにかかわらず)投与群に比べて、普通感冒の重症度が重く、罹病期間が長い傾向がありました。


また、エキナセアの有効性を信頼している患者群では、いわゆる偽薬効果が示唆されます。



医療者との関係性などの影響がアウトカムに示されたとも考えられます。







ハーブとしてのエキナセア(Echinacea species)は、E. angustifolia、E. pallida、E. Purpureaの3種が代表的です。

伝統的な投与方法では、主にE. Purpureaの全草(地上部や根、根茎,葉を含む全草)がチンキ剤として用いられます。

(乾燥末を用いたサプリメントでは、主要成分であるアルキルアミド類alkamidesの含有量で標準化されています。)

一般に、風邪予防・インフルエンザ予防には、
エキナセアやビタミンDの摂取が有効です。

また、罹患したときの対処(症状の軽減と罹病期間の短縮)としては、
エキナセア亜鉛ビタミンCプロポリス
が有用です。

DHCでは複合サプリメント製品も扱っています。


(なお、症状を観察しつつ必要に応じて医療機関の受診も必要です。)



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地中海食による高尿酸血症リスクの低下 [2011年07月13日(水)]
今月の更年期関連疾患研究の専門ジャーナル(電子版)に、地中海食による高尿酸血症リスクの低下作用を示した研究が、ギリシャのグループ(University of Athens)から報告されていました。
(Maturitas. 2011 Jul 1)



地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。



今回の研究では、高齢者における地中海食の食習慣と、血中尿酸値との関連が検証されました。


具体的には、2009年に、心血管疾患を有していない男性257名(平均75歳)、女性281名(平均75歳)を対象に、地中海食の食習慣の遵守程度(MedDietスコア)と、血中尿酸値が測定されています。


(高尿酸血症は、男性では7mg/dLを超える場合、女性では6mg/dLを超える場合、と定義。)


解析の結果、高尿酸血症は、男性の34%、女性の25%で見出されました(p=0.02)。

地中海食スコア(0-55)は35±2です。


回帰分析によると、MedDietスコアは、血中尿酸値と負の相関が認められています(p<0.001)。

(高血圧、高コレステロール、糖尿病、クレアチンクリアランス、運動習慣、コーヒー消費といった交絡因子で補正後も有意。)


つまり、地中海食に従った食生活であれば、高尿酸血症のリスクが低くなることが示唆されます。
(特に、男性での有意差が認められたということです。)



以上のデータから、高齢者において、地中海食は高尿酸血症のリスクを低下させると考えられます。



高尿酸血症は、痛風や腎障害を生じますので、食生活の見直しによる予防や改善が大切です。





地中海食は、地中海地方の伝統食で、野菜や果物、全粒の穀類、種実類、オリーブオイルの利用が多いという特徴があります。


オリーブオイルは、単価不飽和脂肪酸というだけではなく、最近の研究では、エクストラヴァージン(バージン)オリーブオイルに含まれるファイトケミカル・ポリフェノールによる抗酸化作用の有効性も示されています。


オリーブオイルを多用する地中海食は、心臓病などの生活習慣病の予防効果を示し、抗炎症作用を有する抗炎症ダイエットであることがわかっています。



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腰痛と補完代替医療 [2011年07月12日(火)]
今月のNIH/NCCAM(米国国立補完代替医療センター)のニュースレター(クリニカルダイジェスト)に、腰痛に対するCAM(補完代替医療)のアプローチがまとめられていました。
(NCCAM Clinical Digest July 2011)



腰痛は、多くの人が経験する症状ですが、内科的な保存療法でも十分に改善せず、かつ、整形外科的には特に手術をするようなものでもない、という病態がみられます。

(いわゆるぎっくり腰のような急性筋肉性腰痛症や椎間板ヘルニアなどが病院での一般的な病名ですが、診断名はそれぞれのCAM療法によって異なります。)


急性あるいは慢性腰痛に対して、NIHのNCCAMでは、
まず、内科医を対象にした2007年の診療ガイドラインに基づいて、
「脊椎に対する徒手療法」を挙げています。

(これは、内科系ジャーナルであるAnn Intern Med. 2007;147:478-491.が引用されています。)


米国では、具体的には、カイロプラクティックやオステオパシーなどです。

(一方、主要先進国の中で、日本では、カイロプラクティックが法制化されておらず、無法地帯になっていますので、きちんとしたカイロプラクターを受診することが重要です。)



カイロプラクティックについては、これまでに多くの研究があります。

また、NCCAM(米国国立補完代替医療センター)によって、UCLAで行われた臨床研究では、600名以上の腰痛患者を対象に検証され、有効性が示されています。(PMID: 16540862)



次に有用な方法として、鍼治療も挙げられています。

最近では、2009年に報告された大規模な試験によって、腰痛に対する有効性が示されています。


また、(ライセンスを有する療法士による)マッサージ療法も有効です。

2008年のレビューでは、18報の臨床試験が対象に解析され、有効性が示されました。
アメリカ病院協会の調査では、マッサージ療法を導入している病院が増えています。



その他、一部のハーブやサプリメントについては、限定的なエビデンスということになっています。




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