今月の栄養学の専門ジャーナルに、ベジタリアン食の栄養価に関する検証を行った研究が、米国のグループから報告されていました。
(
J Am Diet Assoc. 2011 Jun;111(6):819-27)
一般に、摂取する食品や食材に制限を加えると、栄養素の過不足を生じる可能性が生じると考えられます。
一方、ベジタリアン食と非ベジタリアン食の比較では、適切に準備されたベジタリアン食は、健康増進や生活習慣病予防に有用であることが示されており、米国の食事摂取ガイドラインでも是認されています。
そこで、今回の研究では、ベジタリアン食において不足しがちな栄養素について、ベジタリアンと非ベジタリアン、ダイエット(食事による減量)中の人の3群を対象に、実際の摂取状況による解析が行われました。
具体的には、米国全国健康栄養調査(1999-2004)から、19歳以上のデータが検証されています。
(なお、妊娠中と授乳中の女性13,292は除外されています。)
ラクトオボベジタリアンは851名、
ダイエット中の人はエネルギー必要量から500キロカロリー以上制限していると定義して、4,635名が対象となりました。
エネルギー摂取量、性別、人種などで補正され、
ベジタリアンと非ベジタリアンの比較、
ダイエット中のベジタリアンと非ベジタリアンの比較、
非ダイエット中のベジタリアンと非ベジタリアンの比較が行われた結果、
ベジタリアン群は、非ベジタリアン群に比べて、
食物繊維、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、チアミン、リボフラビン、葉酸、カルシウム、マグネシウム、鉄の摂取量が多いことが見出されました。
なお、Healthy Eating Index scoreに関して、ベジタリアン群と非ベジタリアン群との間に有意差は見出されていません。
(50.5±0.88 vs 50.1±0.33, P=0.6)
以上のデータから、ベジタリアン食は、栄養価が豊富であり、食事摂取ガイドラインに沿った食事内容であること、また、食事の栄養価を損なうことなく減量のための食事療法にも用いられることが示唆されます。
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