今月の植物療法の専門ジャーナル(電子版)に、ノコギリヤシによる前立腺上皮細胞に対する作用を調べた基礎研究が、スウェーデンのグループ(Karolinska Institutet)から報告されていました。
(
Phytother Res. 2011 Jun 8.)
男性では、加齢に伴って前立腺肥大症による排尿障害などの症状が生じます。
良性疾患である前立腺肥大症に対して、
サプリメントでは、ノコギリヤシ(学名
serenoa repens)が用いられています。
(ノコギリヤシは,多くの臨床試験によって有効性が示されており,安全性の高いハーブです。医薬品と比べても副作用が少なく,広く推奨できるサプリメント成分です。)
また、民間療法では、前立腺炎に対しても用いられています。
さて、今回の研究では、ノコギリヤシ抽出物による前立腺細胞に対する作用に関して、こうアンドロゲン作用以外についての検証が行われました。
解析の結果、ノコギリヤシは、アンドロゲン非依存性前立腺がん細胞培養系(PC3)において、EGFやLPS誘導性前立腺上皮細胞増殖作用を抑制することが見出されました。
有効濃度である50μグラム/mLでは、ノコギリヤシはEGFRにおいてEGFを阻害し、EGF誘導性の細胞増殖抑制作用を示しています。
また、LPS誘導性のモデルでは、ノコギリヤシは、NFκBの抑制作用を介した細胞増殖抑制を示しました。
さらに、MCP-1分泌の抑制、LPS誘導性IL-12の抑制といった作用も見出されました。
以上のデータから、ノコギリヤシ抽出物は、EGFシグナルの抑制を介して前立腺細胞の増殖抑制作用を示すことが示唆されます。
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