一昨日に続いて、コーヒーの摂取と死亡率に関するデータです。
今週(6/17付)の内科学の専門誌に、コーヒーの消費量と全死亡率との間に負の相関関係があるという調査研究が報告されていました。
(
Ann Int Med 2008 Jun 17;148(12):904-914)
今回の研究では、コーヒーの消費と、心血管疾患による死亡、がんによる死亡、全死亡率との関係について検証する目的で、男性(41,736名)は18年間、女性(86,214名)は24年間のフォローアップが行われています。
(前向きコホート研究(Health Professionals Follow-up Study and Nurses' Health Study)です。
被験者は、研究エントリー時には心血管疾患およびがんを有していません。)
コーヒーの消費量については、1986年に男性、1980年の女性において最初に調査され、2から4年ごとに2004年まで調べられています。
フォローアップ中に、男性では6,888名、女性では1,1095名の死亡が確認されました。
年齢や喫煙歴などの因子で補正した後に比較した結果、コーヒーの消費量が増えると、全死亡率が低下する傾向が認められています。
全死亡率
男性:
1杯未満/月:1.0
1杯/月〜4杯/週:1.07 (95% CI, 0.99 to 1.16)
5〜7杯/週:1.02 (CI, 0.95 to 1.11)
2〜3杯/日:0.97 (CI, 0.89 to 1.05)
4〜5杯/日:0.93 (CI, 0.81 to 1.07)
6杯以上/日:0.80 (CI, 0.62 to 1.04)
(P for trend = 0.008)
女性:
1杯未満/月:1.0
1杯/月〜4杯/週:0.98 (CI, 0.91 to 1.05)
5〜7杯/週:0.93 (CI, 0.87 to 0.98)
2〜3杯/日:0.82 (CI, 0.77 to 0.87)
4〜5杯/日:0.74 (CI, 0.68 to 0.81)
6杯以上/日:0.83 (CI, 0.73 to 0.95)
(P for trend < 0.001)
コーヒーの消費量が増えると全死亡率が低下するという相関では、主に心血管疾患による死亡の減少が影響していたということです。
このとき、カフェインの摂取量との関連は認められていません。
また、コーヒーの消費量とがん死亡のリスクとの間には相関は示されませんでした。
以上のデータから、コーヒーの消費による全死亡率の低下および心血管疾患による死亡の低下が示唆されます。
ただし、介入による臨床試験ではなく調査研究ですので、コーヒーの消費量はセルフレポートであるなど、研究の限界もあります。
(一昨日と同じになりますが、)
DHCでは、「
オーガニックブレンドコーヒー」や「
カナディアン・メープルコーヒー」を取り扱っております。