泌尿器科学の専門誌に、前立腺肥大症による下部尿路症状に対して用いられるハーブ・生薬の効果を検討した総説が発表されていました。
(
J Urol. 2008 Apr 16,PMID: 18423748)
2007年6月の時点で、MedlineとCochrane Libraryを使って、ノコギリヤシ(
Serenoa repens)、ピジウム(
Pygeum africanum)、ライムギ(
Secale cereale)、ヒポキス(
Hypoxis rooperi)に関する研究が検索されています。
ノコギリヤシについて、レビュー2報と偽薬対照臨床研究3報が評価された結果、まず、レビューでは尿流率および症状の改善が認められています。
また、臨床研究3報のうち、2報では偽薬に対して有意な改善効果が認められたということです。
前立腺肥大症は加齢に伴って生じる良性の疾患ですので、ノコギリヤシの利用も選択肢の一つになると考えられます。
(効果の個人差や症状の重症度の違い、副作用のリスク、費用対効果などについて、医薬品と比較することになります。その結果、医薬品よりも
ノコギリヤシが好ましいという場合も少なくないと思います。)