米国の大学の研究グループから、妊婦がDHAを摂取すると、乳児の問題解決能に好影響を与えるという研究が報告されています。
(Am J Clin Nutr 2007 85: 1572-1577)
これまでの研究によって、オメガ3系必須脂肪酸の一つであるDHAを妊娠中に摂取すると、子供の認知機能に好影響を与えることが示唆されてきました。
今回の研究は、二重盲検偽薬対照ランダム化比較試験として、妊婦にDHAあるいは偽薬が、妊娠24週から出産まで投与され、乳児の問題解決能(problem solving)に対する働きが検討されています。
試験では、DHA投与群(n=14)では、300mgのDHAを含むシリアルのバー(92kcal)が用いられ、1週間あたり平均5個摂取されています。
(偽薬群(n=15) は、DHAを含まないシリアルバーを摂取。)
効果の判定のために、生後9ヵ月の時点でInfant Planning Testや Fagan Testなどが実施されました。
その結果、問題解決能について有意な効果が認められたということです。
(total intention score; p=0.017, total intentional solutions; p=0.011, number of intentional solutions)
ただし、Fagan Testでは有意差は示されていません。
このデータから、妊娠中のDHA摂取が、乳児の発育に好影響を与えることが示唆されます。
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